お食事会。
あたしの店は完全個室待機なもんで、
他の姫とお知り合いになる機会は月に一度のお食事会くらい。
お食事会の店に向かうと、スタッフの対応は笑っちゃうほど丁寧で、
姫たちはいつにもましてかしこまっちゃって、なんだかおかしな空気。
姫はおっそろしく綺麗な子ばかりで、あたしなんて萎縮しちゃって
ちっちゃくちーちゃくなってる。
ほーっそいのにおっぱいBOM¦・。・!とか、
どう見てもモデルでしょ?って子とか、
銀座のNO.1でも全然おかしくないって子とか、
君のいる場所はここじゃないわよ・・・
って教えてあげたくなるほどの姫とか。
(HP見れば納得!だけど・・・んなことしたらバレるんで無理だぁあ)
初めて月の指名NO.1ってやつになっちゃったとき、
「なんであの子が?」・・・的なざわめきが沸き起こり、
「あー、どうもすいませんねぇ、あたしなんかで」
ってなへたれ顔で祝いの商品券だかなんかを
へこへこ取りに進み出たのだった。
「お客様からは、明るくて楽しいと評判ですよ」
なんて、紹介されちゃったりなんかして、
「あー、どうせやるなら楽しまなきゃソンだと思ってー」
とか言っちゃってヒンシュクかったり、
「だからお客様も楽しまれてるんですね」
と返されて、
「あー、どうもすいませんねぇ、3枚目な感じで」
なんてすねちゃったりするわけだ。
入店直後、店があたしになんて期待してねーことぐらい感じていた。
服着たまま採用になったけど、あたしの薄っぺらい裸体見て、
オーナーも専務も言葉失ってたしな。
ひしひしと感じていたけど、感じないふりして、
突っ走ってやりましたよ、あたしは。
美女ばかりのお食事会から帰ってきたら「自信」というものを
うっかり店に忘れてきたかのように、
すっかり凹んでたりもたまにする。
あたしにだってやる気ねー日もあるし、
病み病みで部屋出るときは両足に鉛の玉繋がれてんじゃねーの?
って気分の時もあるし、
客をめっためたに撲殺したくなる時だってある。
けど、薬飲んででもユンケル3本まとめて飲んででも、
ちゃんと店に出て、最高の姫演じて、客を満足させるのは、
もう残り少ない時間に向けるプロ意識からに違いない。