岸辺の旅 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

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2015年10月 @ シネ・リーブル神戸

うーんと、キャスト発表された時の期待からの、待たされて観た予告があんまりそそられる感じじゃなかったので、どーなんでしょ?だったんですが、吃驚する程良かった…

まぁ、そりゃ、黒沢清監督ですから! 


全然思い描いてた内容と違ってた驚きもあるんだけど、その辺が客足の迷いにも繋がってるんかな?
プロモーション難しい作品ではあるんだろうけど、これぞ映画館の醍醐味な訳で…
難しいね。

 

岸辺の彼方側を意識しつつの、戻って来た旦那との二人旅は、それが幸福に満ちれば満ちる程に翳りを強める。
寄り添う浅野さんと深津さんの、その距離が見えてしまう存在感は置き換え効かぬ程。


オープニングのあの風に揺れるカーテン。
漆黒の髪の狭間から見える深津絵里の顔。
空間を分断する柱。その柱に隠れた空間。
顔に挿す光と影。
スクリーンを覆い尽くす翳り。
こちらとあちら。
何度も驚嘆の声漏れた。

 

予告で感じてしまう“泣かせる夫婦の愛の物語”みたいなのを期待すると(多くの観客はそうだろう)ちょっと外れるし(本質的には間違ってない筈)、結構怖いシーンあるし(全然ホラー映画ではないけど)、これは相当に戸惑う人多いんだろうな… 


吃驚する程出演シーン短いけど、強烈なインパクト残す蒼井優!
黒沢清監督とはドラマ『贖罪』以来だけど、あちらでも壮絶だったもんなぁ…
凄い役者になったものだ。