コングレス未来学会議 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

コングレス未来学会議
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2015年7月 @ シネ・リーブル神戸

もう、ちょっとこれは只事でない。
アニメーションの、映画の、いや意識の革命だ。
某たそがれの謳い文句“二十一世紀最高傑作”をブン取って来たい!


『千年女優』『パーフェクト・ブルー』を観たばかりなのもあるんだけど、今敏監督と意識下で繋がるところ多々だったな。

『パプリカ』との二本立てで映画にグニャグニャと溶け込みたいぞ!


優れたSFがいつもそうであった様に、今作も寓意に満ちた現実そのものの写し鏡の様であったな。
原作とは随分違っているみたいで、一見映画界の現在を描いているかの様で、いやはやより普遍的今の社会の縮図でもあった。


ドラッグでトんで突入するもう一つの世界って設定はスタニスワフ・レムが著した原作『泰平ヨンの未来学会議』にあるみたいですが、今作でのそれは仮想空間でありつつ、現実以上に自らが投影され、宛らSNS空間の様である。 あれをアバターとして観始めると、途端今の物語だ。


前半の実写パートの、ロビン・ライトの実像を反映させた、今後の映画界の行く末を予見させる様な展開が先ずドラマティック。
ライトとハーヴェイ・カイテル演じるマネージャーの関係性。
息子や娘への愛。
揺れる心… 

ロビン・ライトもよくもまぁ、あんな脚本にOK出したな(苦笑)ってぐらい明け透けに彼女のキャリアにエグく言及した設定なんですが、だからこそこ破天荒な物語が途端説得力を持ち得もするのか。

あの女優としての彼女を総てスキャンする機械のインパクトよ!

そして、そんな中でマネージャーと対峙して女優としてだけでなく母親としての自らをスクリーンに開陳するライトの熱演に、映画と現実の境目が破られた。 


物語の中心となる息子を演じるコディ・スミット=マクフィーの病的な美貌がより母親の溺愛にシンクロをさせますが、

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個人的にはその姉を演じたサミ・ゲイルのキュートさにゾッコン。

ライト兄弟と繋げた設定も憎い!

 

そっからの中盤のアニメパートへの踏み込み方がまた憎たらしいぐらいに独創的な訳ですが、まんまドラッギーな拡張/変調された感覚を見事に視覚化し、止めどなく紡いで行く様、そのイマジネーションの飛距離には度肝抜かれた! 


このアニメパート、イマジネーションの止めどなき変容が何重にもレイヤーとして重ねられ、観ている此方側が今どの層に属しているのか?の混乱が壮絶なる体感として永続して行く…
いやぁ、分析不可能な分泌液出た。 


そして、再び実写パートに戻り…

はぁ…何だこれは!?

こんは淵に辿り着くとは。


監督のアリ・フォルマンは日本では前作『戦場でワルツを』で知名度を上げたのでアニメーション作家として捉えられてる気がしますが、そのユニーク過ぎるキャリアは一筋縄で行ってくれなさそうで今後を期待させるな。

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この監督のもう一つの日本公開作『セイント・クララ』とか今改めて上映したら受けそうな気がするな。

SF『MADE IN ISRAEL』や

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ドキュメンタリー『COMFORTABLY NUMB』も観たい! 
レトロスペクティブ日本でもやって!