フォックス・キャッチャー | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

フォックス・キャッチャー
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2015年2月 @ シネ・リーブル神戸


もう完敗…圧巻!
史実を元にしても、此処迄映画として語れるのだと叩きつけられた。
削ぎ落とす事で際立つ神経の機微と、それが積算される事で躍動がスクリーンを突き破る瞬間!恐るべき傑作。 


ピュアであるが故その真っ直ぐなベクトルが重なれば同調し、それれば全く別個へと踏み外してしまうジョンとマーク。

その深淵の汚れなさは、だからこそ掴み所がなく恐ろしいのだ。


ジョン演じるスティーヴ・カレルがもう圧倒的だよね。

あそこ迄のあてどなき内面を、その“顔の向き”だけで感じさせてしまうなんて何事!? 


もう減量か!ってぐらいに削ぎ落とされたストイックなエピソードの組み方に唸るよね。

ジョンとマーク。それぞれの背景は恐ろしい程に描かれない。
だからこそ際立つ。


先ずオープニング!

マークとデイヴの無言のセッションのあの息遣い、軋み。
あれで、一気に二人の関係性が見えちゃうし、この映画の語り口に引き摺り込まれる。 


それとあの屋敷だよね…

細部に至る迄相当神経質に(ジョンと言う人間を)構築している。 




そうそう、あるシーンで流れるボウイの「Fame」、相変わらずキレッキレの楽曲だなぁーと痺れたね!