KAVC漬け | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2012年10月のある日 @ KAVC

うわぁー!うわぁー!うわぁー!
むっちゃこんらん…

いやー、よく生還出来た。
やっぱ、これは一日で観るラインナップでない!
危険過ぎる!


長・短編綯い交ぜで計30本(かな?)。
人間様のイマジネーションの天井知らず具合と、それの具現化(ここでは映像化だ)への底なしな情熱…

ゲー出るわ!


どれから語っても、多分一晩で語り切れない…


グレートラビットと

   世界のアニメーション傑作選

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Aプロ『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選
『エクスターナルワールド』(2010/ドイツ/17’00″/監督:ディヴィッド・オライリー)
『ハウス』(2011/ドイツ/6’33″/監督:ディヴィッド・ブオブ)
『マダガスカル旅日記』(2009/フランス/11’05″/監督:バスティアン・デュボア)
『おなか』(2011/イギリス/7’29″/監督:ジュリア・ポット)
『ホリデイ』(2011/日本/14’16″/監督:ひらのりょう)
『MODERN NO.2』(2011/ドイツ/4’10″/監督:水江未来)
『オー、ウィリー』(2011/ベルギー/16’53″/監督:マーク・ジェイムス・ロエルズ、エマ・ドゥ・スワーフ)
『3月11日のかけら』(2011/日本/2’17″/監督:しりあがり寿)
『グレートラビット』(2012/日本/7’12″/監督:和田淳)

Bプロ『グレートラビット』と和田淳全作品
『夢現』(2002/3’30″)
『このマヨネーズはゆるすぎる』(2002/2’20″)
『笛』(2002/5’40″)
『kiro no hito』(2003/9’40″)
『蠕虫舞手』(2004/6’20″)
『子供の廻転の事』(2004/2’50″)
『係』(2004/6’15″)
『鼻の日』(2005/9’30″)
『やさしい笛、鳥、石』(2005/3’30″)
『声が出てきた人』(2006/4’30″)
『そういう眼鏡』(2007/5’40″)
『わからないブタ』(2010/10’10″)
『春のしくみ』(2010/4’20″)
『グレートラビット』(2012/7’12″)

ベルリンで銀熊な兎を率いての和田淳監督の凱旋上映会! 

姫路シネマクラブとも何かと縁深いので、度々作品に触れているのですが、今回のヴォリュームはどうだ!?

世界の傑作選に貴方の凝り固まったアートアニメ(嫌いな括り方だけど便宜上)観は粉々に砕かれる!
今までの人生で駆使して来てた感覚器官を疑る程の衝撃!!!
そして和田淳監督全作品には、彼の飄々としつつも頑なな作家靈が溢れ返ってた!!!

和田淳監督の『グレートラビット』と、旧全13作品、そして世界のアニメーションの傑作8選を一気に愉しめるこのプログラムはちょっと豪勢過ぎる!

世界のアニメーション傑作選の異様なクオリティー&先鋭さ、そしてその面白さ(決して解る人にだけ解るってノリではない)!
一般的には接する機会が少ないだけに、衝撃は絶大だろう。


決してアートアニメ(便宜上使います)はキモ可愛いキャラに萌えるみたいなのや、シュールな世界観~みたいな、なのだけじゃない!
ぶっ飛ばされて下さい!


そして『グレートラビット』に至る和田淳監督の全作品。
極々初期から凡ゆるモティーフが散見出来るのも一気観の醍醐味。
如実に画も音もクオリティーが上がっているものの、そんなベクトルとは別個のラインが見えてきたら、もう虜。

天才。


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『メリエスの素晴らしき映画魔術』はメリエスと言うトンデモない革命家の闘争と焦燥を見事に捉えてて、映画史を振り返る観点からも有意義な一本。
そして、感動すら越え、絶句する程の復元の執念を経ての『月世界旅行』の壮大な浪漫!!!

『ヒューゴの不思議な発明』や『アーティスト』、『マイブリッジの糸』なんて作品が公開され、その一方でデジタル化の波による映画館やフィルム上映への危機感が現実味を帯びて来た2012年を象徴する作品。

メリエスの魔術に酔い、改めて映画に対峙せよ。


アニメ師・杉井ギサブロー
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一方向でしか語らなくなってしまった日本アニメ史を、ギサブローさんの足跡を軸に揺さぶり覆す、これは中々に挑発的な傑作!そして、何より現在進行形なのが素晴らしい!

ドン・ハーツフェルト作品集
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『きっとすべて大丈夫』(2006/17分)『あなたは私の誇り』(2008/22分)『なんて素敵な日』(2012/23分)

そして…
私達は、こんな世界で何を信じ、何を誤魔化して生きているのだろう?
ドン・ハーツフェルト、凶暴に感性のチューニングを狂わし、問い掛ける壮絶なる“きっとすべて大丈夫”三部作!!!

凶暴に私達の“常識”なチューニングを狂わせ、感性を反故にして、そこにあらゆる問い掛けを流し込んで来る。

人生の繊細さと、生命のタフさの狭間。
危険なまでに純粋。


和田淳~メリエス~杉井ギサブローと観てからのなんて無茶したから、意識朦朧としてた部分もあった“きっとすべて大丈夫”三部作。
これだけでも、出来れば爆音で再度挑みたいな。
来年、KAVCでまたあるんなら是非に!