連休中に読みました。
著:岡部敬史 出版:講談社+α新書
「Web進化論の柳の下狙いだな。」とあまり期待せずに読みましたが、なかなかためになりました。著者が「このブログがすごい!」の編集者なので実例を交えた解説が多く、有名な「実録鬼嫁日誌」「No Blog,No Life!」「眞鍋かおりのココだけの話」「カナロコ」「言戯(ことざれ)」「日産TIIDA BLOG」等が紹介されています。
そしてブログが流行る理由を、
1)日記としてのブログの側面
2)メディアとしての側面
3)ビジネスとしての可能性
という三つの角度から分析しています。
私が面白いと思ったのは、
「ブログとは、自分が発信したものに対する反応という、人にとって何よりもわくわくさせてくれるものを、いとも簡単に与えてくれるツールなのだ。一度でも発信してその反応を得た人は、この感動を手放せないと思う。」という部分です。
人がどんなベストセラーより真剣に面白く読んだのはなんだったか?
それは、例えばラブレターを出した彼女からの返信レターだったり、友達との交換日記だったり、それらはそう、「自分宛ての返信(反応)」だったのではないか?
これまで、この「発信→反応→感動」という循環はリアルなコミュニティーで行われてきた。
しかし趣味趣向が多様化しリアルな部分での繋がりが希薄化した現代ではブログのようなツールがこのコミュニケーションを円滑化する役割を担っているのではないか?というのが著者の主張です。
賛成です。「発信→反応→感動」はコミュニケーションの基本ですよね。私もコメントをもらえることが自分自身がブログを続けていける理由です。
ただ、現状のブログの機能だけでは理想のコミュニケーションツールとは言えないと思います。スパムのトラックバックや、コメントもそうそう頻繁にもらえるわけではないし、逆に悪意の書き込みがあったり・・・これは技術で解決できる問題と、文章を書く自分の力量の問題もありますが、ネット上のエチケット・マナーが確立されていないといった問題もあるかと思います。いや、ネット上だけではないかも?結局、リアルなコミュニケーションでも誹謗中傷はあるし、人としての躾の問題かな?でも、ブログの機能を補完する形でまだまだ改善提案やビジネス領域はあると思います。この話題はまたどこかで・・・
まずは、
ブログが一過性のブームで終わるのか?
Webの表現手段として定着していくのか?
まだまだ懐疑的な人にこそ読んでもらいたいと思いました。