ヒートレースについて(1) | 世界の名馬を日本語で ブログ版

ヒートレースについて(1)

エクリプスを加筆修正したときにちょこっと触れた「ヒートレース」について。

完全にリリースするタイミングを間違ってる気もしますが…。

 

 

●Eclipse first,the rest nowhere,

 ヒート競走というのは、同じ馬が2回ないし3回勝つまで繰り返し行われるレースのことで、近代競馬が成立する18世紀中頃(アメリカでは19世紀末)までは、これが主なレース形式となっていました。レースは3マイル(約4800m)から6マイル(約9600m)といった長距離で争われ、出走馬は6歳馬や8歳馬といった古馬が中心だったそうです。

 

 ヒート競走には勝馬から240ヤード(約220m)以上の差をつけられて負けると失格になるというルールがあり、たとえば第1ヒートでこれをやると、負けた馬は第2ヒートに出場できない。第1ヒートの勝馬が、後続のすべての馬にこの着差をつけると、後続の馬はすべて失格となり第2ヒートには出られないから、自動的に第1ヒートだけでレースは終了、勝馬の勝利が確定する。かの名ゼリフ「エクリプス1着、他の馬はどこにもいない」というのは、「エクリプスが1着で、他の馬は失格になるだろう」というデニス・オケリー氏(当時なうてのギャンブラーで、後に同馬のオーナーとなる人物)のレース前の予想が後世に伝わったものなのだそうです。

 

 その後、現在のステークス競走の原型といわれているスイープステークス(出走馬の馬主が登録料や賞品を出し合い、勝馬の馬主がこれを総取りする)や、プレート競走(レースの主催者が賞金を出す)が整備され、走る馬も若年化。1776年にはイギリス最古のクラシックであるセントレジャーが、1780年にはダービーが創設されています。

 

 ちなみにダービーが創設された時、エクリプス Eclipse は16歳。種牡馬として3頭のダービー馬を輩出しました。(第2回のヤングエクリプス Young Eclipse、第4回のサルトラム Saltram、第5回のサージャント Serjeant)

 

つづく