コンビニでバイク雑誌を読んでた。
横にはトイレ待ちが二名出来た。
ドランクドラゴンの鈴木に似たお兄ちゃんと、すみれっぽいお姉さん。
鈴木君は先頭。
すみれ君は二番手。
スマホで指を踊らす鈴木君は、自分の世界に入り込んでる。
すみれ君はというと・・・アダルト雑誌の前だ。
別に、その雑誌に興味があるのでなく、ただ前に居るだけ。
いや、むしろ、その前に居る自分自身に気づいてないように見えた。
バイク雑誌のページをめくりながら、視野の端での異変に気付いた。
すみれ君が足をクロスさせた。
女子が足をクロスさせたときは限界近いんです・・・と、某女お笑い芸人が宣ってたっけ。
ちょうどそのタイミングでトイレが空いた。
鈴木君がアクビしながらトイレに入ろうとしてる。
俺は小さな嘘をつくことにした。
おいおい、俺トイレ待ち!
バイク雑誌を棚に戻し、一番手の名乗りを上げた。
するとそこには、無表情でスマホいじりに戻る鈴木君と、半泣きで溜息つく姉さんが。
すみれ君に近づきざま呟いた。
先使う?
口元は、いいんですか???の『い』の形をしたまま小刻みにうなずき、個室へと消えた。
鈴木君に『ごめんな、俺は他で借りる』
あ、はい・・・という表情の鈴木君。
バスドライバーという仕事柄、日頃は乗客を密室に閉じ込めてる要素が多分にある。
個人差のあるトイレの間隔に常に気を遣わないと勤まらない。
特に、女性客に、トイレ行きたいから停めてください!などと言わせてはイカンのだ。
レジでペパーミントのフリスクを買うと、俺は店を出た。
ナナコで買い、表で封を切るとシャカシャカ・・・。
10粒も出やがった。
う・・・・・・辛あぁw
酷暑も終わりが近い初秋のころ・・・・・。