最近のニュースによれば、次の駐日アメリカ大使にキャロライン・ケネディ氏が内定したという。第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの長女である。アメリカで上院の承認が得られれば9月半ばにも着任する見通しだという。


彼女は、父親も叔父(ロバート・ケネディ)も暗殺され、弟のジョン・F・ケネディ・ジュニアも飛行機事故で亡くしている。ある意味で、ケネディ家の栄光と悲劇を全て知り尽くした女性なのである。彼女は弁護士であり、作家・詩人でもあるという。


世間では今回の人事について、2008年と2012年の大統領選挙でオバマ当選に重要な役割を果たした彼女への論功行賞なのではないかとか、政治や外交の経験が全くない私人を難問の多い国の大使に就けるのはリスキーなのではないかと言われているようだが、私はオバマ大統領は明確な目的を持って、彼女を駐日大使に指名したと考えている。


それは、オバマ大統領のレジェンドづくりである。アメリカはこのところ民主党と共和党の対立が深刻であり、オバマ大統領は思うような政治はできていないが、幸運にもシェール革命でエネルギー価格が低下し、雇用が増え、製造業も国内に回帰し、経済の見通しは明るい。一方、外交は、1年以上もの間激戦が続いているシリアは傍観するだけであり、イランや北朝鮮にミサイル開発や核実験をやめさせることもできず、中国との経済対話もサイバー攻撃さえ認めてもらえず、CIA元職員の訴追は諸外国から無視しまくられ、八方ふさがりと言っても過言ではない。


従って、迫力のないオバマ大統領が口髭を生やす代わりに採った政策が、キャロライン・ケネディ氏の駐日アメリカ大使への起用だったのである。つまり、オバマ大統領は、核軍縮・核廃絶の推進、ノーベル平和賞の先行受賞、残り3年間で核軍縮により世界平和に貢献した大統領というレジェンドを完成させようとした場合、ポイントを上げるためにアメリカ大統領として初めて終戦記念日に原爆ドームに行こうと考えたとしても不思議はなく、そのための露払いとして、キャロライン・ケネディ氏を利用しようとしたのではないかと思うのである。


現にジョン・ルース駐日アメリカ大使は既に昨年、広島の平和記念式典や長崎の平和祈念式典に参加しており、後任のキャロライン・ケネディ氏が引き継いだとしても何ら不思議はない。そして、オバマ大統領は、彼女に誘われたという形で広島を訪問しようと考えているのではないかと私は思うのである。これを以って、彼は世界平和に貢献した大統領として国民に広く記憶されることを狙っているのだろう。


ところで、キャロライン・ケネディ氏がいつか駐日アメリカ大使に赴任後、もし沖縄でアメリカ兵が問題を起こせば、ケネディ大使が記者会見をすることになる。きっと今までとは雰囲気がガラッと変わることだろう。


最後に、今から40年ぐらい前に日本でもヒットした「スイート・キャロライン」というホップスをご紹介したい。


■ スイート・キャロライン


発売:1969年

作詞作曲唄:ニール・ダイアモンド

http://www.youtube.com/watch?v=quekbRowubQ