昨日のブログでは、親しい人と死別した後に起こる、悲嘆反応について述べた。悲嘆反応は通常の場合は、時間と共に回復していき、今度は辛い体験を受け入れ、新たに人生に向き合う時期に入る。しかし、悲嘆が長引く場合も往々にして見られる



一般的に、予期できない死、事件・事故・自殺などによる死、子どもの死、配偶者の死、幼い子どもを残した母親の死、繰り返される死別体験などは、悲嘆の回復を妨げるといわれている。この度の災害の場合には、これらの要素が当てはまる方は非常に多いと思われる。



また、昨日も述べたように、悲しみを自分自身で押し殺すことや、他人によって否定されることは、回復を大きく妨げる。この度の災害のように、多くの方が身内を亡くされた場合は、「親しい人を亡くしたのは自分だけではないのだから」と自分自身で悲しみを否定してしまうこともあるだろう。また、「悲しんでいるより復興のために頑張らなければ」と自分自身からも他人からもプレッシャーをかけられることもあるだろう。


この度の災害においては、正常の回復を困難にさせる要素が実に多い。


だから、他の原因で親しい方を亡くした場合に比べ、悲しみが長引くことが多いのは、当たり前のことである。

このことを被災者の方にも、それを支援する方にも、是非心に留めておいて頂きたいのである。