以前書いたと思うが、自国より優先的に他国を変えたい、とおもうのは左翼的な考え方である。

右翼の俺は現状日本国政府がなんとかせねばならないのは「北朝鮮」だとか「中国の反日教育」ではなく累積した国内問題だと思っている。

しかし、政治ブログランキングなどで上位にあがるのは「反日がどうたら」「日本人の誇りがどうの」と他国を貶めなければ自国の誇りがなりたたないかのような認識のものばかりだ。


こういった人たちは「第二次世界大戦」の日本軍を再評価して、日本軍の蛮行などなかった!日本は戦時中もすばらしい国だったのだ!という歴史認識を広め、教科書でもそう記述されていなければ夜も日も明けぬといった熱狂振りだが、

ほんの10年(5年?)くらいまで旧日本軍は軍オタからもバカにされていた。

物量で確実に劣る戦争を、精神でなんとかできると国民に流布し、兵士や国民を「消耗品」として無為に国民の命を落としながら、敗戦に至ったからだ。そんな戦争を「指導」したものたちに評価すべき点などない。

虐殺も強姦も、こんな悲惨な戦争で充分な教育も受けていない、徴兵された兵士だからこそやってしまったのだろう。

われわれの先祖偉大な日本軍兵士はそんなことはしない!ではなく、日本軍だからこそ、いかにもやりそうだ、というのだ。

何度も書くが、そんなに歴史認識を変えたければ、中国や韓国に行って街頭アジでもしてくるといいだろう。

日本国内でだけ威勢のいいことを言って、「旧日本軍を評価」することを「日本の誇り」などとしてクソの役にもたたぬことに拘泥し、実際の対外的な日本国の評価を貶めることをするから、売国の輩だと俺は言うのだ。


軍部や戦犯を悪者にするのが自虐史観だ、と言われるが、俺にとってはA級戦犯の罪を問わず、軍部の暴走を「国を維持するために仕方がなかったことだ」とする自慰史観こそが、自虐史観にあたる。

まさか、南方で取り残され無残な死に方をしたという大伯父の生まれ変わりと言われていた俺が、

「自分の祖父や大伯父のごとき愚民を偉大な指導者である東条英機様に聖戦に出していただき、

英霊として東条様と一緒に靖国に奉っていただいてまことにありがとうございます」

と思わなければならないような「歴史」認識が正しいと言うのか?

これこそ自虐じゃないのか!!

バカにするのもいい加減にしろ!!!!!!!!


特攻に行きそこなったことで自己の存在意義を喪失しそうになり、世にやさぐれた祖父を持つ俺が、

若者を無為に犬死させる「特攻」という手段を奨励した父の思想を確実に受け継いでいる、

クソ妖怪小泉様に8月15日に靖国に参拝していただくことが

すばらしいことだと思うようになるのが「立派な愛国教育」だとでもいうのか!



「自国民を大量に無駄死にさせた敗戦」という歴史自体を変えようとする人間のドラマを描いたものが「ジパング」というマンガだが、

かわぐち かいじ
ジパング (17)

今の日本には旧日本軍を再評価し、「歴史認識」のみを変える事によって「日本の誇り」を取り戻せるのだ、という熱情に捕らえられた群れがうごめいている。

俺はジパングというマンガは好きだが、そういう、自身の先祖を貶めるような屈辱的な歴史認識は容れられない。


参考リンク


 軍部悪玉論  彎曲していく日常

天皇 戦争責任 論というのも、便乗派とか殺されないためにしかたなかった(左翼 の)戦争 協力者が自らの罪を天皇制 になすりつける為のものだった、と言えないことはない。仮にそうだとしても、何度も言うように、“ヒロヒト かそれとも東条”に戦争責任 が無ければ誰にも無くなってしまう。小泉 靖国参拝 は東条無罪 論であり、責任 はなかった論である。「罪を憎んで人を憎まず」と言ったが、「罪」とは何か明言されておらず、罪を確定する意志はないと認められる。

「悪玉はAだ」というのは短慮だ、というのは常に一理ある。しかしそれを反復しているうちに、(例えば肉親が無惨に死んでいったそうした戦争 を起こし、さっさと止めなかった)責任 者に対する憎悪 にもとずく責任 追及というパトスが薄れてしまい、「悪玉」を存在させなければならないとする当為が希薄 になってしまう。


俺はこのブログに何度も「小泉の靖国参拝に反対するのは中国や韓国に気兼ねをするからではなく、戦死者を利用し、遺族の誇りを汚す行為にムカっ腹が立つからだ。」と同じことを書いているが、読んでいるのかいないのか、それでも「靖国参拝に反対するのは、中国や韓国への売国行為」と「日本軍を再評価」しようという人がいるのは、よほど「国の誇りの前には、個人の感情は滅すべし」という皇国サイボーグと化して「崇高な政治理念」に基づいた信条で動いているのであろう。

それこそが今この国が陥っている恐怖だ、と思う。