先日お財布を落としてしまいました。
自転車に乗って少し遠出をしたのですが、いつも絶対に貴重品等はズボンの後ろポケットに入れないのに、
その日は新しいズボンを履いていたということも重なり、後ろのポケットにお財布を入れて自転車に乗ってしまったのです。
案の定お財布を落としてしまいました。
自転車専用の道路を走っていたので、歩行者の方は落とし物に気づくはずがないと思ったので、
まだそのまま誰にも気づかれずに落ちている可能性があると考えた私は、来た道を戻りながら探すことにしました。
最後にお財布の感触を確認したのが一時間前の事だったので距離にして約10キロを注意深く探しながら戻ります。
途中に交番があったので、とりあえず落とし物登録を済ませ、再度探しに出掛けますがやはり見つかりません。
すでに日も暮れてきて、朝から自転車をこいでいたので疲れはててしまい、
最後にもう一度、交番に届け出がないか確認してその日は帰宅する事にしました。
半分諦めかけていたのですが、どうやら私の財布と良く似た財布が交番に届けられているというでは有りませんか!
お巡りさんはこの段階では私の物だと断定はしてくれないのですね。
「おそらく間違いないとは思いますが、私の物だと思われるお財布が届いております。」みたいな感じで伝えていただきました。
「今日は祭日なので、今から行っても会計課はやっていないので、後日警察署の方に行ってもらえますか?」
私もさすがにまた引き返して数十キロを戻る気力は無かったので、私の財布らしき物が届けられている事にまずは一安心し、
次の日会社を早退して警察署に行く事にしました。
現金は1万ほど入っていたのですがそれは当然無いものだと思っていましたし、まぁ~そんなことはどうでもいいことで、
免許証と各種カード類が戻ってくるだけでもラッキーな事だと考えていました。
そして心ある方に拾って頂きそして交番までわざわざ届けてくれた方に対して尊敬の念と感謝の気持ちしかありませんでした。
実は財布を落としてから何時間も探し回っても、
どうしても最後までなかなか諦めがつかなかったことが一つあったのです。
「財布がとても高級なものだったの?」
いやいや違います。
財布自体は、(子供からのお下がりでよく小学生なんかが使っているテフロン素材のマジックテープで開けるやつ笑)
1000円くらいで買える物なので、痛くも痒くもありません。
現金なんかはまた働いて返ってくるものですし、カードや免許証も再発行すれば手続きは面倒ですがもとに戻す事が出来ます。
私が何より財布の中から回収したかった物は、「子供が折ってくれた千羽鶴」です。
上の子供が小学生に上がる前に、折り紙の本を読みながら始めて折れた千羽鶴を
お守りとして10年くらいお財布に入れておいたのです。
私にとって現金よりもカードよりも何よりも回収したかった物なのです。
そんな、他人から見ればただの小汚い折り紙ですが私からすればとても大切な宝物を、
拾って頂き交番に届けてくれた方に対して、一言お礼と、謝礼をしたくてお電話をさせて頂きました。
お財布の中の折り紙の話をさせて頂きました。
拾ってくれた方は、自分の事のようにとても喜んでくれました。
私の感謝の気持ちがおさまらず、謝礼をさせていただきたい旨を伝えると、こう言いました。
「お財布があなたの元に戻ったのであればそれだけいいです。日本人として当然の事をしただけです。」
私の涙腺は崩壊し、涙を流しながら電話を切りました。
思い起こして、ブログに書き記している今でも涙が出てきてしまいます。
あーなんて素晴らしい国なんでしょう!
私たちの住んでいる日本はなんて、素敵な国なのでしょう!
私も拾ってくれた方のように、日本人として正しい振る舞いが出来るようにこれから先を生きていきたいと思います。
とても素敵な出会いに感謝するとともに、何度も繰り返しになりますが
拾って頂いた方に最上級の感謝をさせて頂きたいと思います。
そして最後まで読んでいただいた、皆さまありがとうございました。