傷の手当てをし食べ物を分け与えた……
狼は少年を主人とは思わなかった。
掛け替えのない相棒だと思った……
………………………………
時は2万年前、氷河期が訪れていた。
人類は、まだ、狼を飼い慣らして
いなかった。
恐ろしい冬が訪れる前に
バッファローの群れを襲い
大量の干し肉と毛皮などを
用意しなければ、一族は
全滅してしまう。
それは、一族の命運をかけた
毎年の恒例行事……
部族のリーダーは初参加の息子ケダを連れ
バッファローの群れを追う……
それは命がけの戦い。ヒトが生き残るという
そんな保証など、どこにも無い。
冷酷な運命のゲーム……
狩りは大成功に終わったが、
息子は断崖絶壁から落ち気絶、
残った部族の者達は彼が死んだと信じて
自分達の一族に戻って行った……
だが、何という幸運だろう？
彼は奇跡的に助かった。
しかし、狩りのグループは
帰路に着いた後。
ケダはひとりぼっちになった……
ケダは片足を挫いていた。
途中、狼の群れに襲われたが
石のナイフで戦い、木の上に逃れ
なんとか助かった。
ケダは倒れていた狼を殺す事ができず、
安全な洞穴まで連れて行き手当てをし
水や食糧を分け与えた。
何しろ相手は野生の狼、
なかなかケダに気を許すことがなかった。
しかし、
一緒にいる間に良き相棒となり
逆にケダの命を助けるように……
少年は戦士となり
狼は大切な友人：犬に変わって行った……
共に生き残るために……
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