気がつくと家ごと流されていました。
家は崩壊し、気が付くと空には月が出ていました。
奈々子は瓦礫の中から自力で這い出ることが出来ました。まわりは泥と壊れた家の残骸だらけです・・。
「おかぁちゃん!! おかぁちゃん!!!」
奈々子は叫びました。
「奈々子・・無事ね・・」
母親の声のほうへ行くと、母親は瓦礫の下敷きになっていました。
「八重子もいる?」
「ううん・・八重ちゃんいないょ・・」
「声・・しない?」
「うん。しないねっ・・かくれんぼしてんのかな・・・」
「奈々子、あなたがいたとこ・・探してみて」
「うん」
奈々子は自分がいたところを探してみました。月の光の中を手探りで探します・・・・
「八重ちゃん・・!どこぉ?」
その時、あや取りしていた時の紐を見つけました。紐を手繰っていくと・・・
八重子はうつ伏せのままで、泥に埋もれていました。
「おかぁちゃん・・・八重ちゃんいたょ」
「八重子、どうしてる?」
「寝ているみたい・・」
母親は下敷きになっているので、体が動かせない・・・・
「奈々子。八重子をこっちに連れてこれる?」
「うん。引っ張ってみるね・・・・よぉいっしょっ・・よぉぉいっしょっ・・」
八重子は下敷きにはなっていなかったようだ・・。奈々子は八重子を引きづって母親の元へ連れて行った・・。
八重子は気を失って、泥水を飲んだようだ。息をしていない・・
腹ばいの状態ではどうすることも出来ない母親は、懇親の力で体を起こした。その時、骨が砕ける鈍い音がした・・・。
足を下敷きのままにして起き上がった母親は八重子の口の泥を吸出し、人口呼吸を施した。
「八重子・・起きなさい。八重子・・・・起きなさい。」
「八重ちゃん、起きて・・・」
遠くから声が聞こえた。
「おーーいっ・・・無事かぁ?」
「た、たすかった・・。」
とその時・・
「あっ!八重ちゃん」
「ゲボッ・・・・・・・エェーーーン!!」
「八重子・・八重ちゃん!!}
ツル 「八重子を助けましたが、母親の体に相当のダメージが残りました」