数日前のニュースに、「コラーゲンに効果は無い」というのがあった。専門家の証言があって、「コラーゲンを摂取してもアミノ酸に分解されるだけ」だと言う。
しかし、それは違う。
最近の知見によれば、コラーゲンを摂取すると大きいペプチド(オリゴペプチド)のまま吸収され、特にそれに含まれるPro-Hyp(プロリンとヒドロキシプロリン)のペプチドには、さまざまな細胞にシグナルを送る機能があるという。
たとえば繊維芽細胞に作用して皮膚を再生したり、破骨細胞や骨芽細胞に作用して骨を強くしたり、軟骨細胞に作用して関節を強くしたり・・
頭のカタイ専門家は、「コラーゲンで効果があった」という巷の声を聞いても、「プラセボだろう」で片づけてしまう。すぐに思考停止。
実は私も昔はそう考えていた。しかし、トレーニングをし、トレーナーを職とすることが私を救った。
つまり、理論より実際(現実)を優先させて考えるクセがついたのである。どんな優れたトレーニング理論でも、効果がなければダメなのだ。
現実と理論が食い違っていたら、理論のほうが間違っている。いい加減、コラーゲンの有効性を専門家が認めるようになって欲しいものだ。
参考文献
Shih C and Bernard GW Neurogenic substance P stimulates osteogenesis in vitro. Peptides 18:323-326,1997
Goto T, Yamaza T, Kido M, Tanaka T. Light- and electron-microscopic study of the distribution of axons containing substance P and the localization of neurokinin-1 receptor in bone. Cell Tissue Res 293:87-93,1998
Mori T, Ogata T, Okamura H, Shibata T, Nakamura Y, Kataoka K. Substance P regulates the function of rabbit cultured osteoblast; increase of intracellular free calcium concentration and enhancement of bone resorption. Biochem Biophys Res Commun 262:418-422,1999
田中秀幸、佐藤智樹 コラゲン ・ゼラチン摂取と骨密度. 食品と開発36:58-60,2001
その他、2009年11月のコラーゲンペプチドシンポジウムでの発表内容等