前回は、「なぜサプレッサーT細胞なんてものがあるのか」という疑問が出てきたところまで。



カラダが異物を察知すると、ヘルパーT細胞が働き出す。しかし既に異物をやっつけてしまったのに、いつまでもヘルパーT細胞が働いていたら、これは困る。


そう、必要のないときにも活動していたら、免疫システムが疲れきってしまい、いざというときにちゃんと働いてくれない。

また「必要のないときにも働く」ということは、「無害なものに対しても免疫システムが発動する」ということでもあるわけで、この作用は、アレルギー反応に他ならない。


 よって、ヘルパーT細胞の働きを抑えるものが必要となり、それがサプレッサーT細胞なのだ。


このヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞が上手くバランスしていることによって、カラダは異物を排除・攻撃し、無害なものには働きかけないようになっている。


このバランスが維持されている限り、口から食べ物を入れても免疫反応は起こらない。このことを「経口免疫寛容」と言う。


 赤ちゃんは徐々に離乳食に移行することによって、少しずつサプレッサーT細胞を増やしていくことができる。そして経口免疫寛容を誘導し、普通の食物を食べてもアレルギーが起こらないようになっているわけだ。


 ただし、未消化の食物が入ってきたり、腸の状態が悪かったりすると、このヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞のバランスが崩れてしまう。そうなると経口免疫寛容が上手く働かず、アレルギーを引き起こしてしまうということ。


 以上のことから、食品アレルギーの対策として、


1.食物を十分に分解するため、消化酵素が正常に作られるようにする。そのため、まずは酵素の材料であるタンパク質が不足しないようにする。それで足りないようなら、消化酵素自体をサプリメントとして摂取する。


2.免疫グロブリンAをしっかり作るために、やはり材料であるタンパク質をしっかり摂取する。さらに腸の状態を改善するため、善玉菌のサプリメントやヨーグルトなどを摂取する。


 この2点が重要となる。



次回は花粉症の発症メカニズム」についてだよっ!