レイシストはレイシストだと気づかない | 沈みかけ泥舟のメモ

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今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

差別に関してはこれまでも何度か書いてきました。

例えば、女性と男性は役割が違うと考えている男性は脳の中で女性を「物」として認識してる
という驚くべき実験結果の話などです。

ずいぶん前に書いたこの話もそうでしたけれど、
差別をする人の本当に怖いところは
「自分は黒人が嫌いだ」「中国人や韓国人が嫌いだ」と
はっきりと公言して差別する人達ではなく、
「自分は公平で、平等で、常識人だ」と思っているほど
実は差別を行っているという事実です。

これも前に書いたと思いますが、
世論調査で「自分たちの社会や国家、政府は差別をしているか?」と問いかけた時、
差別を行っている人ほど「差別はない」「公平な社会だ」と答えるという事がわかっているそうです。

どうしてそうなるのか?

日本なら「外国人」に対して、欧米なら「黒人やアジア人」に対して
「彼らは特権を得ている」「特別な良い待遇を得ている」と感じている人が
不満を持って彼らを差別しているという事らしいです。
つまり差別をする人は差別されている側に対して
「ヤツらは甘やかされている」という認識をしているという事でしょう。

「自分たちの国家、社会は公平であるはずだ。それなのに一部の人間だけ特別扱いするのはおかしい」
という発想から「一部の人間」に対して侮辱的な扱いをするわけです。
差別を行う人は「危害を加えている側」ではなくて「危害を加えられている側」だと思っているので
誰かを差別しているという認識は持っていないのでしょう。

人種差別や国籍での差別だとイメージしにくいかもしれませんが
女性差別ならどうでしょうか?
列車の女性専用車両が導入された時、
「なぜ女性専用車両なんていう物を作るんだ」
「女のために男がガマンを強いられている」
なんていう事を言ってた人に思い当たらないでしょうか?

白人だけの居住区を作って周囲を壁で囲むという地域がアメリカにはあるようですが、
彼らの言い分は「自分たちの生活、文化を守りたいだけ」なんだそうです。
明らかに差別に見えますけれど、本人達は差別をしている意識はないようです。

ヘイトスピーチを行うようなどうしようもない人非人な人達はともかく、
自分としてはレイシストではないと思っていても
その行動が相手から、周りから見れば差別以外の何ものでもない
という事はよくある事です。

「自分は差別しているかもしれない」という意識を持つ人が増えて
「自分たちの社会、国家は差別をしているか?」という問いかけに
多くの人が「はい」と答えるような社会になる事が
逆に公平な社会であるという事です。

「日本は外国人を差別しているレイシストが多い国だからもっと改善していこう」
そう思う人が2020年の東京オリンピックに向けて増えていく事を願います。