「本物。鹿児島県」


到着するなり、鹿児島出身で「薩摩大使」を務めるゆきりんのお出迎えを受ける。


本日やって来たのは見ての通り、鹿児島県である。


週末ごとに全国各地のスタジアムを訪問する勝手気ままな旅。


今回は、週末を利用して愛知県から遠路はるばる南九州に遠征した話をさせて頂く。



鹿児島空港から目的地へと向かう途中、地元スーパー(ダイエー)で買い出し。


実は鹿児島県に来るのは人生で初めて。


空港からの道中窓から見た桜島と、スーパーに所狭しと並ぶさつま揚げを見て、鹿児島まで来たことを実感する。



もちろんさつま揚げもいいが、個人的にはミンチ天との再会の方が嬉しかった。


もはや鹿児島的要素は皆無だが…。



そんなこんなで今日やって来たのはこちら。


鹿児島県立鴨池野球場である。



目的はもちろんこれ。


スタジアムマニアでもある自分、毎年ホークスが鹿児島・熊本のいわゆる「九州新幹線シリーズ」を開催しているのを見て、「いつかファイターズ戦が組まれたら行こう!」と夢見ること○年、ようやく日程が組まれ、雨天中止におびえながらもとうとう無事に遠征の運びとなったわけである。


なお、ファイターズにとって鹿児島での試合は12年ぶりとのこと。


次にこの球場に来れるのは12年後か…。



さっそく場内へ。


グラウンドは、内野が土、外野が芝と、地方球場で良く見かけるオーソドックスなタイプ。


照明塔が6基あり、ナイトゲーム開催も可能となっている。



外野席はこんな感じ。上段が石段、下段が芝生席に分かれる珍しいタイプ。


内野席⇔外野席の行き来は不可だが、バックスクリーン裏を通ってレフト側⇔ライト側の行き来は可能な構造となっていた。


愛知県からの当日移動ということで、開門時間には間に合わなかったが、なんとか闘将会の近くのスペースを確保。



席を確保した後は、いつも球場の写真を撮る旅に出かけているが、特に初めての球場は隅から隅までうろつかないとどうしても落ち着かない


ということで、まずは外野スタンドを球場外からパチリ。まさに、「ザ・地方球場」と言った感じの外観である。



外野スタンドのトイレ。


公衆便所みたいな風貌に、地方球場ならではのレトロな雰囲気を存分に堪能する。



本日は2年ぶりのプロ野球公式戦開催ということもあるのか、チケットは軒並み完売の文字が目立つ。


恐らく今日を楽しみにしていた地元鹿児島の人もたくさんいることであろう。



周辺は南国を思わせる背丈の高い木々が立ち、 快晴の天気も相まってトロピカルムードが満点。



即席で設営された場外ステージ。


10時半くらいからマスコット&チアショーを行っていたらしいが、当日移動の自分が間に合うはずもなく、到着したときはフォトセッションコーナーと化していた…。



レフトスタンド越しには桜島が雄大な姿を見せる。


月並みだが「デカイ」以外の言葉が見当たらない…。


そもそも県外の自分にとってはまさに「鹿児島=桜島」と言ってもいいくらい、鹿児島のことをよく知らない


ともかく初めて見た鹿児島県の象徴の勇姿に、おのずとテンションが上がっていく。



野球場の隣には、JFLに所属する鹿児島ユナイテッドが本拠地とする、鹿児島県立鴨池陸上競技場がそびえ立つ。


いつの日かサッカー観戦のため、必ず自分はもう一度ここに帰ってくると深く心に誓う。



野球場と陸上競技場は、上記写真の通り大きな通路を挟んで両隣という立地。


こちらの両スタジアム、アクセスについては市電の最寄駅から徒歩15分程度と悪くなく、地方の競技場としては恵まれている方だろう。


近くにファミリーマートやダイエーがあり、買い出しにも困らない(そもそも遠征民は鹿児島中央駅を経由すると思われるので、そこで買い出しをすれば問題ない)。


利便性がよく、南国ムード漂う雰囲気のレトロな球場にさっそく魅了される。


だが唯一つの不満点は、売店がショボイということ。


球場周辺には広大なスペースがあるにも関わらず、球場外の売店はファミリーマートの移動店舗1つだけ(レフト側外野後方という目立たない場所に設営していたのも謎)。


そして外野席の売店は上記写真の1か所だけであり、販売されているものも目新しさに欠ける最低限のものばかり…。


せっかくの試合開催なのになんとももったいない…。



本日のスタメン。


ビジョンがまだLED方式のものではなく、非常に見づらい…。


そういえば最近こういうビジョンは見なくなったなぁと。こういう光景も地方球場ならでは。



今日はハニーズの皆さんやDJツバサも遠征してきてくれた。


なお、真ん中にいる黄色と青の生き物はよく知らない。


試合開始前の一コマ。


地元鹿児島の野球少年(たぶん)とプロ野球選手という構図。


恐らくこの少年にとって今日の試合は一生の思い出となることであろう。



日本ハム、本日の先発ピッチャーは上沢。



そしてソフトバンクは攝津という、両右腕で試合が行われる。


なお、本日の試合は目下7連勝中の日本ハムと、目下33イニング無得点中のソフトバンクという対照的なチームの対戦。


こういう相手とはやりにくいだろうなぁ…、と試合前は正直思っていたが、結局この予感は的中することに…。



外野席も完売ということで、ホークスファンでいっぱいとなっているレフトスタンド。


闘将会「レフトに来たからには、全員ファイターズファンとみなします」



ということで、地方の洗礼をいろいろと味わうが、これも遠征の楽しみの一つ。


それに、年に1回の試合を楽しみにしていた鹿児島県のホークスファンが静まり返る光景を見るというのも、日ハムファン的にはなかなか乙なもの(←悪党)。




日本国民の三大義務 本多ファンファーレを行うホークスファン。


ライト側外野は本当にギッシリ、立錐の余地もないほど埋まっていた。



元ファイターズ戦士であり、鹿児島出身の鶴岡慎也。


地元に凱旋ということで、大きな歓声が起きていた。



一方、日ハムの鹿児島出身選手である飯山はというと…。


本日は文字通り秘密のまま終わってしまい、とうとう出番がなかった…。



そんな試合。


ホークスは初回、上沢の立ち上がりを攻め、一死満塁のチャンスを作る。


しかし、李大浩がボテボテのピッチャーゴロでダブルプレー。絶好の先制のチャンスを逃す。




続く2回、今度は中島のエラーもあり再び一死満塁のチャンスを作る。


しかし、中村晃ショートライナー、本多セカンドゴロとまたしても得点することができない。


とりあえずソフトバンクの打線が本当に深刻なのはよく分かった。



すると3回、ピンチの後にチャンスあり。


1死2塁の場面で西川が1・2塁間を破る先制タイムリー。


これで流れにのっていけるとこの時は思ったが…。





上沢が4回に再びつかまってしまう。


2死1・3塁の場面から、中村晃が1・2塁間を破るタイムリーを放ち、同点に追いつく。


ソフトバンク、これが実に37イニングぶりの得点となった。



上沢を何とか援護したい打線だが、のらりくらりと投げる攝津を打ち崩せない。


とくにレアード、本日は3併殺(しかも全てサードゴロと完全に攝津の術中にハマる)のプロ野球タイ記録を達成。


面白いもので、この日は「走者がたまると、レアードにまわる」というめぐり合わせだった。それが3打席連続で併殺となりことごとくチャンスをフイに…。


しょんぼりする姿が本当に気の毒で気の毒で…。



7回、踏ん張っていた上沢がとうとう崩れる。


先頭打者を四球で歩かすと、本多の送りバントを近藤が2塁へ悪送球…。


無理して投げるような場面ではなかったのだが…。



続く柳田の打球を今度は中田翔がトンネル…。


ホークスに勝ち越しを許してしまう。


というか、全体に皆地方球場の土のグランドに対する適応力があまりにもなさすぎる…。








その後、立て続けに内川、松田にタイムリーを打たれ、これで勝負はほぼ決まり。


勝負所で立て続けに出たエラーがあまりにも痛かった…。



日ハムは8回、田中賢介のタイムリーで1点返すも、その後マウンドに上がったセットアッパー、バリオスに抑えられ、反撃はここまで。



9回は守護神サファテの前に、何もできずに試合終了。


本日3併殺のレアード、最終打席は見逃三振。結局レアード一人で2回と1/3イニング、都合7つもアウトを献上する結果に…。



最終スコア。




12年ぶりの鹿児島での試合を勝利で飾ることはできず…。


お疲れ様でした。


試合内容は酷かったが、それでも初めて訪れた鹿児島での野球観戦。


見るもの全てが新鮮で目新しく、めったに訪れない場所での観戦仲間との贔屓チームの応援は、勝敗を超越したところでの至福感があった。


簡単に来れる場所ではないが、もし機会に恵まれればまたこの球場にも足を運べればと思う。




今回は時間の都合で断念したが桜島観光や鹿児島ユナイテッドという課題もある。


さよならではなく、次に来るときまでのしばしの別れ。


名残惜しいが次の決戦の地、熊本へ移動である。


ということで九州遠征シリーズ、熊本編に続く…。