穴子の天丼

　お祭り最終日の日曜日です。女房殿が美味しい天丼を、ぜひとも、召し上がりたいとのことですので、当地の繁華街に店をかまえる『喜八櫓（きはちろう）』にでかけました。寒い懐にも優しいと評判の活魚料理の店ですが、「穴子の天丼」が最高に旨い店でもあります。

　当地の穴子は、かなり品質も高く、東京の築地市場では、七、八割の取扱高があります。一尺ほどの大きさがある穴子は、身の柔らかさも丁度よく、旨味と脂のバランスがとても良いのだそうです。確かに、江戸前の穴子も美味しいと思いますが、当地の穴子は焼いたり、揚げたりしても身崩れが少ない割りには、柔らかく扱いやすいような気がします。
　さてさて、本日、『喜八櫓』さんでのお昼は、当然ながら自慢の「穴子の天丼」です。注文すると、水槽で泳ぎまわる穴子を手づかみで捕まえ、調理が始まります。カウンター席は、穴子の解体ショーならぬ、「穴子の天丼」のメイキングをつぶさにご覧いただける特典つきです。
　さあ、お待ちかね、天然の穴子を芳ばしく揚げた天丼の実食です。穴子をまるごと一尾揚げた天丼だと中盛り、二尾だと大盛りになります。今日は、ほかならぬ女房殿のご所望ゆえ、当然、大盛り天丼です。
　おもむろに噛りつくと、サクサクと音がでる活穴子の天ぷらは、最高ですね。衣がサク、熱々の穴子の身はホクホク、そして旨味がじんわりと広がってきます。旨すぎです。ふと、隣を見ると、女房殿は「穴子の天丼」大盛りに夢中でバクバクいっちゃっています。こんな時ほど、鋼鉄製の口を持つ彼女が羨ましいとしみじみ思います。
　開店以来の長きにわたり、この「穴子の天丼」が『喜八櫓』さん不動の人気メニューであるのにも、素直に納得してしまう美味しさです。久しぶりにいただきましたが、変わらぬ旨さに女房殿ともども大々満足でした。(*^o^*)