『アメリカン・ヒストリーX』 ☆☆☆☆☆ | 旧・どブログ

『アメリカン・ヒストリーX』 ☆☆☆☆☆

この映画 は、アメリカの人種差別問題をテーマとした作品です。

父を黒人に殺された恨みから、白人至上主義グループのリーダーとなったデレクが、殺人の罪で収監され、3年の刑務所生活を送ることになります。
デレクは、その刑務所の中で、怒りや憎しみが何も生まないことを学び、大きく考えを改めました。
この作品は、デレクが刑務所から出てきた日から翌日までの間を、回想シーンを交えながら、デレクに憧れ自らも白人至上主義グループに出入りするようになっていた弟の視線で描いています。

エドワード・ノートンの迫真の演技は、一見の価値ありだと思います。
また、ラストシーンは衝撃的で、観終わったあと、しばらく考えさせられました。

世の中には、いろんな考えの人がいて、いろんな価値観・世界観を持っている、そんな当然のことを、同質的な世界の中にいるとつい忘れがちになります。もっともっと、お互いがお互いを理解しようと努力することが大切だなと感じます。

うまく表現できないので、作家のyass の、最新エッセイ「世界観」を無断で転載します。

> 誰だって自分の世界を持っている。
> 自分の信じている価値観、自分の好きな仲間、自分の好きな音楽……自分の好きなものたちに囲まれて、> 心から安心できる世界だ。
> もちろん他人はまた自分とは違う世界を持っている。
> その価値観や、仲間や、好きな音楽や、囲まれている環境が自分とは重ならないことだってある。
> 自分にとってすごく脅威に思えたり、不快に思えたりする世界かもしれない。
> でもそれは人の世界。
> 正しいとか、間違っているとかいう問題ではない。
> それがいわゆる「悪」でない限り、相手の世界を理解してあげることが必要だ。
> 否定することなく、そういう世界もあるんだと、理解を示す。
> そこから人と人との繋がりって次第に広がっていくものだ。
>
> それをもっと地球規模に広げてみると世界情勢になる。
> 世界観の違う国がたくさんある。信じている価値観、歴史的背景、文化、置かれている状況はまったく違う。
> どこか力の強い一つの国が、自分の国が正しくて他は間違っていると、むりやり力でねじ伏せたとしよう。
> そんなことをしてしまっては絶対に世界平和などやってこない。
>
> 個人の関係も、国の関係も同じだ。
> 相手の世界を理解し、その中から接点を持つことで平和は訪れる。
> 相手を蔑んだり、罵ったり、否定したり、力でねじ伏せたり……そんなところから友好関係は結ばれない。
> 平和な関係は相手の世界観を受け入れ、理解することから始まる。

日曜担当:c-man