告白!どんぶり勘定経営

告白!どんぶり勘定経営

中小企業支援法...信用保証協会のお墨付さえあればいくらでも借り入れできるようになりました。でも、ほんとに返済できるんですか?もし、返せなければ税金が使われるんですよ。中小企業のどんぶり勘定の実態を告白します。

私が、某有名企業を辞め、伯父の経営する会社(いわゆる3Kと言われた工事会社)に後継者としてリクルーティングされたのが13年前でした。私は、独立して起業しようと考えていたので、お互いのニーズも一致すると考えました。入社してみると伯父の羽振りのいい話とは大違いで経営は火の車でした。それから、忙しいのに生活が苦しい、ストレスがたまる生活が始まりました。私なりに改革の努力はしてきましたが、ことごとく社長に否定されてしまい、ちょうど12年たった一昨年の冬、会社を辞めることにしました。

利益が上がらないのは、会社の問題だけではすみません。今は、多くの中小企業に信用保証協会つまりは国をバックにした融資が続けけられています。「技術のある日本の企業を守ろう」...もちろん大切な話です。でも、実際の中小企業はどんな経営がされているのか。私の経験した事を見たまま告白します。

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気分も新たに新年度がはじまりました。


半年以上にわたって、私の愚痴のようなブログにおつきあいいただきありがとうございました。

半年間で、延べ1500人程に見ていただきました。


勝手ながらこのブログばしらくお休みしたいと思います。


もう少し書きたい事もあるのですが、今年度はビジネスを2、3はじめたいと考えていますので、過去を振り返っている時間がとりにくくなりました。



今後のブログは株のブログ1本に絞って書いていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。


http://ameblo.jp/moukarudekanwa

中小企業の我々にくる仕事は、大抵の場合下請けの下請けという場合がほとんどで、請負代金はかなりピンはねされたものになっている場合が多いのですが、今回は直接仕事できるという、とてもありがたい話でした。


その購買部長は、それぞれの部署の担当者を紹介してくださり、すぐにいくつかの仕事をいただきました。


その後、担当の方から何度も連絡をいただき、コンスタントに仕事をいただくようになりました。


ところがその数ヵ月後、また I 重工業から監督の召集令状がきたのでした。

(仕事が入れば呼ばれ、仕事が終われば即解雇 給料は社員の半分以下...ずいぶん身勝手な雇用ですが、下請けの会社は従うしかないのだそうです)


頂き始めたばかりの仕事ではありましたが、その家内の紹介でいただいた仕事は、社長に引き継いで、私は監督として、また出向することになりました。


その後、どうなったかというと...

昨年8月7日のブログです

http://ameblo.jp/donburi-kanjou/entry-10003351632.html#cbox

つづき

学生時代の友人を頼りにいくつか会社を廻り、何社か仕事をもらえる話にはなりましたが、もちろん試験的に簡単な仕事の請負で、とても50人もの大所帯が食べていける仕事量にはなりませんでした。


家に帰って、なかなか大きな仕事はもらえないと家内に話していたら、


「私が勤めてた会社に頼んで見ようか?購買部長知ってるから」

と言ってくれて、すぐに電話してくれました。


「もしもし、部長? ひさしぶり~...むかしさぁ~部長がおいしいもの食べに行こうっていうの付き合ってあげたよねぇ。そのお礼をって言うわけじゃないけど、私の旦那に仕事ちょうだい。」


その強引な紹介のおかげで、大手企業から直接仕事をいただける運びになりました。

つづく


「正社員12人は別として、下請け会社の方々には、最低1ヶ月は仕事がないから別のところで仕事を探してもらうようにお願いしよう」

そうすれば、一日20人分の下請け支払いが減ると社長に言ってみましたが、


「明日、電話で仕事が飛び込んでくるかもしれないのに、その時すぐに人が集まらないといけないから」

とそれはできないと言います。


でも、その仕事がほとんどない状況は半年以上に渡って続いたのでした。


私が工場に配置されて一週間ほど経った頃、社長に聞きました。

「私も営業やらせてもらえませんか?もし、OKなら営業先に制限(例えば既に客先のライバルはダメとか)ありますか」


「やってくれるなら助かる。どこに行ってもらっても構わないからとにかく仕事を取ってきてくれ」

とお答えを頂き、私の営業活動が始まりました。


その頃、私は I重工業に出向していましたが、そちらの現場監督の仕事も暇になり、リストラされることになりました。(仕事が入ったら強制的に召集するのですから、ずいぶん身勝手な雇用形態です)


毎日、私も工場に配置されました。


やることがないからと喫茶店に行く者、帰ってしまうもの、車の中に隠れて花札をするもの...


とても、これが会社組織だとは思えない光景でした。

仕事が全くない時期がありました。


毎日、工場に30人も来ているのに仕事が全くない状況が続きました。それでも、やさしい社長は 下請けさんに来なくていいとは言いませんでした。



いつか使うから、いつか売れるから...と社長の指示で道具や棚などを作っていましたが、ほとんどの職人は仕事するスペースがないので掃除や道具の整備を毎日していました。


以前にも書きましたが、売れて現金になる予定のない仕事をすると、人件費以外にも材料費などが必要となり、経営を圧迫してしまいます。


社長は、「これは仕掛品といって貸借対照表上は資産となるものだから、経営上はいいことだ」と主張するのですが、そういうものではありません。


お金になる可能性は半分もないわけですから、ただ場所をとるゴミを作ったのと同じです。


材料費、保管費用、結局は処分する費用...遊ばせないように少しでも仕事させたことが結局は経営をさらに圧迫させてしまいます。


参考:2月15日ブログ

http://ameblo.jp/donburi-kanjou/page-3.html

確かに、談合ではありません、あくまでも協定値段です。

しかし、この一連のやり取りは独占禁止法違反です。

下請け業者は厳しい値段での中で、少しでもオプション工事を加えることで、収入を上げなければなりません。

そこで、やりもしない工事を行ったように担当者につくってもらい、受注金額を水増ししてもらうということが日常的に行われました。

その水増し工事を通してもらうために、ゴルフ接待や夜の歓楽街接待がまかり通っていました。

結局は、その接待費用や水増し工事はそれぞれの企業の隠れた負担になっていったのでした。

これは、汚職、背任にあたります。

見積書を渡し、仕様や金額など、お互い納得した上で注文書、請け書を取り交わして工事を始める。というのが法律上の決まりです。(おそらく建築基準法の施工令)

明らかに、そうはなっていません。

さて、なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか。

I 重工は一時深刻な経営危機でした。当時、駐車場工事請け負っても赤字ばかりでした。下請け業者は協力会という名目の談合組合が存在していて請負値段を一切下げません。

同じような工事をしている業者を探して、安くできないかと交渉すればいいのですが、仕事の進め方を一から教えるのは大変な事です。大手企業のお役所的な仕事の進め方しかできない人たちには、そこまでして自分の仕事を増やしたくはなかったようです。

協力会に号令を出し、請負値段を全国一律に決めました。

その値段でできない業者は辞めてほしい。ただし、条件を飲んだ会社には、優先的に発注する。他には一切発注しない。

下請け業者も、今更、他の仕事を探すのもたいへんだし、営業しないでも仕事が入るだけありがたいと、その厳しい条件をのんだのでした。

売り上げの大部分をしめる立体駐車場の請負工事のことです。


ある大手企業( I  重工)から受注していますが、受注値段が決まる前に工事が始まります。


工事開始後1週間たったある日、FAXが送られてきて、見積もりの数字に二重線が引かれて別の数字が記入されていました。(約30%くらいの値引きです)


社長様はお怒りになって、電話を入れます。

「こんな値段でできるわけないだろう。仕事引き上げるぞ!」


発注担当の方はこう切り替えします。

「社長、協定価格があるでしょ、その書類に従って見積もりしてくれなきゃいけませんよ。この規模だと、○○工事はいくら、××工事はいくら...って書いてあるでしょ。それが決まりなんですから。」


社長は怒って受話器をたたきつけて電話を切りました。


ほんとに工事途中で止めて引き上げるの?と聞いたら、もう工事は進んでいるのに人道に反するからそんなことはできないとおっしゃいました。 工事開始1週間で赤字が決定した瞬間でした。