読書中毒 ~始まりは大沢在昌の新宿鮫だった~ -5ページ目

ブラックチェンバー

大沢在昌の『ブラックチェンバー』を読み終わりました

ハードカバーなので文庫本になるまで我慢するつもりだったのですが・・・


指定広域暴力団(山上連合)とロシアンマフィア(アルガニザーツィヤ)が
共同経営する六本木のストリップバーを内偵中に拉致された警視庁組織犯罪対策二課の河合は、
殺される寸前(ブラックチェンバー)と名乗る組織に救われる。

進化する国際犯罪に対抗するため作られた地下組織ブラックチェンバーは

世界各国に支部を置き、国際的な違法取引を監視し犯罪組織に打撃を与える一方で、
奪ったブラックマネーを資金源に活動する組織だった...

刑事捜査のプロとしてスカウトされた河合は、警察を辞めてブラックチェンバーに加わることを決意する。

(山上連合)と(アルガニザーツィヤ)が扱おうとしている「商品」とは何か?

そして、人類を崩壊に導く恐るべき犯罪計画とは?


今回は『正義』と『強欲』は共存できるのか?がテーマであるこの作品

面白いのですが

台北、バンコク、東京と舞台を移し、ロシアンマフィア、広域暴力団、公安警察・・・

スケールは大きいのですが

ハリウッド映画のアジア版・縮小版といった感じでした・・・



大沢在昌 ブラックチェンバー

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プラ・バロック

結城充孝の『プラ・バロック』を読み終わりました
神奈川県警機動捜査隊の女性刑事・クロハは
殺人事件の捜査を外され、レンタルコンテナ解錠の立ち会いへ回される

雨の降りしきる港湾地区の埋め立て地に置かれた冷凍コンテナからは
14人の男女の凍死体が発見される...
睡眠薬を飲んだ上での集団自殺と判明するが
それは始まりに過ぎなかった...

この作品は第12回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品です

集団自殺を影で操る邪悪な存在
S・N・Sやアバター...ヴァーチャルな世界に足跡を残す犯人を追う設定は良くあるのですが
独特な雰囲気のある文章が印象的な作品だと思いましたが

クライマックスやエンディングが唐突で少し不満もありますが

まぁまぁ楽しんで読む事の出来る作品だと思います



プラ・バロック (光文社文庫)


  
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レッドゾーン 下巻

真山仁の『レッドゾーン』下巻、一気に読んでしまいました

上海の買収王子、賀一華(ホー・イーファ)を先方に、創業者一族(副社長)のクーデターなど
次々と仕掛けられる買収作と
繰り出される揺さぶりに翻弄され、
追い詰められたアカマ自動車は
サムライキャピタル(投資ファンド)の鷲津政彦に
「白馬の騎士」(ホワイトナイト)を求める...

新たにアメリカ最大のレバレッジファンドKKLが買収提案と
いよいよレッドゾーンに突入かと思いきやすんなり...で物足りない


上巻の感想ではターンアラウンドマネージャーの芝野や
弁護士の謝慶齡(シェ・チンリン)が
どの様に絡むのかが楽しみと書いたのですが
芝野の件は上下巻共にそんなに必要ではなかったのでは...
多分、ハゲタカシリーズのⅠ・Ⅱでは重要な役割だったのでしょう...

全体的には企業買収を解りやすく書いてあり
素人に解りづらい部分を会話の中でシンプルに説明してくれているのですが
もっと小難しくて複雑な展開、駆け引きを期待してしまいした

私のいつものパターンでシリーズものの新しいのを読んでから古い作品に遡る...
過去の作品を読んでから読めば更に楽しめたのだと思い
早速、ハゲタカシリーズ購入しました


レッドゾーン(下) (講談社文庫)

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レッドゾーン 上巻

真山仁のハゲタカシリーズ第三弾『レッドゾーン』上巻を読み終わりました

「一緒に日本を買い叩きませんか?」と
中国が立ち上げた国家ファンド幹部、王 烈(ワン・リエ)は
買収者としてサムライキャピタル(投資ファンド)の鷲津政彦に接触を繰り返す...

標的は、日本最大の自動車メーカー・アカマ自動車。

1兆5000億ドルの外貨準備高を元手に中国が立ち上げた国家ファンドを相手に駆け引きが始まる...

この作品(上巻)では上海の買収王子、賀 一華(ホー イーファ)の動き
一枚岩になれないアカマ自動車...

情報を収集しながらも態度を保留する鷲津政彦...

大企業の重役の座を捨て、大阪の潰れかけた会社、マジテック再生に乗り出した
ターンアラウンドマネージャー(事業再生家)芝野、
そして米系法律事務所スミス&ウィルソン上海事務所弁護士
謝 慶齡(シェ チンリン)が下巻ではどの様な形で絡んでくるのか?

全て下巻のお楽しみ...と言った感じです



レッドゾーン(上) (講談社文庫)/真山 仁

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疫病神

黒川博行の『疫病神』を読み終わりました
前回、紹介した『暗礁』が疫病神シリーズの第3弾でした
1・2と飛ばして3を読んでしまった訳ですが...

この作品は大阪を舞台に産業廃棄物処理場の処分地をめぐり
大手ゼネコン・土建屋・地上げ屋・地方議員・複数のヤクザ(組)が入り乱れての駆け引きが始まる...

主人公の二宮(建設コンサルタント)は
地元水利組合の長から水利権の承諾書に印をとる事を請け負う事に...
そこに金の臭いを嗅ぎ付けたイケイケヤクザの桑原が絡み付く...

前回、紹介した『暗礁』では完全に桑原に巻き込まれ引きづられていた二宮ですが
一作目の『疫病神』ではまだ対等?で
お互いに利用しあってたんですね...
これは二作目でもっと...早く買いに行かねばです

『疫病神』面白いので是非、読んでみて下さい
疫病神 (新潮文庫)/黒川 博行

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封印

黒川博行の『封印』を読み終わりました。
主人公はパチンコ台の販売代理店で働く酒井広樹
ある日、苦情に対応して以後、突然の監査や消防からの難癖...
旧い付き合いの業者との取引中止とトラブルが続く...

見に覚えのない『物』を引き渡せとヤクザからの脅迫

ついには恩人で社長である津村が失踪する

警察、消防、複数のヤクザ組織をも動かし裏で糸を引くのは...
『物』とは何なのか...

酒井さ封印を破り、自らの拳で立ち向かう

前回、紹介した『暗礁』も面白かったですが
今回の『封印』は元プロボクサーの主人公が自らの拳で一つで
恩人を助けるために大阪の町を走り回るという
正統派なハードボイルド作品でした
北方賢三作品を読んでいる様な錯覚を...

ストーリー展開が早いので一気に読んでしまいました
こう言う正統派のハードボイルドもやっぱり好きだなぁ…


封印 (文春文庫)/黒川 博行

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暗礁 (下巻)

黒川博行の『暗礁』下巻を読み終わりました

大手運送会社の裏金を狙い、武闘派やくざの桑原
建設コンサルタントの二宮は舞台を沖縄して大暴れします

(暴れるのは桑原ですが・・・)

沖縄本島から伊江島、粟国島へと2人は移動し目的のアタッシュケースを

手に入れます


裏金の10億を手に入れる前の行きがけの駄賃・・・



この作品は、業界と警察、そして暴力団との癒着をテーマにしており

そこに金の臭いを嗅ぎつけたコテコテな武闘派ヤクザが組のシノギとせずに

個人のシノギとして二宮を巻き込む


巻き込まれ型のハードボイルドですが


2人の掛け合いが面白い作品、

ここ最近はハズレの作品が多く、あまりブログも更新していませんでしたが

この「暗礁」は面白いですから、ぜひ読んでください

暗礁は疫病神シリーズの三作目らしいです
前二作を買いに行かねばです

暗礁〈下〉 (幻冬舎文庫)/黒川 博行

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暗礁 (上巻)

黒川博行の『暗礁』上巻を読み終わりました

この作品は建設コンサルタントの二宮が
疫病神(やくざ)の桑原に頼まれて 大手輸送会社の接待麻雀をした事をきっかけに

大手運送会社の暴力団対策費と裏金を狙い動きだす

イケイケの武闘派やくざの桑原と
建築コンサルタントの二宮の掛け合いも面白いのだが
イケイケやくざが以外にも知識が豊富...
話の展開、スピード感...下巻に期待大です



暗礁〈上〉 (幻冬舎文庫)/黒川 博行

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蒼煌

黒川博行の『蒼煌』を読み終わりました
この作品は国が主催する日本芸術院会員の座をめぐる
日本画壇の暗部を描いた作品です

投票権を持つ現会員への挨拶まわり...
政治家なども絡み現金が乱れ飛ぶ

この作品はよくある選挙を題材にしたものですが
日本画壇ってのは珍しいし、内閣総理大臣賞などが
日本画壇で出世双六の途中であり、芸術院会員になり数年後に文化功労賞...
死ぬ前に自分の名前を冠した美術館に作品を寄贈し
相続税対策をして双六のゴールとは凄い世界である...

登場人物が皆、高齢なのには驚かされるが
それでも出世に拘る姿を描いたストレートな作品でした
前回紹介した短編よりは、かなり楽しめる作品だと思います



蒼煌 (文春文庫)/黒川 博行
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燻り

黒川博行の:『燻り』を読み終わりました
この作品は9編の短編です

騙し騙され、一攫千金を狙っては燻り続ける男逹...
どの話の主人公も最後の詰めが甘く

プロ(警察、ヤクザ)が立ちはだかる

前回、紹介した『左手首』と内容もたいして変わらず
どちらかを読めば十分な感じです

話の展開が早く内容も簡単なので通勤電車などで読むには丁度良いかもしれませんね

短編2冊ではまだ面白いともつまらない(作家)とも判断出来ないので
次こそは長編を...


燻り (講談社文庫)/黒川 博行

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