作業くず
この記事には改訂版がございます。改訂版は作業くずの仕訳をご覧下さい。
作業くずについてお伝えします。
作業くず
製品を製造しているときに材料のくずが発生することがあります。
このくずが価値がないごみならば無視すればいいのですが、場合によっては価値がある場合があります。
鉄を削るときに発生する削りくず、布を切るときに発生する布の切れはしなどです。
このように製品を作る途中に発生するくずのうち価値があるくずを作業くずといいます。
作業くずの処理の方法
作業くずは評価額(売却価値または利用価値)を見積もって原価から控除します。
この処理の方法は以下の2つがあります。
- 作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法
- 作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法
作業くずがどの部門で発生したのかが分かる場合は「作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法」を使います。
逆に、作業くずがどの部門で発生したのかが分からない場合は「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」を使います。
「作業くずが発生した部門の部門費から控除する方法」の場合は、作業くずが発生した部門の部門費が作業くずの評価額の分だけ少なくなることで作業くずが発生した部門の部門費から製造指図書に配賦される金額も少なくなります。
よって、その部門費から配賦される全ての製造指図書の製造原価に影響を与えます。
それに対して「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」の場合は、作業くずが発生した製造指図書の製造原価が作業くずの評価額の分だけ少なくなります。
よって、作業くずが発生した製造指図書以外の製造指図書の製造原価には影響ありません。
ちなみに、単純個別原価計算を採用している場合には部門がないので「作業くずが発生した製造指図書の製造原価から控除する方法」を使うことになります。
作業くずの勘定科目
作業くずを売却できる場合には作業くずという勘定科目を使います。
逆に、作業くずに価値はあるけれど、売らずに材料として利用する場合は材料という勘定科目を使います。