原価の分類(操業度との関連による分類)
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操業度との関連による原価の分類についてお伝えします。
操業度とは…
操業度とは、生産設備の利用度合のことです。
この利用度合は一定期間の生産量や作業時間などによって表されます。
例えば、1ヶ月間機械がフル稼働すると100個の製品を作れる場合、今月80個生産したのであれば今月の操業度は(80個÷100個×100%)=80%となります。
原価の分類(操業度との関連による分類)
操業度と原価の関係から「変動費」「固定費」「準変動費」「準固定費」の4つに分けられます。
この分類の仕方が「操業度との関連による分類」です。
以下詳しく説明します。
変動費
操業度の変化と原価の発生額が比例の関係にある原価を変動費といいます。
操業度が2倍、3倍になれば原価も2倍、3倍になります。
具体例としては、「自転車にとってのハンドルやタイヤ」などが変動費になります。
自転車を作る台数が2倍、3倍になるとハンドルの原価もタイヤの原価も2倍、3倍になります。
操業度と原価の関係を図で示すと下のようになります。
固定費
操業度の変化に関わらず一定額で固定されている原価を固定費といいます。
操業度がどのように変化しても原価は変わりません。
具体例としては工場の家賃などが固定費になります。
工場を24時間フル稼働しても完全に休業しても発生する家賃は変わりません。
操業度と原価の関係を図で示すと下のようになります。
準変動費
変動費部分と固定費部分からなる原価を準変動費といいます。
固定費があるため全く稼動しなくても一定額の費用は発生しますが、操業度に応じて費用は増えていきます。
具体例としては電気代などが準変動費になります。
電気代は固定費部分と変動費部分に分かれています(実際はかなり複雑です)。
操業度と原価の関係を図で示すと下のようになります。
準固定費
操業度が変化すると階段状に変化する原価を準固定費といいます。
ある操業度までは固定費となっていますが、ある水準を堺に一段階原価が上昇するような原価です。
具体例としてはタクシー代などが準固定費になります。
タクシー代はある操業度(走行距離)までは定額で、ある水準に達するとガツンと料金が上がります。
操業度と原価の関係を図で示すと下のようになります。