オーストラリアではとんでもない洪水被害が起きているみたいです。



産経新聞の記事によると、

豪雨による鉄砲水の発生などによる被害で、8人が死亡、72人が行方不明となっているとのことです。

Daily Telegraph誌のWebサイト"the Telegraph"にはたくさんの被害画像が上がっていますが、とてもすさまじいものがあります。
Australian floods: heavy rains continue to bring misery

また、ロイターは食品の価格上昇を懸念する記事を上げています。

豪洪水、食品価格押し上げインフレ率に影響する可能性
(ロイターより)


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そういうとんでもない被害が起こっている今日、たまたま私は、京都府福知山市というところへ行ったんですが、そこで、街を散策しているとき、「御霊公園」というところでこんなものを見つけました。

$日記-浸水位

暗くて写真はとてもわかりにくいですが、これは、昭和28年の台風13号で福知山市内を流れる由良川(ゆらがわ)が氾濫し、街全体が水に浸かったときにここまで水が達したんですよという記録を残すための「浸水位」というものでした。

当時の被害についてはWikipediaの福知山市の「由良川の氾濫と治水」の項に詳しいです。この記述によると、7.8mもの高さまで浸水したということです。

福知山市は典型的な盆地で平らな形状の地形をしていて、大雨のたびに由良川がよく氾濫し、浸水被害が出てきました。(私の父は福知山市内に勤務したこともありましたが、そうした事情をよく心得ていて、存命中、福知山市内を移動するとき、「昨日は大雨だったから、川岸近くの道を通るのはよそう。」というようなことを口にしたことがありました。)

比較的記憶に新しいものでも、平成18年(2004年)に台風23号がやってきた際にも広範囲で浸水被害が起こり、特に由良川沿いを走る国道175号では観光バスが立ち往生し、大勢の高齢者がバスの屋根の上に取り残されて、一晩を過ごすという事件がありました。

バスが立ち往生した場所は下流の舞鶴市ですが、もともと由良川が氾濫したのは福知山市内です。

以下のような写真を見れば思い出す方も多いと思います。


(京都新聞のWebサイト:2004年京都10大ニュース、「台風23号 15人犠牲に」より)

たまたま、オーストラリアで洪水被害が起こっているのを知った日、私自身は洪水と常に隣り合わせの街を訪れ、その被害の大きさに改めて思いを馳せることとなりました。

ハリケーン・カトリーナによるニュー・オーリンズの壊滅的な被害と多くの失われた命などとあわせて考えても、普段、街にとって川というのは穏やかでたくさんの恩恵をもたらしてくれる存在ですが、一たび暴れれば、たくさんの被害をもたらす恐怖の存在となります。

改めて、治水というものの大切を考えさせられる一日でした。
と、同時に今回の豪州での洪水被害が一刻も早くやむことを願っています。

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ちなみに、由良川の「由良」というのは百人一首の「由良のとを 渡る舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな」に出てくる京都府舞鶴市の地名のことで夏は海水客で賑わいます。私も子供の頃、何度か海水浴へ行ったことがあります。