nikkei net より


日航の4~6月期、最終赤字990億円 四半期で過去最大の赤字

http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20090807AS2D0700B07082009.html





日航が債務超過すれすれで危ない状況に陥るのは今に始まったこと

でなく、今回も「つぶせない」ので、官主導で、資金調達に協力する

ことになると思うが、関係の深い日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、

三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の方々など、まったくご苦労なこと

だと思う。


日航には

 ・他の航空各社や鉄道などとの顧客獲得競争の熾烈化

 ・横暴ともいえる組合活動とそれに伴う従業員の士気低下

 ・構造的な高コスト体質(高待遇過ぎる人件費、燃費の悪い航空機など)

 ・度重なるシステム障害による運行ダイヤの乱れ

など、根深い問題が多い。


また、何より、ナショナル・フラッグとして、政治に翻弄されてきたことも

ある。


採算性の低い地域路線なども簡単に廃止することができず、傷口を

広げてしまい、やむなく撤退というパターンがとても多い。


「つぶせない」という意味では、全日空も同様だが、こちらは財務体質が

比較的安定していて、今すぐどうこうという状況ではない。


同じような問題を抱えているのは事実だが、こちらのほうがまだ軽傷という

感じがする。




こんな感じで航空会社の経営危機で官や関係する金融機関まで巻き込んで

救済問題が起こるのは日本だけでない。

アメリカでも危なくないところを探すほうが難しい。

デルタ、ノースウェスト、アメリカン、ユナイテッドエアライン・・・どこも一度は

破綻して再建したか、破綻しそうなところばかりだ。


ヨーロッパでも、同じような話はよく聞く。

同じような体質。というだけでは説明がつかないような気がするが、

共通しているのは、

 ・莫大な設備投資を必要とする。

 ・すでに国単位でみるとすでに寡占状態で統合させにくい。


なので、再編へ向けて、ワンワールドやスターアライアンスのような航空連合

の中で比較的統合のしやすい企業間から、官主導で統合させていくことが

現実的かなと思う。




身近な話では、システム障害で年に何回も輸送遅延を起こしている

状況は何とかしてほしい。日航・全日空とも。


この2社に共通するのは、旅券の予約・発券システムにいまだメイン・フレーム

を用いていること。メイン・フレームが悪いのではなくて、長年使って、

バージョンアップやパッチを適用してきたOS・ミドルウェア周り、

そして、何度となく、仕様変更により改修を加えてきた莫大な数のアプリケーション。

これらをコントロールし、数万の業務用端末とインターネット向けのB2Cサイト

を運用することは危ない綱渡りのようなものだ。

うまくいっているのが不思議なくらいといってもよい。


全日空は2012年をめどにオープン系のシステムに刷新する予定の

ようだが、運行ダイヤに影響出ることなく成功させてほしいと思う。


また、こうしたプロジェクトが動いていると、統合などの経営上の施策に

は後ろ向きになってしまう。


全日空と日航の統合も官主導であり得ない話だと思うが、システム統合

はとても難しく、それを考えると後ろ向きになる。



個人的には日航には乗らないので、つぶれてもいいんだけど。。。