一昨日、村上春樹さんの新作「1Q84」のことを記事に
取り上げたら、アクセス数がかなり伸びました。
1Q84 BOOK 1/村上 春樹
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(注:Book3のリンクを付け足しました。 2010/07/12)
いかに村上さんの新作に期待を膨らませて待つ人が
多いのかということに気づかされた出来事でした。
村上さんは数年前からノーベル文学賞の候補に上がっています。
日本人にはこれまで受賞した川端さん・大江さん以外
にも候補に上がって来た人は少なくなく、三島由紀夫さん、
井上靖さん、安部公房さん、井伏鱒二さん、西脇順三郎さん
などが候補に挙がっていたことがあります。
いずれも受賞を逃し、かつ、亡くなられたため、日本人で
受賞したのは、実際には川端康成さん、大江健三郎さん
の二氏のみなのですが。
村上さん以外に将来的に受賞しそうな方は現在見当たらず、
村上さんが受賞してもしなくても、今後日本のノーベル賞
受賞者は相当な年数において輩出されないと思います。
村上さんの作品で私がもっともその解釈にとり憑かれて
いるのはやはり、
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』です。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)/村上 春樹
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)/村上 春樹
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この作品は、最後に、読者に対して、その結末への
賛否を強烈に問うている作品だと思います。
これほど人間の根源にかかわる問題をストーリー
の完結時に突きつける作品はないのでは?と思いました。
そういう意味で、私はこの作品が村上さんの最高傑作
だと思います。
村上さんがドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」
のような壮大な作品を書き上げたとしても
(それはあまりにも難しいことだと思いますが。)、
わたしは、この作品の持つ重みはとてつもないもの
だと思っています。
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それはさておき、村上さん以外のノーベル賞受賞者・
候補者の作品を久しぶりに読んでみたいなと思いました。
最近はそうした作品を読めていないし、読んだのが
昔過ぎてあらすじすら覚えていないものもあります。
詩を読むことはほとんどないので、西脇さんの作品は
読んだことがないのだけど、それ以外の人の作品は
中学から大学くらいにかけてほとんどの作品を読みました。
三島作品など、新潮文庫で出ているほとんどすべての
作品を読了したほどです。
ほかにも、
●井伏鱒二さんの「黒い雨」
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●安部公房さんの「砂の女」「壁」「箱男」
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●井上靖さんの「氷壁」
●三島由紀夫さんの「仮面の告白」「金閣寺」
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●大江健三郎さんの「死者の奢り」「個人的な体験」
「万延元年のフットボール」
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などなど・・・。