病機 ~臓腑と経絡~


3.臓腑の病理


 病機には、臓腑の問題も大きく見られます。臓腑は様々な原因で病気になることがあります。これも虚と実があります。虚の場合は、臓腑の働きが何らかの影響で機能低下し、その働きが満足に出来なくなる時に発生します。例えば、脾臓なら運化作用、統血作用、昇清作用の働きがあります。この働きが低下します。


 すると様々な病気を引き起こすのです。例えば、脾虚になり運化作用が低下した場合。消化吸収し運搬する働きですので、それが低下すると食欲不振を生み出します。その結果、気血を生成できなくなったりします。また、脾虚から統血作用が弱くなると、打った覚えがないのに脚にアザが出来ていたりする内出血が出たりします。他には不正出血が出たりするのも、統血作用の働きなので低下すると発生します。昇清作用も脾虚になると様々な疾患を引き起こします。内臓下垂はもちろん、浮腫や下痢などがよく起きてきます。このようにその臓腑が持つ働きの低下が起きてきます。


 また、外邪も臓腑に実証を引き起こすことがあります。例えば、熱邪。外から熱邪が心臓にはいると心火亢盛となります。すると動悸が起きたり、寝付きが悪くなったりします。時には、精神に病気が現れて混乱したりもします。


 このようにそれぞれの臓腑によって出る病症は違いますが、虚の場合と実の場合で区別するとより理解がしやすいです。詳しくは後の臓腑弁証で行います。




4.経絡の病理


 経絡は、身体の臓腑と他の臓腑、体表、皮膚、四肢、五官九竅とを連絡する役割を果たします。その中には気血が流れています。そして、全ての陰陽、表裏、上下、内外を調節します。経絡の病機は、経絡そのものに要因があるものと他から影響を受けて発症したものがあります。では経絡の病機とは次のものがあります。


 ①経絡を流れる気血の量の問題


 ②経絡を流れる気血の逆乱


 ③経絡を流れる気血の運行が悪い


などがあります。


 ①の経絡を流れる気血の量の問題では、多いときと少ないときがあります。多いときは、その経絡の属絡する臓腑や器官の機能が亢進します。たとえば胃の経絡の気血の量が多くて亢進しているときでは、胸焼けや胃酸過多の原因となります。逆に少ないときでは、その臓腑や器官の働きが低下します。時には、その経絡上に痺れや痛みを生じることもあります。


 ②の経絡を流れる気血の逆乱では、経気の昇降が混乱したときに起きます。上逆してしまうとめまいや混乱や意識不明が発症します。その発生原因は、熱による上逆と気陥による下陥によります。ひどくなるとその関連する臓腑にも影響が出て、生理機能も乱します。


 ③の経絡を流れる気血の運行が悪いとは、経絡内で気滞血瘀になっている状態です。すると痛みはもちろん、臓腑にも影響を及ぼすことがあります。また、各種の腫瘍やしこりなども発生させることもあります。経絡の病変では、まず流れが悪くなり、血瘀などの病変が発生します。そして、病が発生します。



これらが病気の発生するメカニズムとなります。



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