病機 ~病機とは~


 病機とは、病気が発生したり、進行したり、変化したりするメカニズムのことを言います。この病機の展開していくのに重要な要素は、正気と邪気です。どちらがきっかけになるかは、わかりません。邪気が強くて、身体に侵入してきてしまう場合。情志が損傷され、臓腑にまで影響が出てしまう場合。過労や出産などの原因で、正気が虚してしまう場合。様々なケースがあり、その症状は千差万別です。しかし、その病機にも一定の法則があります。西洋医学では、その法則が見いだせないために対処療法という形でしか、治療できません。中国医学では、その法則を見定めることで治療はもちろん、予防も可能となります。


 その法則とはなんでしょう。答えは、陰陽失調です。


 この陰陽失調の中に、邪正の盛衰や、気血の病理、臓腑の機能の問題、経絡に発生する問題。様々なものが含まれます。しかし、陰陽をしっかりと理解しておけば、それらは一定の法則で考える事が出来ます。


 進む前にもう一度陰陽を軽くおさらいします。
自然界の万物すべてを陰と陽に分けることが出来る陰陽学説。例えば、

 陰 - 陽
 虚 - 実
 寒 - 熱
 静 - 動
 裏 - 表
 下 - 上


この様に様々な物を陰陽で、分類できます。
この陰陽は、常に変化しながら安定しようとしています。
しかし、その変化の過程で、バランスのとれていたはずの陰陽に過不足が発生します。それが先にあげました陰陽失調となります。


具体的には次の通りです。


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左は正常なバランスのとれている陰陽。右は全体的に少なくなると虚の状態です。

臓腑の機能が低下したり、気血の働き、経絡の働き全てが低下します。


陽が多くなるのは、次の通りです。


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 陰が虚している場合は、バランス的に陽が多く見え、虚熱、または内熱が発生します。この場合、陰である血の不足や精の不足が考えられます。
 一方、陽が多くなっている場合は、陽盛と言われます。この場合は、陽の邪気、たとえば、熱邪や暑邪が身体をおかしている場合などがあります。
 共に陽が多くなっていますので、陽の特性である上に昇る、運動的である、熱いなどの症状が出やすくなります。



陰が多くなっているのは下の通りです。


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 陽が虚している。この場合は、バランス的に陰が多く見えます。すると虚寒が生まれます。症状としては寒い、だるい、動きにくいなどの陰の症状が出ます。
 陰が多くなっている場合は、寒邪が多いとか、陰や水が身体に多い場合に発生します。寒いや固い、動きにくい、気分が内向的などが出ます。
 共に寒い、固い、動きにくいなどの症状が出ます。


 ここまで分類できると実は治療も簡単なのです。多い方を減らし、少ない方を補うだけです。

では、次回はもう少し詳しく見ていきましょう。



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