ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
別に間違いではないけれど、下手をすると、間違った行動につながるということがあります。
例えば、「社員のモチベーションを上げる」という施策。
モチベーションが低く、やる気のない社員より、モチベーションが高く、やる気満々の社員がいた方が会社の業績も上がります。
しかしながら、「社員のモチベーションを上げる」ことが会社の目標や重点項目になってしまうと、やや本筋から離れてしまうように感じます。
会社としては、社員のモチベーションの高低に関わらず、一定の品質の商品をお客さんに提供することが大切です。
昨日はモチベーションが高いから、接客もすごく丁寧だったけれど、今日はモチベーションが低いので、接客態度もいい加減だったということでは、お客さんの信頼は獲得できません。
社員のモチベーションに関わらず、きちんと納期を守り、お客さんの期待を上回るような商品をお届けできるかどうか。
会社として、そのような仕事を継続的にできるかどうかを考えず、すべてを社員のモチベーションに依存しているとすれば、モチベーションを隠れ蓑にした会社の責任放棄です。
特に価値観が多様化している中、すべての社員が一律にモチベーションを高めるような施策を打つのはなかなか難しくなっています。
「頑張れば、頑張るだけ給与が上がる」という給与体系を導入しても、「今の給与で満足していますから」という社員には暖簾に腕押しです。
また、リモートワークの方が働きやすいという社員がいる一方、やはり、会社で同僚と話し合いながら仕事を進めるやり方が良いという社員もいます。
突き詰めていくと、社員一人ひとりのモチベーションを上げるには、社員が100人いたら100通りの方法を実行しないと、その目的は達成できないことになります。
このあたりの微妙なさじ加減を理解した上で、きちんと対応するのであれば、問題ありません。
しかしながら、現実には「社員のモチベーションを上げる」という言葉が一人歩きして、安定しない社員のモチベーションに振り回され、かえって、会社全体のモチベーションが下がっているケースもあるので、注意しましょう。
「モチベーションを上げるのは従で、商品を通して提供する価値を上げるのが主」
です。
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企業が将来に向けてさらに成長を続けていくには
- 共感できる価値観の提供
- その価値観と仕事を結びつける力の育成
の両方が求められています。
そして、後者の「会社の価値観と自分の仕事を結びつける力の育成」は社員が日々鍛錬を重ねる中で初めて実を結びます。
今週公開した動画「社員の自己成長を会社の成長につなげるシン・マネジメント手法」。
何が「シン」なのかと言えば、社員のモチベーションを上げるために「会社が社員に対して何かを与えるやり方」ではなく、「社員が会社に対して何ができるかを紐づけるやり方」であるという点です。
先の動画をご覧いただいて、「社員の個性を活かしつつ、社員の自己成長を会社の成長につなげていきたい」と思っていただけたら、一度お話しさせていただければ嬉しく思います。
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