グラスゴー便り #1 | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

グラスゴー便り #1

今回は長文しかも複数画像つきなので、ケータイで見ている方は特にパケ死しないように気をつけて頂戴。


早起きをして荷物をヒースロー空港第1ターミナル(唯一の国内線ターミナル)に預け、地下鉄ピカデリー線でダウンタウンを目指す。テロの影響でピカデリーサーカス駅から先が未だに不通になっているが、途中で交差する環状線(地下鉄サークルライン)やボロ鉄(地下鉄ドメスティックライン)等をうまく乗り継げば相当の場所まで行ける事になっている。早速目的地の某大学へ。もっとも降りる駅を間違えて地上に出たらぜんぜん変な雰囲気だったのは私の得意技(乗降を間違えるのは私の習慣、いつ飛行機でこれをやらかすかいつも心配している)。


駅

その後用件が済んで空港に引き返した。カンタス航空(QF)のロンドン-グラスゴー線にチェックインするためだ。でも、受付カウンターが英国航空(BA)が代行しているし妙だと思ったら、QFはBAとコードシェアしており、実際の運行は機材も乗務員もBAなのだ。したがって、BAの機体に乗りBAの客室乗務員から「今日もQFをご利用くださいまして」とお礼を言われることになる。だったら無理にQFで予約取らなくても良かったかもしれない(BAの便名も持っているので、そちらで予約することも可能だった)。


ぱと

到着した時のヒースローは「到着ロビー」しか知らなかったので昨日は「雰囲気は普段と変わらない」と書いたが、今日「出発ロビー」を見てやはり相当警備が厳重なことを知った。極端な話ではなく、警察官が3メートル間隔で立っているような感じ、しかも防弾チョッキを着て自動小銃を小脇に抱えている。私がその問題のQFの便にチェックインしているときは、すぐ後ろで無人のトロリー(日本語ではカートというのでしたっけ、トランクとか大量の荷物を載せて運ぶ台車)にウエストポーチが忘れ物のようにひっかかっていたのを警官が発見したときには、全員伏せろ!と大きな声が飛びロビーは騒然となった。もちろん私も頭を抱え込んでしゃがんだが、私の後ろでチェックインを待っていたおにいちゃんは、私を踏み台にしてチェックインカウンターの向こう側に飛び込んで身を隠していた(苦笑)。マジで忘れ物だったようで、落とし主がすぐに手を上げて事なきを得たが、誰が見ても彼は「別室」に引っ張られていった、ポーチと一緒に。

手荷物検査場を通る前に、行っておこうとトイレに入った。小用をしはじめるかはじめないかのうちに「武装警官」がトイレに入ってきた。凄いなあ、トイレの中まで警戒かぁ!と思っていると、その警官、私のほうに歩いてきて私のすぐ横に立つではないか。自動小銃の銃口が私のほうを睨んだまま。出るものも出なくなるではないか、と思った瞬間、彼もそこで用を足し始めた。なんだ、いわゆる連れションじゃ無いか・・・と何気なく彼の股間を見れば、そこでも自動小銃が鎮座し銃口を便器に向けていた。


あ、そういう話じゃないのね、国内線。このグラスゴー行き国内線が超大爆笑だったので、段落(と気分)を変えて以下続ける。


冒頭にも書いたが、ヒースロー空港で唯一国内線の乗客を扱うのは「第1ターミナル」だ。全ての国内線の旅客はここに集められる。国際線で別のターミナルに着いたとしても、国内線取り扱いの第1ターミナルに運ばれてくるわけだ。それだから、私も第1ターミナル国内線5a搭乗口をくぐって飛行機に向かったわけだ。が、そこに待っていたのはバス。もちろん、日本でもバスでトランスファされてタラップ登って搭乗とかはありえるのだけれど、今回凄かった第一がこの部分だ。バスが向かった先は第3ターミナル。バスは、BA仕様のエアバス319のお尻の部分にくっつけられたタラップ前に止まった。なんだ、ケツから乗るのか・・・と前方を見るとなんと、ボーディングブリッジが第3ターミナルにくっついているではないか。ケツから乗るが初めてなら、ボーディングブリッジがくっついている飛行機にタラップで乗り込むのも初めてだ(あとやっていないのは、機体の右側から乗り降りすることぐらいか・・・)。その理由は後ほどわかる。


ケツから乗る


さて、一部暴露されているとおり、今回の欧州遠征で利用する英国国内線はビジネスクラスである。今回の便もそれに該当するのだ。確かに座席には革が使ってあって高級感はある。とはいっても全席がビジネスクラスで、料金はエコノミーと一緒。シートピッチも同じで、シートに厚みがある分だけ却って狭く感じるほどだ。だからよくよく考えなくても、あまり素敵ではない。機内で驚いたのはそのことではなく・・・実は、「BAの客室乗務員」が私の隣の席に座っていたことだ。制服で。なんだろな、と思っているうちはまだ良かったが、客がどんどん乗ってきても席を立とうともしない。驚きが驚愕に変わったのはなんと「BAのパイロット」まで制服で乗り込んできて客席に座ったことだ。126人が定員と思われる中に、私が確認しただけでも6人の「制服の乗客」がいるのだ。私の隣の席になったメリッサ嬢に、「仕事良いの?」って聞いてみると、「今非番。この後折り返し便から勤務なの」と。なるほどぉ、と妙に感心するが、だったら制服でなくても良いと思うのだが・・・。さらに「なぜボーディングブリッジがくっついている飛行機にお尻から乗るの?」と聞いてみた。


「この便に使う機体はアムステルダム発ヒースロー行きだったの。だから(BAのアムステルダム線が発着する)第3ターミナルに着くわけよ。ここで客を降ろして掃除をした直後に第1ターミナルに待機させたグラスゴー行きの客を乗せるのさ。時間との勝負だから、機体を回送する暇無いし。」


なるほど。でも、アムステルダムからヒースローに着いてそのままグラスゴーまで乗り継ぐお客はどこに待機するの?と、質問してみると答えは単純明快。


「そんな客いないもん。アムステルダムとグラスゴーの間は直行便が飛んでいるのよ。わざわざヒースローを経由させる必要が無いし、そういう修行僧みたいな客は直接乗り継がさずにこの一便後を使わせるわよ、だってヒースローで国際線から国内線に乗り継ぐときは入国審査が絶対に必要なんだもん。それ用のイミグレーションブースだって第1ターミナルにあるでしょ。」


なるほど。数十秒考えて納得して、ありがとうと言おうとしてもう一度メリッサのほうを見ると彼女は既に爆睡状態。そして間もなく、エアバスは離陸のためのタキシングを始めたので私もおとなしく寝た。彼女の勤務便は折り返しでもうヒースローに着いた頃だろう。


グラスゴーの空港から市内のアクセス。私は一人旅なのでバスを使うことにした。3.5ポンドで市内のバスターミナルに運んでくれる。そこからバスを乗り換えて、これからお世話になる宿舎に向かった。詳細報告は明日になると思うが、グラスゴーではモーターショーの会場として有名な国際展示場の近くが宿舎である。


さてそのグラスゴーのホテル。これは凄いぞ。部屋にこんなものが装備されていた。


アダプター


高速インターネット接続キット。


パソコンのUSB端子とLAN端子にくっつけるアダプターで、これを装てんすると「スイスコム」の
ユーロスポットに自動的に接続できる、と説明書に書いてある。そこで利用課金の契約をすると以降ネットが使えるのだ。このアダプターの正体が何であるか良くわからないが、無線LANの関係か、と思ってみた。そうなると昨夜ヒースローの宿のロビーで悪戦苦闘したのも「スイスコム」であることを思い出し、無線LANカード内臓の持参PCを展開してみた。客室内でWiFiの電波ががんがんに受信できる。なんと、アンテナがベッドサイドの机の裏に仕込んであった。ためしに昨夜不本意ながら契約だけして使いこなせなかったそのスイスコム「eurospot」のIDとパスワードを「小規模無線LANの接続プロパティ」入れたらあら不思議…客室でさくさくネットができる。これは凄い。グラスゴーに3泊するが、これから更新が楽で楽で凄く良いぞ!ただし、スイスコムのアカウントの契約は「街角インターネットの10分2ポンド」「ホテルのビジネスセンターでインターネットの15分3ポンド」に比べて若干しか安くない、「30分3ポンド」なのである。もちろん、何百ポンドも払って「1年間使い放題アカウント」にアップグレードしても使いこなせるわけでもなく、とりあえず若干の割安感が感じられる「1時間5ポンド」契約に変更した。だから、日本にいるときみたいに「常時接続」というわけではない。ただ、速度はきっちり出ているし、客室の電源を使えるからロビーでバッテリーの残りを気にしながら、ということも無い。遊べそうだ。


あ?遊びに来たのではないのだぁ!


発表は明日の朝。日本時間では12日の夕方になるであろう。少しは「学会講演」の事に触れておかないと、このブログが「教育」カテゴリーではなくて「旅行カテゴリー」になってしまうかもしれないし(って、今までも散々脱線しているから良いか・・・)。


発表が終わったら遊びに行こうっと。どこ行こうかな・・・。3泊もするんだし・・・。←ぉぃぉぃ


自覚してきたのでが、やっと思考回路がネイティブの英国人に近づいて来た。だんだん奴等の言っていることも判るようになったし、私の言わんとしている事がわかってもらえるようになった。「ぱーどん?」と5回も聞き返すことは無くなったのは何よりの証拠である(でもまだ4回は聞き返していたりして・・・筆談かもしれない?)。でも何より確かなことは、レストランで食事をして「ビル・プリーズ(お勘定!)」って言ってビールが出てくることが無くなった(本質的に、LとRの違いであって、初歩中の初歩)。進歩である。

ではそういうことで、明日の更新もお楽しみに。