当ブログでは、カテゴリーにも

「裁判、マスコミ」

という分類があるように、今までいくつか裁判に関する記事を書いてきています。
トンデモ訴訟、トンデモ判決から最高裁批判までw


それほどに、現在の医療は訴訟を意識したものであり、
各学会では医療崩壊と同時に議論されているトピックであります。

学術的でない議論に関わらず、会場は立ち見で満杯となるという、
多くの医師が関心を持たざるを得ないテーマとなっているのは残念な限りです。

さて、私も過去の記事

奈良大淀病院事件、民事訴訟へ。


の中で、


>民事裁判で、本当に真実がハッキリするのでしょうか?


と疑問を投げかけています。
結局としては、

裁判で真実がハッキリするとは限らない。

という一定の結論に達していますが、
今回以下のエントリーでそれが裏づけられたように思います。

いつも勉強させて頂いております。m(_ _)m

日々是よろずER診療

裁判官の方の講演(救急医学会にて)
http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20071016




「救急医療と刑事訴追」という剣呑なシンポジウムに、
裁判官の方がシンポジストの一人と参加されていて、

民事訴訟では、

まず金銭の配分を考えてから、

それに見合うように、法律的文章を作るのが判決

という、とんでもないメカニズムを暴露されたようです!



「なんだ?判決って、まず結論ありきでできてるのか?

どうりで、屁理屈こねた訳のわからない判決が多い訳だ。

しかしこんなものに、つまり裁判に判決に、真実など反映されている訳が無い!」



・・・そうお気づきになられませんか?皆さん。


そうです。
わたしも、数年前まですっかり騙されていました。


「社会には正義がある。

法律こそが正義の根拠だ!


正義が犯される時、裁判所が真実を明らかにしてくれるはずだ!」


子供の頃から培った正義感とは、

社会、警察、法律、そして裁判所への信頼から来るものでした。


・・・が、残念にもそれは思い込みでした。



今回のシンポジウムでも、裁判官さんがハッキリ

「裁判の場で真実を明らかにする」を否定されておられます。


裁判官さんのスライドが提示されていたようです。

その内容は

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
裁判における自己責任

1)裁判官が「
真実」を発見してくれるわけではない

2)主張も証拠も
自己責任

  争わなかったら、そのまま事実認定される可能性も高い
  自己に有利な証拠を探し出し、自己責任で主張すべき。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

というもの。


つまり裁判官が、

「真実?なにそれ?

裁判所だよココ、解ってる?

YOU、さっさと証拠出して自己主張しちゃってYO!

自己責任だからね!

あっ!金銭の配分はもう大体決めてるから、そこんとこヨロシク!」


と、仰られている訳ですハイorz




<世間の非常識>


裁判所 ≠ 正義

判決 ≠ 真実

裁判で真実は明らかにされません。

裁判とは、自己責任で自己主張を戦わせる場です。



裁判官がハッキリおっしゃっています。





では、どうして世間でこんな事が非常識になっているのでしょう?


・・・それは、誰かが騙しているからです。



では、誰でしょう?

・・・それは、今も騙し続けている者たちです。



今でも、ニュースを見ればいつでも耳にするでしょう。


『今後、裁判を通じて真実が解明されます。』


といった、
事件や裁判のニュースなどで聞く決まり文句。


私も是にまんまと騙され続けてきたように思いますorz



マスコミが堂々と今もこの台詞(≒嘘)を垂れ流して、

勝手に裁判と真実を結びつけ、裁判の真の姿を包み隠し、

裁判と正義の関係を演出しているのかもしれませんね。