医の現場 疲弊する勤務医(2)


のコメント蘭より。

kei☆さんから教えていただきました。m(_ _)m


新聞で珍しく医師擁護の記事が載った訳ですが、

読み手から反撃

・・・じゃ無かった反響があったという事で、番外編として掲載されていました。


以下、参照。

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http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20070514ik04.htm


番外編 読者からの反響

信頼関係希薄に/プロ意識が欠如

病院勤務医の労働環境の実態を追った連載「医の現場 疲弊する勤務医」に対し、

多くの反響がメールやファクスで寄せられた。


医師側からは、医師不 足の解消や医療提供体制の改革を求める声が上がったほか、

「不信感をむき出しにする患者が多くなった」との指摘も多かった。


患者側からも「よい医師ばかり ではない」などと手厳しい意見が相次いだが、一方で

「(医師と患者の)相互理解を進めるべきだ」とする声もあった。


 「感謝という日本のよき伝統はもはや失われた」


 そう記し、患者との信頼関係が希薄になったと嘆くのは、40代の心臓外科医。高齢の患者の心臓手術を行い、

手術後の容体にも特に問題はなかったが、帰宅した患者が数日後に突然死すると、

医療ミスを疑う家族から何度も責められた。


 治療に自信があっても『裁判を起こされるかも』と不安にかられる。


こんな状況なら、開業医になって面倒な患者は病院に送りたいと思ってしまうのも当然」と医師はつづった。


 病院に勤務する50代の整形外科医も、救急外来の85歳の男性が帰宅後に急死したケースで、


家族から訴訟を前提に怒りをぶつけられた体験を記した。



「昔は家族からあれほど一方的に責められることはなかった」


とこの医師は振り返る。



 一方、患者側からは医師の「プロ意識」について疑問の声が上がった。


 医学生の息子を持つ東京都の塾経営、木下茂樹さん(57)

「連載を読んで医療上の過失で医師が逮捕されたケースが4件しかないと知り、驚いた。

過酷な勤務状況は分かるが、プロである以上、『精いっぱいやりました』ではすまないはず」と主張する。


 連載では、小児科や産婦人科の医師不足にも触れたが、都内の女性(52)は

「多額の税金を使って医師として社会に育てられているのに、


困っている患者が多い診療科を選ばないのは疑問」と記した。




「月6回の当直程度で(大変だからと)医師をやめてしまうのか」


「『ありがとう』の言葉がないからくじけそうになるというのは、ひ弱すぎる」


などの声も目立った。



 医師からの提案もあった。

「医師免許更新制度により国民の信頼を得る」

「国立大を卒業した医師には診療科の選択に制限をつけ、不足がないよう定員 枠を設けるべきだ」などの指摘のほか、

「(国が計画する)『総合医』を支援し、夜間休日の診療を担う人材を育てよ」という意見もあった。


 「信頼関係を築く努力を、患者側も医療従事者側も怠ってきた。双方の怠慢だ」。

札幌市の主婦(37)は今の医療不信の根をそう分析する。


神奈川県 の病院勤務医(36)は、専門分化された病院で患者がたらい回しされる現状や、すさんだ医師と患者の関係を

嘆きつつ、こうつづった。


「今必要なのは他者へ の思いやり。まず自分が、できることから実行していきたい」


2007年5月12日 読売新聞)


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前半の医師の話は、気持ちがよくわかります。

どの医師も、患者のモラル低下に悩んでいると言うことです。


患者のモラル低下、知識不足。


それは、後半の患者側の意見に如実に再現されています。

本当に理解しがたい意見が目に付きます。


プロである以上、『精いっぱいやりました』ではすまないはず


とおっしゃられる塾講師の木下さんは、

医療がどういったものかを全く理解されていない


医療の不確実性、精一杯頑張っても手に負えない病気、病態というものが存在する

厳然たる事実を知らなさすぎです。



例えて言うなら、

木下塾では、生徒は全員が志望校、いや一流進学校に全員合格するはずで、

不合格なら、プロである以上「精一杯教えた」では済まないはず、と言うことになると思いますが・・・・。


木下講師、

どうみても自爆コメントです。


本当にありがとうございました。





都内の女性(52)は

>「多額の税金を使って医師として社会に育てられているのに、


>困っている患者が多い診療科を選ばないのは疑問」と記した。



この、医師育成には多額の税金がかけられてる、


一説によると、一人に対して一億円ヽ((◎д◎ ))ゝかけられているという話ですが、



本当にそうでしょうか?



私は医学部でそんなにお金をかけられた覚えがありません・・・。



・・・実は、この話は都市伝説だとネットでは結論されています。



その詳細は長くなるので次回の記事にしてまとめまるとして、


結論だけ書きます。



いくつかのサイトで調べたところ、


・一人の医師を育成するの一億円もかかっていない。

・6年間で2000万円~3500万円の経費。

・教育費のみでは300万円~700万円

という数字が見られます。


どうやら国からの補助金はそのまま大学病院や、研究施設の維持費に回っているようです。





でも、この「医の現場 疲弊する勤務医(5) 開業医へ逃げたい」の記事でも

この一億円話が、まことしやかに書かれています。


日本私立医科大学協会によると、医師1人を育成するのに約1億円かかり、税金で賄う部分も少なくない。

>そんな医師たちに社会は何を求め、どう支えるか。



税金からの援助は、ほとんどが付属病院や研究施設に使われているわけで、

医師の育成にのみ使われているのではなく、

大学病院で働くすべての職種の方、


ひいては、

研究によって恩恵をもたらされてきた患者の為に使われてきたお金のはずです。




記事は

「医師育成に一億円かかっていて、税金が少なからず投入されている」

とあいまいに書いて、

あたかも一億円の税金投入で医師育成を行っているという風に感じさせますが、

実際は医師育成に一億円もかかっていないし、税金の投入額も多くなく、

少なくとも一億円の税金が支出されているというのは全く違いますし、


あくまでも間接的な援助に過ぎないものです。



それが、敢えて「医師育成の為の大量血税投入」という論調がマスコミで使われ、

今でも都市伝説になって世間に広まっているようです。



何故か?



税金で育成された医師は、国民の奴隷として扱っても構わない、


と言う意識を啓蒙する、マスコミプロパガンダの一環と考えられます。

で、実際そんな意見がネット上でも散見されます。



この「疲弊する勤務医」のシリーズは医師よりの記事だと思っていましたが、

油断すると、こんな感じです。

おそらく、この記事の記者も都市伝説を信じて書いただけなのでしょう・・・。

悪気は無いかもしれませんので、メールなどできたら質問してみたいと思います。



けれども、こんな都市伝説がまかり通っている為に、


困っている患者が多い診療科を選ばないのが疑問


と、憲法違反じみた発言が堂々とされる訳なら、これも世間の非常識として

告発しなくてなならないでしょうね。




> 「月6回の当直程度で(大変だからと)医師をやめてしまうのか」


当直の大変さが、全く世間に知られていないんですね。



本当にブログの力の小ささと言うものを痛感させられましたOTL



過労の螺旋 を生じて、医師が過労死している問題は無視ですかそうですか・・・。


こんな乱暴な意見を持つ方には、

この記事を読んでから同じ事が言えるかどうか聞いてみたいものです。

 ↓

患者のモラル低下の実態とは?~24時間コンビニ受診って?~




> 「『ありがとう』の言葉がないからくじけそうになるというのは、ひ弱すぎる」


まあ、ここまで無神経になれるほど、日本人の他人を思いやる心とか良心とかが死んでしまったのか、

と、まったく脱力してしまいますね・・・OTL


首相が「美しい国、日本」を作りたいと言い出すのも、無理の無い事です・・・。



結局、患者側の言い分は、世間の非常識、モラルの低下を露呈し、

図らずも当ブログの存在意義を再確認させられた、そんな内容で、

でも本当にガッカリさせられた記事でした・・・・。

 




もういい加減国民の皆様は、政府、マスコミ主導の医療崩壊のに振り回されるのはやめて、


どうか自らの知識と常識を見直してもらえませんか?


・・・当ブログは、そんなあなたのサポートブログです。(^-^)/