国民の権利意識が高まってきた昨今、

言いがかりのような裁判が起こされたりして、

それらをトンデモ裁判と呼びます。


そして、裁判では信じられないような判決が出たりします。

それを、トンデモ判決と呼んでいますが、

またまた聞き捨てならないトンデモ裁判で、トンデモ判決が発生しました。

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加古川市に3900万円賠償命令 心筋梗塞の男性死亡

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200704100041.html

2007年04月10日

 兵庫県加古川市の市立加古川市民病院で03年、急性心筋(しんきん)梗塞(こうそく)で運ばれた男性が死亡したことを巡り、医師が効果的治療が可能な病 院への転送を怠ったのが原因だとして、妻ら遺族4人が同市を相手取り、慰謝料など計約3900万円を求めた訴訟の判決が10日、神戸地裁であった。


橋詰均 裁判長は「効果的な治療を受けていれば90%程度の確率で助かった」


として、請求通り約3900万円を支払うよう同市に命じた。


 判決によると、男性(当時64)は03年3月30日、自宅で心筋梗塞の症状が出たため、午後0時15分ごろ、妻が同病院に連れて行っ た。担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と診断して点滴を始めたが、症状が変わらないため、同1時50分ごろ、効果があるとされる経皮的冠動脈再建 術(PCI)が可能な同県高砂市の病院への転送を要請した。

 しかし男性の容体は悪化し、同3時35分ごろに加古川市民病院で死亡した。判決は「約70分も転送措置が遅れており、医師に過失があると言わざるを得ない」とした。

 樽本庄一市長は「非常に厳しい判決と受け止めている。今後の対応は判決を検討して判断したい」とコメントした。





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もはやこの稀代のトンデモ判決は、永遠に歴史に刻まれるだけでなく、

当該地域の医療崩壊を生じさせている事は間違いない事実のようです。


いくつかのブログで既に取り上げられ、批判されている判決ですが、

当ブログでも拡散に協力いたします。


参考記事では、内部からの情報も記載されており、非常にわかりやすく説明がなされています。



参考記事


健康、病気なし、医者いらず
加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実

http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-182.html




内容を読めば、医師の行動は全く問題ありません。

どこがどうなれば、70分間転送が遅れた事に責任があるのか?

転送先を探したものの、何箇所にも断られてようやく決まって転送する先が見つかった時、

急激な容態の変化で亡くなられた訳です。


裁判官は、もっと早く見つけて搬送する義務が医者にあったと言っている訳ですが、

それは、どうすればできますか?

どうか教えてください、裁判官様。


頑張って探して、70分です。

何軒も断られた後としては、診断から転送まで70分というのは決して長くない時間です。

その間も持たなかった病状の急激な変化は、全く医師の責任ではありません。


まったく無茶苦茶言うなよ!って感じです。


そもそも、90%は生存できたはず、とか全く何処から沸いてきたのか、と思うと、

急性心筋梗塞で緊急のカテーテル治療が行われた場合、生存率が90%だという所からです。


あきれてものが言えません。


容態が持ちこたえた人が治療を受ける事ができて、その生存確率が90%なんです。

この数字は、この患者のように容態が持ちこたえることができずに、

カテ治療を受ける前に亡くなる方を除外した上での確率
な訳です。



裁判官は文系で数字は苦手だったんでしょうけれど、数字音痴にも程があります。



ななみに、同様の数字音痴の判決を過去記事でとりあげていました。

この記事↓

健康診断で癌を見落とすと、賠償請求


あ、東京地裁の藤山裁判長だったw




・・・話は戻りますが、カテーテル治療を受けるまでには、必ず時間がかかります。

そこまで容態が持つかどうかは、患者の運命です。


それに対しても、担当医師はきちんと

心不全治療薬、抗不整脈薬を使用
して居いた訳ですから、

治療責任も全うしています。


それでも持たなかったのは、

それはもうどうしようもない患者の運命としかいいようが。ありません


運命論を語らずとも、少なくとも医師の責任ではない事は明らかですが・・・。



結局、この裁判官は、

心筋梗塞で患者が亡くなる前にカテーテル治療を受けさせる事が出来なければ、

担当医師は賠償責任がある

とした訳です。






・・・加古川市長は、必ず控訴してください。

そして、高裁で絶対に逆転判決を得てください。


でないと、

胸痛と主訴とした患者は、

循環器専門医以外は事実上診察できなくなります。


現病歴から肋間神経痛であろうと、軽い打撲であろうと、筋肉痛であろうと、

ひょっとして心筋梗塞かもしれない、と医師が感じれば、

専門医が見つからずに急に容態が悪くなったら訴えられて3900万円の判例がある訳ですから、

最初から循環器専門医へかかってもらわねばなりません。



・・・冬場は大変です。

風邪をこじらせて咳が長引いた人は、それだけで胸痛を訴えるます。

それらがすべて循環器専門医へ、最初から診察を依頼せねばならない訳です。



多くの患者が循環器へ殺到し、循環器医療は負担増加により崩壊

結局、循環器病患者への医療の質がますます低下し、

折角カテ治療の生存確率を90%に上げたものが、

この判決のお陰で下がるという憂き目にあうかもしれませんよ。