とうとうこの話題を書く日が来ました・・・。
私がこのブログを始めた理由のひとつとなる話題であると言えます。
それは、若い医師の過労死です。
私の身近で4人の若い医師が過労が原因と思われる死を迎えました。
本当にショッキングな出来事でした。
みな30才前後の若さです・・・。
そのうちの一人は、一緒にゴルフに行ったり、当直のイロハを教えてくれた先輩でした。
緊急手術を必要とした患者を私が初めて受け持った時には、
何も言わずに一緒に泊り込んでくれた、頼りがいのある先輩でした。
毎日昼夜を問わずに手術や当直に明け暮れるという、バイタリティーにあふれる若き医師でした。
・・・これから専門的に頑張って、という時に、心臓麻痺で急死しました。
過労が続いた挙句、当直のアルバイトに行き、
当直の明けた朝に大学病院へ戻ろうとしていて、急に倒れたと聞きました。
葬式では、白く冷たくなった先輩の頬を触りながら、涙が止まりませんでした。
私は結婚の報告を先輩にしようと思っていたのが、出来なくなってしまいました・・・。
ある一人は後輩でした。まだ20代でした・・・。
医者になって間もない研修医でした。
黙々と仕事を引き受ける、男気のある後輩でした。
ある日、朝から手術を12時間近く担当した直後に、
夜間救急患者の緊急手術の手伝いをしてくれていました。
私が「朝から休みなしだろ。疲れてるだろうから、休んだほうがいい。」と言ったのに、
『いえ、手伝います。』と一言だけ答えて手伝ってくれていたのが、忘れられません。
結局、休めたのは朝の4時で、それまで一緒に頑張ってくれました。
・・・その2日後の朝に、一人暮らしの部屋で亡くなっているところを発見されたと聞きました。
・・・3人目も後輩でした。20代の若さです。
大学病院での研修に熱心に取り組んだ末、過労が重なり
心臓麻痺で亡くなっているのを発見されたと聞きました。
・・・4人目は大学時代の先輩でした。
当直明けで車を運転中、単独事故で亡くなったと聞きました。
車で真っ直ぐ突っ込んで壁に激突していたということですから、
居眠りをしていたと思われます。
私も当直明けは常に居眠り運転しながら、大学に出勤していましたから・・・。
責任感あふれる小児科医師で、過労から自殺された中原先生のことがHPで伝えられています。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/
中原先生も、先にあげた過労死した医師も、真面目で責任感が強く、
自分の体の事よりも仕事を優先してしまうような人達でした。
「いい人間から順番に、神様の下に召される。」
なんて皮肉な話を聞いたことがありますが、その通りのようです。
しかし、私は思います。
亡くなった方はみんな、現在の医療事情の犠牲者です。
彼らの死を礎として、今、医療制度の問題があからさまになってきています。
・・・残された者として、現場の生の声を伝えたい、と私は思いました・・・。
どうしても感傷的になってしまう内容なので、うまくまとめることが出来ません・・・。
<ダメ医者からのお願い>
医師を過労死に追いやるのは、明らかに医療制度に問題があっての事ですが、
医者の過労を防ぐために、患者の時間外受診に対する理解と協力もお願いします。
医者を殺さないでください。
現実に目を背けない為にも、クリックをお願いします。
<以下、当時のコメント>
死ぬほど当直している医者がいる一方で、全くしない医者がいるのも問題です。
いろいろ理不尽なことが多いので臨床を辞めようかなと思うこともしばしばです。
>しょちょうさん
nice&コメントありがとうございます。
臨床どころか、医者を辞めたくなったこともしばしばです。
僅かながらの私を頼る患者さんの存在によって繋がれています。
お互い、死なない程度にやっていきましょうか。。。
はじめまして。 リンクからおじゃましました。
患者として、医師の方々が過酷な労働条件で、辛い経験をされていると知ると、
その都度胸が痛みます。 お 世話になっているものとしても、やはり同じ人間ですから、
医師として、ベストを尽くせる環境で働いていただきたい、とつくづく思うのです。
頑張って、と 言いたいような、言えないような。
どうか先生、倒れないでいつまでも私たちを診ていてくださいね、
と今年定年された先生にお伝えした事を思い出しまし
た。
はじめまして。ご察しのとおり、現在の医療は危ういバランスの中で行われています。
それを少しでも伝えたいと思います。
娘が3年前に脳腫瘍を発病。9ヶ月あまりの闘病生活を送りました。
その時にお世話になった病院の先生方は休日夜間を問わない急な呼び出しなど
過酷な勤務をこなしてみえました。とくに急患の多い冬場は大変そうでした。
病 院によっては急患の少ないところもあると聞きました。もう少し救急の患者さんを
分散できないものなのかといつも思っていました。
娘は残念ながら 2年前になくなってしまいました。
やっぱりまじめでとっても頑張りやさんでした。ちょっとわががままな天使のような子だね。
といわれたこともありました。まじめで責任感が強くいい人ほど早く天に召される と言う言葉
ほんとにその通りに思えてきます。
>はるママさん
大変なご苦労をされたんですね。心中お察しします。
結局少数のまじめな医師に大きな負担を強いているのが現在の救急医医療の問題点であり、
過労死や医療事故の原因となっていることから、厚生労働省も制度の改革に乗り出しつつあります。
私は、制度に頼るだけでなく、個々の患者の医療知識やモラルの向上を図ることも必要だと
考えてこのブログを書いています。
娘さんのご冥福をお祈りいたします。