ニュースの扱い | dmoz エディタ日記 - ODP (Open Directory Project) 日本語階層

ニュースの扱い

dmozにはニュース 階層なるものが存在していて、ニュースやメディア関連の話題を扱っていますが、今回取り上げたいのは個々のニュースそのものの話です。


英語階層では、時事問題のカテゴリが比較的気軽に作られることがあります。最近の例ではHurricane Katrina 。このように、何か大きな出来事があって、それについてのウェブサイトを収集・整理したいと誰かが強く思ったら、適当な場所を見つけてその出来事についてのカテゴリを作ることも不可能ではありません。


このような特定の事件を扱ったサイトは一般に長続きせず、せっかくカテゴリを作ってサイトを集めても、1年もしないうちに次々とリンク切れになる可能性は高いといえます。そのコストと見返りを考えると、時事問題にはなかなか手が出しにくいわけですが、ODP自体に「時事問題は扱わない」というポリシーがあるわけではないということが、上で紹介した英語階層のカテゴリからわかるでしょう。


日本語階層には、しかし、日々起こる事件をうまく整理できるようなカテゴリ構造がまだ整備されていないという問題もあります。たとえば上のハリケーン・カトリーナの例ですと、日本語階層にはそもそもハリケーンを扱うカテゴリが存在しません。それ以前に、日本人にとってはもっとなじみが深い台風を扱うカテゴリもない。


もちろん、ハリケーンや台風のカテゴリがないからといって、ハリケーンや台風を扱っているサイトを収容する場所がない、というわけではありません。現時点ではWorld/Japanese/科学/自然科学/地球科学 の下の「気象学」または「自然災害」が置き場所として適しているようです。このあと、「気象学」の下に直接、または"Weather_Phenomena "に対応する「気象現象」みたいなのでワンクッション置いて、「ハリケーン」なり「台風」なりを作り、「自然災害」からそれらに向けて@リンクを張ってやればよいでしょう。


とまあ、そういうことを考えながらカテゴリ構造を育てていくのはODPエディタの重要な仕事の1つです。上のパラグラフに書いたようなことがなぜいま行われていないのかというと、それは単に、それをやる人がいないから。なぜこの私がやっていないのかというと、日本語階層全体を見ている私には、他にも重要な作業がたくさんあって、手が回らないから。


ただし。このウェブログの今回のエントリで、私がハリケーンと台風を話題として取り上げたことの背後に、「世界ではこういうことが起こっているな~」という漠然とした意識があったことはたしかだし、このエントリを書いたことで、ハリケーンと台風のカテゴリがないという認識が強まったことも事実です(カテゴリがないことはもちろんずっと前から知ってましたよ。そもそも「自然科学」の下に「地球科学」なるものを作ったのはこの私なんで)。


それと同じように、クリスマスが来るたびに、祝日関連やキリスト教関連をなんとかしなくちゃと思い、大きな選挙があるたびに政治関連をなんとかしなくちゃと思い、2月になるたびに税金関連をなんとかしなくちゃと思う。


このように、ODPのディレクトリは、「サイトの推薦」というメカニズム以外にも、エディタの心を媒介として、たしかに外の世界の出来事やサイクルの影響を受けて発展していっているようです。