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DJ H!ROKi Blog

Hip Hop DJ / Vinyl DJ / Tokyo, Japan

 先月の終盤から東京も涼しくなり、ようやく秋を実感できるようになった。以前は日の入りが早くなるにつれて過ぎ去った夏に後ろ髪を引かれる思いだったが、酷暑が続くここ最近は快適な季節を迎える喜びのほうが遥かに大きい。一年の中でも最も動きやすい時期なので、良い音を届けられるようにしっかりと音楽に取り組んで行こうと思う。

 

 9月は5日(土)に三軒茶屋32016、19日(土)に下北沢LIVE HAUS、そして26日(土)に渋谷FAMILYでDJでした。5日は先月の記事でも書いたけれど、レゲエとヒップホップのセレクター/DJが交互に回すというイベントで、どちらのファンも混在する雰囲気がとても面白かった!

 

 19日は楽しみにしていた下北沢LIVE HAUSでの初プレイ。ロケーション、雰囲気、そして音もバッチリ!素晴らしい環境で楽しくDJできました!この日はSMOKIN' IN THE BOYS ROOMのACE君が主宰するレーベル、KLOVAL RECORDSのイベント。馴染みのメンツが久し振りに揃い、オープン直後から良い感じのテンションで楽しい夜でした!個人的に印象的だったのは、2番目に登場したDJ TERUのプレイ。様々なジャンルの新譜をCDでプレイするというスタイルもオリジナルだし、何より選曲が最強!ヒップホップ好きが反応する音楽の系譜を踏まえた選曲眼が本当に素晴らしいです!多種多様なサウンドをしっかりビートキープしながらミックスする彼のスタイルは、創意工夫の無い選曲と繋ぎとを繰り返すだけのDJに見習ってほしいです。そして回鍋肉のライブも凄かった!オリジナルなスタイルを全力でぶちかまし、観客の記憶に爪痕を残すという姿勢!パフォーマーにとって必要不可欠な事をステージ上で示してくれる彼のような存在こそ、今のヒップホップシーンにとって一番大切だと思います。俺も大いに刺激を受けました!

 

 翌週の26日は渋谷FAMILYでGIANT。7月に引き続き、バー営業の形態でMixcloudによる生配信を行うというスタイルでの開催でした。ゲストはKLOVAL RECORDSからアルバムをリリースしたZoologicalpeaK(ズーロジカルパーク)。配信開催2回目ということもありイベント全体の流れも掴めてきて、19時のオープンから終電ギリギリ24時頃のクローズまで、終始良い雰囲気でした!俺はライブが終わった22時頃からラストまで2時間近くプレイ。新旧やメインストリーム/アンダーグラウンドのヒップホップ、それからR&Bや最近のファンク/ソウル寄りの歌物など色々とプレイしたけれど、どれも反応が良くて本当に楽しかった!GIANTの良さ、渋谷FAMILYの良さを再認識した夜でした!

 

 9月に出演した3つのイベントは、コンセプトやお店や街や客層がそれぞれ異なっていて、様々な環境の中でDJすることの楽しさや喜びを再認識する貴重な1ヶ月になりました!声を掛けてくれたTOSHIさん、ACE君、MELさん、三軒茶屋32016 a.k.a.梅ちゃんバー、下北沢LIVE HAUS、渋谷FAMILYのスタッフの皆さん、各イベント出演者の皆さん、そしてそれぞれの場所に遊びに来てくれたり、配信をチェックしてくれた皆さん、本当にありがとうございました!

 

 今月決まっているのは今のところ1本のみです。

 

 

10/4(日)18:00〜 Flexible @渋谷UNDERBAR

 

 偶数月第一日曜日の夕方〜よるに渋谷UNDERBARで開催しているFlexibleが本日18時から開催です!ヒップホップを軸として活動しながらもオープンマインドなアーティストばかりで、その自由な感覚がフロアにも伝わって居心地の良い雰囲気のイベントです。終電までの時間帯での開催なので、朝までのイベントには行けない方は是非とも遊びに来て下さい!そして以下URLで生配信も実施しているので、時間的/距離的に足を運べない方は是非配信をチェックして下さい!

 

https://www.twitch.tv/shibuyaunderbar ( Twitch)

 

 

YEARS OF THE DOG (戌年) (1994, 2006 & 2018) HIP HOP, R&B Mix (2020-09-30) (Mixcloud)

 

 最後に先月公開したミックスについて紹介です。今年4月から毎月公開しているリリース干支縛り企画の6回目、戌年ミックスを30日にアップしました。今回は1994年、2006年、2018年と、大豊作の年ばかりで、これまでのミックスと比べてもかなりキャッチーな内容になっています。コアなファンだけでなく入門編としても楽しめると思うので、是非とも聴いてみて下さい!

 

 季節の変わり目なので体調管理には気をつけて、実りの多い時間を過ごせますように!

 9月。近年の東京は7月から9月いっぱいまでの3ヶ月間が夏という感じで、昼間はまだまだ暑い日が続いている。それでも朝晩は一息つけるくらい涼しくなってきたし、昼間の時間もだいぶ短くなってきた。むかしは日が短くなるのが寂しく感じたけれど、最近は家に篭ってレコードをじっくり聴ける季節がやってきた喜びを感じる。大変ありがたいことに、新型コロナウイルスの蔓延下にあっても新譜のレコードのリリース量は衰えなかった。アーティスト、レーベル、ディストリビューター、プレス工場、流通、小売店など、それぞれの場所でいろんな問題があったと思う。難しい状況の中でレコードや音楽を提供し続けてくれている全ての方々に改めて感謝したい。そしてレコードを大勢で楽しめる空間もいち早く再開できるために、自分自身何ができるのか考えていきたいと思う。

 先月後半は22日(土)に相模原のDJバー、CLINKでDJでした。昨年オープンしたばかりで、まだまだこれから発展していく余地のあるお店という雰囲気!地元にこういう場所があるのは本当に財産だと思います。いろいろとイベントも開催しているので、お近くの方は是非チェックしてみて下さい!去年のNoughtiesに続いて誘ってくれたサトル君をはじめ、お店のスタッフ、出演者、そして遊びに来てくれた皆さん、ありがとうございました!予想はしていたけれど、翌日までなかなかのダメージが残りました(笑)

 そして先週末の9月5日(土)は、三軒茶屋32016で行われたイベントDELTA DREAMに参戦。レゲエのセレクターとヒップホップのDJが2人ずつ出演し、両ジャンルを交互にプレイするスタイルで、普段出演しているイベントとは異なる客層ということもあり、新鮮で刺激的な夜でした!三軒茶屋のレトロな歓楽街を見下ろすロケーションと、小箱ならではのアットホームな雰囲気も素晴らしかった!誘って頂いたTOSHIさんをはじめ出演者の皆さん、イベントやお店のスタッフの皆さん、そしてプレイにじっくり耳を傾けたり身体を揺らしてくれたお客さん、本当にありがとうございました!

 今月中旬から10月上旬にかけての予定です。

 

 



9/19(土)23:00〜 KLOVAL CAMP @下北沢LIVE HAUS
9/26(土)19:00〜 GIANT @渋谷FAMILY
10/4(日)18:00〜 Flexible @渋谷UNDERBAR

 3週イベントが続くように、徐々に現場でプレイする機会も戻ってきています。各イベントのオーガナイザーやお店のスタッフの皆さんに改めて感謝!19日は町田を拠点に精力的な活動を展開しているレーベルKLOVAL RECORDS主宰のイベント。今回は下北沢LIVE HAUSでの開催!ここで回せることが本当に嬉しいし、とても楽しみです!リリースライブを行うZoologicalpeaKを筆頭に出演者も猛者ばかり。間違いなく熱い夜になると思います!26日は渋谷FAMILYにてGIANT。前回7月に続き、今回も19時〜23時にライブ配信を行います。この日もZoologicalpeaKの参戦が決定しています!そして10月4日は18時から渋谷UNDERBARでFlexible。こちらは配信も行いつつ、来店も可能なスタイルでの開催です!日曜日の夕方からなので、自宅でゆっくり楽しむのも良いし、現場で大きな音で楽しむのも良いと思います。まだまだ終息には程遠い状況だし、皆それぞれに置かれた状況や考え方も違うと思います。自分なりのスタンスでイベントやヒップホップや音楽を楽しんでもらえたらと思います!

 

 最後に先月アップしたミックス音源を改めて宣伝!

 

 

YEARS OF THE ROOSTER (酉年) (1993, 2005 & 2017) HIP HOP, R&B Mix (2020-08-25) (Mixcloud)

 

 今年の4月から毎月公開している干支縛りミックスの5本目です。今回も気持ち良い流れに仕上がりました!本当にたくさんの娯楽に溢れている中で1時間を割くのはなかなか大変かもしれないですが、最後まで聴いたからこそ楽しめる内容になっているという自負があります。まだ聴いていない方は是非ともチェックして下さい!

 

 色々と大変な状況やネガティブな話題は続いているけれど、それぞれが良い秋を迎えられることを願っています!

 

 カナダのプロデューサーチームDa Grassrootsがリリースした最初で最後のアルバム。Da GrassrootsはMr. Attic、Mr. Murray、Swiftの3人組で、1995年にリリースしたシングル"Drama"でデビューを果たした。この"Drama"の中で、彼らは「どうぞ2枚使いして下さい」と言わんばかりの楽曲の構成、洗練されたサンプル、そしてそこに組み合わせる声ネタのセンスの良さ(Beastie Boys)という絶妙のコンビネーションを繰り出し、イントロが始まって僅か10秒でヒップホップファンをノックアウトしてみせた。リリース直後から大きな話題となったこの曲は、25年経った今もなお多くのDJにプレイされ続けている。間違い無く90年代のアンダーグラウンドヒップホップを代表する名曲の一つと言えるだろう。

 

 そんな彼らが満を持してリリースしたフルアルバムが、このPassage Through Time (1999) だ。作品にはカナダから10組を超えるアーティストが参加し、カナダのヒップホップのコンピレーション的な作品となっている。そのためか、ビートだけでインパクトを与えるというよりは、どの曲もラップを軸に据えた仕上がりとなっている。楽曲の構成だけでなく、サンプリングソースのチョイスやビートの鳴りも控えめだ。いずれの楽曲もインストだけでは"Drama"のような強い印象は残らないだろう。だが、自らを脇役に据えるという方向性が作品全体に統一感をもたらし、結果としてアルバムが高い評価を得ることに繋がったのだと思う。

 

 サウンド面では、全体的にジャズやそれに近いジャンルと思われる音源からのサンプルが多く、その点では、ちょうどこの作品がリリースされる時期に活動を始めたSound Providersにも通じる部分がある。彼らの作品群とこのアルバムを聴き比べると、自分達のサウンドを全面に押し出すSound Providersとのスタンスの違いが感じ取れて面白い。

 

 また、シングルカットされた"Price Of livin'"と、同じサンプリングソースを用いているSoul Scream "君だけの天使"との聴き比べも楽しい。メロウで心地好い極上のネタだけど、"Price Of Livin'"はかなり引っ込んだ感じで鳴っていて、ラップの邪魔にならないよう心掛けている印象を受ける。”君だけの天使”では、このメインループの鳴りがより強調されているが、だからと言って決してネタ頼みではなく、楽曲の構成に合わせた展開が上手くはまっている。プロデュースはRhymesterのMr. Drunk (a.k.a. Mummy-D)。Da Grassrootsに先駆け1996年にリリースされた。

 

 残念ながら、このアルバム以降Da Grassrootsの作品はリリースされていない。個々の活動としては、この作品で最も多くの楽曲を手掛けたMr. Atticが、その後TermanologyやToraeなどのアルバムに参加している。また、メンバーのSwiftは一昨年2018年の7月に癌で亡くなった。

 

 


Da Grass Roots Music - Drama feat. Elemental (1995) prod. by Da Grass Roots Music

 

Da Grassroots - Thematics feat. Arcee (1999) prod. by Mr. Attic

 

Da Grassroots - Price Of Livin' feat. Mr. Roam From The Plant (1999) prod. by Mr. Attic

 

Soul Scream - 君だけの天使  (1996) prod. by Mr. Drunk