DJ Rashadが遂に待望のアルバムをリリースしました。
DJ Rashad - Double Cup 全国CDショップにて発売中
今なら日本盤の特典として買っていただいた方にこちらが付きます。
"DJ Rashad 1998-2013 mixed by D.J.Fulltono"
*Not for sale. Promotional use only.
写真: タワーレコード難波店
トラックリストが欲しいという声もいただいたので、頑張って書きました。
良かったらこれを参考にディグしてみてください。
Track list
01) DJ Thadz / Child Abuse (written by DJ Rashad) / Dance Mania
04) DJ Rashad / Hard Drive / Juke Trax
05) DJ Rashad DJ Chi Boogie / Can't Foot Work / Juke Trax
18) DJ Rashad / Guess Who Stepped In Tha Party / Bang Tha Box
この企画のお話をいただいた際、嬉しいの反面、正直悩みました。
そう、お察しのとおり、ちょっと出しゃばり過ぎ?ということです。
でも、ラシャドの才能を日本に伝えたいと今までずっと思ってやってきたし、そのラシャドがやっと大衆の人に聴かれるチャンスがやってきたし、多分僕が一番長くラシャドをプレイしてきたし、少しでもリリースに貢献できるならやるしかないという思いで引き受けました。
で、MIXを作るならあれをやるしかない!と思って、ひとつコンセプトを打ち立てました。
ラシャドのデビューから現在に至るまでの歴史を紹介するミックスを作りたいと思いました。
しかし、この特典には条件がありました。ハイパーダブ公認でないといけないということです。
ハイパーダブはラシャドの今の音を紹介するものを求めているかもしれない。
でも、歴史を遡り、ひとつのストーリー(波乱万丈列伝的な)として聴いてもらうことで、この先のラシャドがどう変化していくかということへの関心も興味深く追いかけることができるのでは?弱冠後付けに聞こえますが、ホントにそう思って選曲に取り掛かりました。
曲を選ぶにあたって絶対やりたかったのが、1曲目にDance Maniaから98年にリリースされたラシャドのデビュー作品を入れるという事。しかし実は、それを僕自身持っていなかったので、Dance Maniaと言えばのD.J.Kuroki Kouichiにお願いして譲ってもらいました。
そして節目節目で重要と思われるトラックを中心に、なるべくリリースされた順番に組み立てていきました。でもやっぱ重要なのは、変則ビートを多用し始めた時期から今に至るまでだと思うので、最初の方はちょっと展開が駆け足になってます。でも自然とゲットーハウス~ゲットーテック~ジューク/フットワークという流れができました。
特に聴いて欲しいところを1つピックアップすると、5曲目の「Can't Foot Work」(CDでは4:43位)の部分です。今では定番になったフットワークビートに欠かせない固いスネアがここで入ってきます。そして、2拍目のクラップが消えた瞬間、今まで支配されていた反復的なビートから開放されます。
ゲットーハウスからジュークに移り変わる97年頃は、ハウスという基盤がありながらも、反復的なビートに囚われない開放的なビートが特徴でしたが、当時世界はそこに着目しなかった。なので地元シカゴのジュークシーンと世界のダンスミュージックとの価値観が一気に開いた。だから世界のシーンからフェードアウトしたのではないかと予測します。そこで当時勢いのあったデトロイトのゲットーテックシーンと融合するのですが、ゲットーテックはエレクトロを基礎としたビートなので、2拍目のスネアもしくはクラップが必ず入っていたのでそれに合わせる形でジュークはなんとか存続できていた。でも地元のみで新しいビートがどんどん生まれていた。この5曲目の「Can't Foot Work」ができた頃は恐らく地元で物凄く新しい動きがあったんだと思う。(07年~08年位のYoutubeを見ると大きなフロアに人がアホほど入って盛り上がってるんです。)その勢いが一瞬垣間見れる瞬間。そうです、2009年のビート激変の予兆(このCDで言うところの18:10位の「Bitta My Space」の流れ)がこの曲にはありました。今改めて考えると、このシカゴの変貌と、デトロイトのシーンの終息の時期がちょうどクロスフェードしてるんですよね。ラシャドは完全に狙っていたんだなと。昔ある企画でラシャド本人に個人的にチャートをお願いした際、この曲を1位に挙げていたので、その意味が今やっと分かりました。
あと書きたいこといっぱいありますが長くなるのでこのくらいに。ラシャドの歴史については、本編アルバムを買って、僕とD.J.Aprilの話や、ラシャド本人のインタビューを見ていただければと思います。何より音聴いていただければ納得していただけると思います。
最後に、この特典MIXで1つ、僕はある重大なミスを犯しています。それはトラックリストを見ていただければ分かると思います。
てなことで、唐突ですが、今日からブログ再開です。
1年以上空いてしまったブログ再開させるには、1つの記事に30分くらいサクッと書くって決めてたのに、初回から5時間くらい掛かってますね。やっぱり人って変われないもんですね。
D.J.Fulltono
bootytune.com