日米経済摩擦を笑い飛ばす「ガンホー」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

八十年代、アメリカにおける自動車会社の凋落と日本の輸入車の台頭に、時ならぬ

バッシングが拡がり、テレビ・メディアで日本車が壊されたりと自動車関連の従業員

から批難され、輸入規制やら経済報復を受ける事態になったなんてことがあった。

そんな自動車を巡っての日米対立を、いや文化も含めた対立を風刺を利かせて

描いたのが、この「ガンホー」である。



gung ho

http://jp.youtube.com/watch?v=d8B4kL09Sc0

「ガンホー」 八十六年劇場未公開作


http://jp.youtube.com/watch?v=V_gLOUbQZgk&feature=related

「エンディング・シーン」


自動車不況から失業が酷いアメリカの田舎町で、日本の自動車産業誘致に賭ける男と

日本の自動車メーカーの若手責任者の文化的・民族性を対比して、それを面白おかしく

魅せていた。

で、この映画、日本未公開なのだが、ビデオは販売し今ではDVDも販売と、見る機会は

増えたが、なぜ公開しなかったのか・・・。

まぁ、描かれている日本のおかしなところも一理あるが、やはりモデルの自動車メーカー

「アッサン」にあるのではないか・・・。

日産自動車をもじっているのは分かるし、その漢字までが酷いとなるのだが、ただアメリカ

では「DATSON」というブランドで販売され、トラックでは丈夫で壊れないと評判はいいし、

このブランドは親しまれた・・・。

しかし日産は社名をダットサンとすることなく、そのブランドは捨てている・・・。

日産を起業した三人の頭文字と、その息子たちという願いが込められていた「ダットサン」

ここらもアメリカでは批判されると勘ぐれば、ニッサンでなくダットサンがアメリカでは名が知

れていて、その文字をもじったと考えることも出来る。

だけに日本的生産方式に反発する従業員達が、いつしかしっかり日本式に慣れ親しんで、

それまでの非効率を改善して、効率的作業に懸命になる・・・。

と、ラストは文化的軋轢や、反発が和解となってハッピーエンドとなるアメリカ的結末になり

「メデタシ・メデタシ」の映画。

コメディーに社会風刺はつき物だが、ここでは日本の奇習でもあるかのように、靴を脱ぐとか

川での行水とかが描かれて少しばかり日本を卑しめているところも散見出来るのだが、その他

ではそれ程酷い描かれ方はなく、笑って済ます・・・、第一赤いカーペットで靴を脱ぐには、笑っ

てしまう・・・。

で、今では「国辱映画」なる言葉が踊っているのだが、その前に考えるのは社名を「ダットサン」

という起業者たちの思いを踏みにじり、自動車生産にまったく関係ない人々が経理からのし上が

って経営に乗り出した時、全く特徴もなく顧客に愛着を持たせない等、グローバルという名の普

遍化に動き出したものだが、片や「トヨタ」は起業家の名を残して、またホンダもとなれば、社名

の変遷が愛着を薄れさせる・・・。

で、国辱とは「パールハーバー」みたいな映画なら、それなりに頷けるのだが、特色を強調する

だけに批判を浴びせる度量の狭さは、まるで朝鮮並になってしまって、いささか呆れ返る。

何よりこの映画、ラスト・シーンは「ラジオ体操第三」で終っているのだ。

それまでも笑いととるか、アメリカ人の日本人感化ととるかは、後者の気がするのだが・・・。

あの当時の不況に、突撃的意味の「ガンポー」を題名に持ってきたのは、労働者への応援と

とれば納得出来るのだが・・・。私にはこの映画は楽しめた・・・。

そうそう検索で「ガンホー」をしてみれば、朝鮮俳優のばかり・・・、私にすればこっちの方が

とても酷い、興味も全くない「沈没寸前経済」の南朝鮮の俳優なんて興味のある人が日本に

いるのが驚きだ・・・。


ガン・ホー
¥3,761                           といったところで、またのお越しを・・・。