七十三年公開のこの映画は、七十年の「ある愛の詩」でブレイクしたライアン・
オニールが、実の娘ティタム・オニールと共演した詐欺の笑いとほろりとした
擬似親子の別れの辛さを描くコメディ・タッチのモノクロのロード・ムービーである。
http://www.youtube.com/watch?v=WohIwBhxH6g
ひょんなことから亡くなった知人の娘を叔母の元へ届ける
役目を担った詐欺師が、その娘との珍道中時でのさまざまな出来事に
遭遇し、徐々に心打ち解けていって・・・。の最初の詐欺で車代をせびる
場面。
金を得た詐欺師が役目を放棄し、娘を鉄道で叔母の元へ追いやるべく
駅で言いくるめるが、逆に言い負かされ結局、車での旅の始まり・・・。
天才子役「ティタム・オニール」の成長の記録的編集の動画。
この映画、親子共演もあるがそれより何より、子役のフィタム・オニールの
芸達者ぶりが際立っていた。
まぁ父親という自然な環境が、演技でなく自然な動作になったと言うのも一理
はあるだろうが・・・。
にしてもこの二人の詐欺の手口は、微笑ましくも鮮やか演技指導は勿論詐欺
師が担ったんだろう。
しかしロード・ムービーの魅力は、やはり親しくない者がいつしか心を通わせる
間柄になっていく過程が分かりやすく、また徐々に主人公達に肩入れしていく
観客の心が、最後には「やっぱりな」の言葉を納得させる結末は、安心してみ
ていられる。
もっともロード・ムービーは大概成人男女、あるいは男同士ってのがたいがい
だが、これが出た当時は、親子、それも詐欺を働き食いつなぐってな設定は新
鮮だった。
昨今の日本の報道を見れば、この「ハーフ・ムーン」の似非親子だって別れが
辛いのに・・、憎しみで殺害する実の親子ってのは理解しがたいものだ。
時代は逆戻り出来ぬが、この頃のほのぼのした親子関係は、理想であるだろう
といったところで、またのお越しを・・・。