10月から多分来るであろう私の後任の協力隊員の為、

オフィスの女性同僚に手伝ってもらいながら、住める場所リサーチにでかけようと待機・・・してたんだけど、

彼女は、また理不尽な要求をたくさんされて、しかも、オフィスの問題児がまだ問題を生み出し、その尻拭いに駆け回っている・・・


悩んでたら雨足が強くなったので、おとなしくオフィスにいました。

後任への引継ぎ書類も、全然進まなーい・・・



お昼に家に返ってご飯を食べていたら、ステイ先ママがどこから聞いたのか、

今デイケアセンター(幼稚園+保育園みたいなところ。4才まで通います)の支援のプロジェクトしてるの?

って聞いてきた。口コミパワーすごいわ!


なので、とりあえず私のプロジェクトじゃなくて、とあるNGOの知り合いがオファーしてくれてるんだ、って伝えたところ、

うちの近所のデイケアセンターを急遽見学することに。



パパに連れていってもらって、デイケアセンター到着。

ちょっとシャイそうなワーカーさんが出迎えてくれました。


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昨日行ったデイケアよりも、もっとシンプルな感じだ。

てかシンプルすぎて殆どなにもない。


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数少ない教材の中に、聖書関係の本がありました。さすがだー


データ

名前:Barangay San Jose Daydare Center

子どもの人数:23人

時間:3~4歳児クラス8~10時、2~3歳児クラス10~12時

教えていること:ビサヤ語、フィリピノ語、英語、ちょっと算数

その他:ワーカーさんは今年3年目(年聞くの忘れたけど若い。)
    クレヨンとか文房具は基本は持参らしい



ということでした。

ここは、子どもの数がそんなに多くないから、イスと机は足りているのかも。

手作り教材も少しあったけど、やっぱりワーカーさんが若すぎるのか、少しノウハウが足りないのかも、って思った。



あと半年早かったら、ここで新しいプロジェクト始められたのに><

って思った・・・

そしてサムライのアニキら(同期の先生隊員)がいたら、ここでアイデアを授けてくれたかもーって切なくなりました。

とっとと日本帰ろう。DASH!



コンポストとかマングローブとかより、教育の方がアイデアもたくさん思い浮かぶし、やっぱり向いてんのかな。

よくわかんないやー









午後は、マングローブの植林に同僚と2人で行きました。

いつもの町長の家の裏のサイト。

ここは、地域の人を主体としたプロジェクトにできなかったところ。私たち役場の職員でコツコツやってきました。しょぼん

私の帰国前に、区切りのいいところまで進めておきたいので、今日と明日にちょっと集中して頑張ろうという感じ。



そんなここのサイトですが、最近、

マングローブのBakaw(ヤエヤマヒルギ)という種類の苗がごっそり消失しました。



なんでだーーーーーーーーーーー((((((ノ゚⊿゚)ノ



って思いながら、同僚とクビをかしげていると、

遠くで酒飲んでダラダラしてたおじさんたちが数名こちらにやってくる。



話を聞いていると、どうやら彼らがコツコツ苗を植えてくれているらしいことが分かった。町長に手伝いなさいって言われたんだって。


それなら一言言ってくれればよかったのに、とかなんか突っ込みどころは沢山あるんだけど、

とりあえず、ありがたい^^



そして、町長ありがとうドキドキ(^ε^)




ちなみに、おじさん名前忘れてしまったけど、Barangay council(何というか、地区でそこそこ偉い人)の人だから頼りになるっぽい!

こんな隠れキャラがいたとは!



オフィスの女性同僚が、ここの地区は協力者がいないの・・・って言っていたけど、

諦めずに探せばよかったわ!

・・・もう遅いけど。シラー





彼らとダッシュで苗を植えたら、結構な量いけました。

もったいない。もっと早く彼らと会ってオーガナイズ出来ていたら><

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おじちゃんありがとよ☆



しかも、彼らは明日もくるねーって言ってくれた!

同僚も、明日もくるよーって言ってくれた!


土曜日なのに!

・・・私も行きます。行きますよー






ちょっと離れたところで漁師の夫婦がケンカww

といっても、嫁の圧倒的勝利。

嫁は、ラテン系な感じで情熱的に怒っていらした。どうやらダンナが酒飲んだくれていたのがダメだったらしい。

ホントにマンフヨッドの男は・・・orz


早口だから会話よくわからなかったけど、

「網・・・燃やす・・・」

みたいな単語が嫁の口から飛び出ていた。

|д゚)


早まらないでね><

燃やすなら是非うちのオフィスで怠けているロクデナシたちを!・・・おおっと。






植え終わったら、ちょうど、町長の奥さんと妹さんがおやつに呼んでくれたのでご馳走になった。

町長はシンガポールから帰ってくる娘さんを迎えに行っていて不在だったから色々お礼言えなかった。



とりあえず、この地区でマングローブに関わってくれる住人が現れるという最後の逆転でした。

ま、完全に協力してくれるまでには未だまだ策が必要そうだが。

後任の協力隊員とうまく連携してくれるといいな~




鶴見良行『マングローブの沼地で』

私が生まれる前に発行された本!

著者はまず、ミンダナオを訪れた。

「開発は暴力。住民から土地や川や海を奪う」ってのが始まってすぐに印象的だった。
昔の開発はそうだったけど、今も関係なくはないよね。特に、貧富の格差も問題になるだろうし。「開発」ってマジなんなんだろ。「他国への協力」っていう形をした、自国の外交手段でもあるし、他国との共栄でもあるし。

海洋東南アジアという地域。確かに、現在の定住の制度を押し付けていいものか考えてしまった。新しい視点です。
定住しない社会だってくだりで、モンゴルもそうなのか??って思った。

ミンダナオの紛争については、昔から宗教の対立、という言い方がされているようだけれど、やっぱり政府やビジネス関係の人に住むところを追われたり、労働搾取されて不満が募った結果であるようです。こんな昔から気づいている人がいるのに、なんで未だに宗教の対立みたいなイメージがつくのだろうか・・・

フィリピンに住んでいて感じるのは、文化を隔てるのは海じゃなくて、山であるということ。ネグロスオリエンタルは、海で隔てられたセブとは文化圏が一緒だけど、山で隔てられたネグロスオキシデンタルとは文化圏が違うし。

フィリピンのバンカ(ビンタと鶴見氏は言っていた)のことも詳しく載っていた。「浮きは船の喫水線より高い位置にしつらえられているから、定員以上に人が乗っかって喫水が異常に深くなったとき以外は、両舷の浮きが同時に海面に着くことはない。積載過重になったときは、浮きは転覆を防ぐ支柱としてよりも、船の浮力を補強する、まさに浮きそのものとして働く。積み荷が船の容量にかなったものであれば、船はつねにどちらかに傾き、そちら側の浮きが海面に着く。このようなとき、浮きは海面の抵抗も受ける。この性質のために、両腕木船は実に回転性能が良い。」

「学校教育は決して人類を幸福にしなかったというイヴァン・イリイチの仮説が頭にあった」フィリピンに暮らしていると、私も自分の思ってきたことがホントだったのかわからなくなる。

面白いのは、海洋民は、忠誠を誓う相手を自分たちで選ぶことができたということ。そして簡単に変えることができたということ。定住しない文化って、かなり不思議な感じです。民衆を「惹きつけておく。」暴力を利用するのではなくて。それから、民衆は集落の首長を認め、首長はスルタンに従うという。主従関係は2者間にのみ結ばれる。
定住文化が定着した今の私の任地では、私の役場の数人の職員は「ペナルティ」で住民を縛ろうとしている。祖先を見習いなさい。

「東南アジアには民主主義が成熟していないとしばしばいわれる。この議論は、統一国家と民主主義の問題を混同していると思う。地方分権、能力主義、下意上達、あらゆる意味で、民主主義はこの土地に早くから発達していた。遅れをとったのは、統一国家形成の方である。」
アメリカ支配の時代に定住の文化を押し付けられて、今のようになってしまった?

「移動分散型の社会は、国民意識のまとまりを育てにくかった。政治家が公僕として国民に仕えるという考えは極めて薄い。選挙のたびごとにボスたちの私兵による暴力が横行し、賄賂が巻かれた」

思ったけど、フィリピンは「打倒すべき存在」がいる時に団結する。というか盛り上がる?お祭り好きなんだな。スペイン、日本、マルコス、エストラーダ、アロヨ。すごい盛り上がりを見せますよね。そのほかは、親族の外の世界は全て他人事みたいだ。

「イエロージャーナリズム」とは?興味本位な記事を売り物にする報道のしかた。らしい。
とにかく、デタラメが多かったみたいだ。マスコミってのは、ないと困るけど、古今東西ろくでもないんだなあ。

「ミンダナオ内戦はさまざまな要因の重なりとして起こった。北方移民の流入、経済開発の進行、支配層の腐敗と私闘などである。その中で宗教戦争的側面のみが誇張されたのは、一つには北方クリスチャンの恐怖が投影されたからであり、二つには、これから始まるモロ民族解放戦線がイスラム進行を強調したためである」

ムスリムだからといって、統一されているわけではない。「コタバトのマギンダナオ族、ラナオのマラナオ族、スルーのタオスグ族は決して団結していなかった」
逆に、キリスト教徒と争ってるわけじゃない。留学時代に行ったコタバトでは、モスクとチャペルがメチャメチャ近くにあった。

マングローブについて「面白いことに、コカコーラはあの色合いを出すために、マングローブ皮の染料を使っているという」

この地方は飢えることなんてなさそうだけど、移民や戦争で派遣されてきた兵士は餓死しているようだ。


マレーシアでよく聞く「コタ」は「城」って意味っぽい。
「マット・サレー」ボルネオのヒーローらしい。覚えておこう。


「西洋近代の規準が、この土地にどれほど打倒するか、私はあらためて疑問を深くしている」









大野拓司、寺田勇文編著『現代フィリピンを知るための60章』

イグレシア・ニ・クリストとアグリパイはフィリピンのキリスト教派だったことを初めて知った。
ダイナマイト漁で使われるダイナマイトの作り方、「爆薬の主原料は、化学肥料として流通している硝酸アンモニウムである。ビール瓶に火薬を詰め、雷管と導火線をさし込み、ゴム栓をする。」
んで、火をつけてから投げ込むために、片腕がない人がいたりするんだってのは知ってる。










萩野芳夫『フィリピンの社会・歴史・政治制度』

20年くらい前には、フィリピン人は歴史や経済の関係から反日感情を持っている人が多かったみたい。今とは大違いだと思う。こうやって時が民衆の感情を解決していくのかな。
著者の専門の関係らしく、フィリピンの法制度のことが詳しかった。
前スペイン時代から法律があったなんて知らなかったわー!
なかなか面白かった。

船戸与一『砂のクロニクル』


みんなそれぞれの強い思いを持っているんだけど、

思いを抱き続けることに疲れ、折れてしまう瞬間があり、

そしてほとんどの登場人物は死んでしまうという。



なんか、私も昔、国際協力業界に対して色々考えて夢見てたことを思い出した。

いつだったか思い出せないくらい昔です。笑

若かった私。

心が折れたかどうかわからないけど、昔よりは「諦め」られるようにはなったかなあ。




それにしても、

この人の取材方法とかちょーーー気になる!

山崎豊子の本みたいに、読むのに疲れてもそれでも読んでしまう感じ!!


面白かった。

精神力を消費した・・・。