このブログを読んでいる歯科医院の先生方であれば、おそらくクリニックのホームページをお持ちの方が多いと思います。

では、携帯サイトはどうでしょう?

最近はスマートフォンが普及してきたとはいえ、まだまだフツーのケータイ(「フューチャーフォン」や「ガラケー」なんて呼ばれることもありますね)を使う方も多く、また特に20~30代の女性はPCよりもケータイで情報を検索することが多い場合もあるようです。

さて、歯科医院の携帯サイトを作る場合色々な方法があります。

1.PC用サイトを携帯用に変換して表示させる


同じ内容のページを作成しておいて、PCからアクセスしたときにはPC向けのレイアウトで、ケータイからの場合はケータイ向けのレイアウトで表示する方法。
もちろんサイトのURLはPC・携帯共通です。

○メリット

  • 最初にシステムを構築してしまえば、ページの作成・更新を一度で済ませられる


×デメリット

  • 最初にサイトを作成するときにシステムの作りこみが大変

  • 既存のPC向けサイトを維持したまま携帯に対応させるのが難しい

  • ブログなどではそうでもないが、PC向けに作成したコンテンツをケータイ向けにレイアウトすること自体に無理が生じる場合がある(特に画像が多い場合)



2.PC用と携帯用に別々のページを作る


PC用サイトは普通に作成し、ケータイ向けにはケータイで見るのに最適なコンテンツやレイアウトを考慮した別のサイトを作る方法。
サイトURLはPC用と携帯用で別になりますが、アクセスのために外部に知らせるURLは共通にしておいて、ケータイからのアクセスの場合にはケータイ用サイトに飛ばす(リダイレクトさせる)ことも可能です。

○メリット

  • 導入が比較的楽

  • 既存のPC用サイトに手を加えなくてもよい


×デメリット

  • PC用サイトと携帯サイトを別々に更新するため、手間がかかる



実際に私の場合ですが、はじめは更新の手間を考えて上記の1.(既存のサイトをケータイ向けに出力する)を試みました。

私の医院のPC用サイトはWordpress(ワードプレス)で構築しています。Wordpressには携帯対応のプラグインがいくつかあるので試してみたのですが、どれもブログ記事をケータイで見やすく表示させることに重点をおいているので(当然といえば当然ですが・・・)、ブログ記事ではない部分(診療時間や医院施設の紹介など)のページが見えにくくなり、結局この方法はあきらめることにしました。

そこで2.(携帯用サイトを別に作る)を行ったわけですが、これも簡単にはいきませんでした。

このブログのコンセプトでもありますが、あまりお金をかけたくないのではじめは自分でケータイサイトを作ってみようとしました。

HTMLの知識は多少ありますし、ケータイ向けであればそんなに凝ったものを作らなくても良いだろうとあなどっていたのですが、実際に自分で作るとなると、

  • 機種の新旧による表示能力の違い

  • キャリア(docomo,au,softbank)によって文法の対応がまちまち


などなど意外と大変なことが分かり、結局サービスを利用することにしました。

いくつか試した結果私が現在利用しているのが「Katy(ケイティ)」というサービス。

この記事の執筆時点で28,254のお店が利用しているとのこと。

「フリー」「ミニ」「プロ」の3つのプランが選べます(下図参照)。
$【デジ×デン】デジタルでデンタル(歯科)をもっと便利に-Katyのプラン

私は「ミニ」プランを利用しています。

ページの作成は簡単で、ブログが書ける人であれば特に戸惑うことはないでしょう。

先述したとおり、PC用サイトと2重に更新しなければいけないのですが、携帯サイトに載せるコンテンツを絞り込んで、頻繁に更新が必要なものは休診情報くらいにすることで手間を減らしています。

私の医院では初診時に「どこで医院のことを知ったか」を質問するのですが、「携帯サイトから」という答えが予想以上にあります。やはり携帯サイトは必要不可欠だと感じています。

まずはフリープランを試してみて、もっと機能が必要だと感じたら有料プランに移行するというのもいいかもしれません。
せっかくiPad2を買ったのでApp Storeで歯科に関するアプリをあれこれ検索してみました。

Document Sign 1.2(¥700)

iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要

Document Sign 1.2
カテゴリ: ビジネス
価格: ¥700 App
更新: 2010/08/02


iPadiPad

自費診療などの契約書をiPadの画面上で提示しそのままサインもペーパーレスで行うアプリのようです。

カルテ 1.1(無料)

iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要

カルテ 1.1
カテゴリ: メディカル
価格: 無料 App
更新: 2011/05/19


iPadiPad

現在歯、修復状態、ポケット測定値をタッチで入力し、治療計画の提示もできるようです。
無料版では現在歯の入力程度しかできません。ちなみに機能制限のないProバージョンの値段は¥35,000!!

歯列矯正装置を付けよう 1.1(¥115)

iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.0 以降が必要

歯列矯正装置を付けよう 1.1
カテゴリ: 写真
価格: ¥115 App
更新: 2011/03/03


iPhoneiPhone

ブラケット装着時のイメージをシミュレートできるようです。

5分歯みがき 2.0.1(¥230)

iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 3.2 以降が必要

5分歯みがき 2.0.1
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス
価格: ¥230 App
更新: 2011/05/12


iPhoneiPhone

以前にも記事にした歯みがき支援アプリ。

とりあえず今回はこの辺で。
また使えそうな(面白そうな)アプリを見つけたらご紹介しますね。
先月末に国内販売が開始されたiPad2。私も運よく発売当日に購入することができました。

10日あまり使用しましたが、かなりイイですね。メールチェックにしろブラウジングにしろiPhoneでするよりもかなり快適です。わざわざPCを起動しなくても大抵のことはできてしまいます。

さて、連休も開けたのでiPadの歯科医院での活用について考えてみました。
以前診療に役立つかもしれないiOSアプリという記事を書いたのでよろしければそちらもご覧ください。

とりあえず今のところ私が行っているのは次の2つです。

1.患者さんに写真を見せる



$【デジ×デン】デジタルでデンタル(歯科)をもっと便利に-iPadで口腔内写真を表示

私の医院は各チェアにレントゲンや写真が見られるモニターがあるのですが、1か所ユニットもモニターもない診察室があります。
今まではアポイント確認用のノートPCに写真を取り込んでおいて必要なときに持ち運んでいたのですが、あまりスマートではないと感じていました。

これからは手軽にサッと写真をお見せすることができます。

ちなみに、iPadへの写真の取り込みは母艦PCからの転送や、iPad Camera Connection Kitなどを使う方法もありますが、Dropboxを使うのが便利だと思います。

参考記事:Dropboxで院内文書をどこからでも利用できるようにする

2.参考書や文献を電子化して読む



$【デジ×デン】デジタルでデンタル(歯科)をもっと便利に-iPadで書籍を読む

これは別に「歯科医院での利用」に限ったことではないのですが、参考書や文献ってかなり場所をとりますよね。私がときどき参照したい文書としては、

  • 保険請求の手引書

  • 矯正装置製作の教科書

  • 各種マニュアル


などがあります。常にそばに置いておく必要はないけどたまに「あれってどうだったっけ?」というときに参照したい文書ですね。

あらかじめ電子化(いわゆる「自炊」)しておくといざという時に簡単に調べることができます。

とりあえず今のところはこの程度の活用ですが、もっと便利なiPadの歯科への活用法をこれからも考えていこうと思います。