バムセの漫画の感想、一言二言

バムセの漫画の感想、一言二言

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賛否両論な展開。王道を得意とする咲坂さんの、邪道。

ネタバレ含みます。

初めに言っておくと、僕はこの巻、嫌いじゃありません。面白いし、クオリティも相変わらず、咲坂さんはやっぱり、描ける方だな、と。

ただ、残念ながら少女漫画は難しいもので、読者が求めるモノ、一番必要なモノはクオリティじゃないんです、共感できるかどうかなんですね。

共感が出来て初めてそれはストーリーとして意味を持って、そこから漫画の質が問われます。この巻は、共感を得るには難しかった。

僕は少しドライに眺めるので、割と嫌いじゃなかった。咲坂さんはいつも通り描いてる。ただ盛んな女の子達にとっては、駄目だろうなー。

洸が気持ちの整理を付けて、成海ともケリを付けて、自分と向き合うようになった。ようやく。今までふらっふらしてたのでこの点に関しては良かった。

まあ、洸の優柔不断さは置いておいて、問題は双葉ね…。

ただ双葉について、ここまで読んできてもどうも、菊池とは仮面カップルのような関係にしか見えず、個人的には「いつまでこの茶番続けんだ?」って気持ちで。早く洸に行けよと思ってました。

菊池はちょっとかわいそうだけどね…本当に一途で、良い人だと思うし。ただ、本人もわかってたみたいだし、早々に別れ話が切り出されてもおかしくはないと、読みながら思ってた。したらマジで早々に切り出されたわけだけど…。

双葉がビッチかって、あれこれ考えちゃってビッチになりきれないよ、この娘は。双葉は単純に、アホで優柔不断で自分を整理できないだけ、ただ、未熟なだけ。ビッチってのは頭がキレないとなれないモノだと思ってるので、双葉は悪く言うとすれば、ガキなだけかと。僕はそんな双葉は好きです。

洸が消せない、残ったまんまでアプローチかけられて菊池とお付き合い。これは、最初から菊池とは付き合わなければ良かったの?僕にはよくわからないけれど、高校生の時分で賢い選択なんて出来ないよ。ましてや咲坂さんの作品、その辺がすごく上手いから、付き合うよ、好きじゃなくても。他に、好きな人がいても。

んで結果、彼、菊池を振り回したわけだけど、そんなものでしょう。そういうもんじゃない、未熟な恋愛って。未熟で、お馬鹿で、優柔不断で、イライラして、そんな等身大の学生を描くのがこの作品。はっきり言って、理想とは程遠い。

基本的に理想を描くのが少女漫画なので、この作品は良くも悪くも邪道になったんだな、この巻で。王道を突っ走る咲坂さんが描く、邪道。ただ個人的には、それが咲坂さんの良さなんです。王道と邪道は、表裏一体です。


漫画が上手な方だと、展開は別にどうでも良くなって、紡がれるストーリーを追うだけで、満足。その点は、多くの読者との読み方とは違ってるかも。共感は、求めてないからね。

たぶん、今回の問題点は、展開が急すぎたこと。映画化云々と聞こえるけれど、それは関係ないと思う。合わせる意味ないし。単純に、咲坂さんが、菊池に思い入れないだけじゃないの(笑)というのが最初に思ったことです(笑)

確かに共感を得るには、双葉に気持ちの整理をさせる間が必要だった。別れる覚悟とか、菊池を思う気持ちとか、それ以上に洸を思う気持ちとか。少し足りなかったかも。惜しいなあ。せっかく良い作品なのに。


とりあえず二人はくっついたわけで、さてさてその後どうなるか、次の展開も気になるところです。

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