1892年の南京条約などにより清からイギリスに割譲された土地と租借地で、以降はイギリスの植民地となったが、1997年7月1日午前0時(CST)に、イギリスから中華人民共和国へ返還され、特別行政区となった。
古くから東南アジアにおける交通の要所であり、また、自由港であることからイギリスの植民地時代から金融や流通の要所でもある。また、ショッピングや食通の街として栄えているということもあり、世界中から観光客が訪れる。超高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みだけでなく、離島や丘陵地帯などの自然に触れられる場所などの様々な見どころが、領地が狭いために隣接しているのが特徴である。また、マカオや深圳市などの近隣地域と組み合わせて観光するケースも多く見られる。
序章
映画産業でにわかに活気をみせる香港だが、それもどこ吹く風と例年通りのどかな味を出しているこの街。
徐々に繁栄を夢見て工業化が進み、灰色の建造物が増えて来てはいるが、それはそれで仕方ないことかなとは思うし、街が賑やかになるのは俺も嫌いじゃなかった。
ただ、今までのこの街ならこういうことが起こることはなかった。
俺の名前はリーセイロン。
今、俺はいわゆる腐れ縁の幼なじみ、チョンリーベンと工業化に伴って乱立した使い道がなんだかすらよくわからん倉庫、B-15番にて二人揃って頭を抱えたくなるような状況に苛まれている。
というか、比喩でなく実際に頭を抱えることすらまともにできない。
なぜなら答えは簡単、手足をがんじがらめに縄で縛られているのだから。
しかもご丁寧に黒服の男達がいかめしい顔をして、こちらに銃を向けてやがる。
はっきり言って・・・絶体絶命ってやつだ。