PARTYが始まるよ4 | Commentarii de AKB Ameba版

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 博多に来ています。
 7割は仕事なんですが、試しに申し込んでみたんです。遠方枠。
 
 いやあ、人生はいろいろやってみるもんですね。当たらない当たらないと悪名高き新チケセンのくせに、こういうときに当てて下さる。

 というわけで、HKT48研究生公演「PARTYが始まるよ」HKT48劇場。

   PARTY! さあ楽しみましょう!
   PARTY! 夜はこれからだよ!

 しかも前日には、研究生公演@武道館も当たるし。これって研ヲタ認定ってこと?

 宿はキャナルシティ。
 前夜酔っ払って歩いていたら、どこかで見たことのある風景。
 実際に見るのは初めてですけどね。ここ。

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 ここなんですよね?
 その時、僕は全く知らなかった場所なんですけど。
 6年前の8月のことだったと聞いています2006年2月でした。カギさんご指摘ありがとうございました。
 
 今や神話の時代のお話。
 かつて女神たちは博多の地の水辺に降臨し、年月は流れ、その末裔たちはここで声を上げ続けている。

  PARTY!

 と。
 
 今日は珍しく連れがいる。
 AKBは大好きなんだけど、公演もコンサートも握手会も行ったことのない後輩。
 「AKB好き」を公言すると、家庭でも職場でも、うすら寒い空気が流れるという環境のおっさん。
 「すみませんすみません」と集合場所の劇場前にちょっと遅刻して登場した彼は、日頃の抑圧から解放されたせいかいつになく多弁だ。
 もともとは「宮崎推し」だったが、「永遠プレッシャー」のPVを見て「ぱるる推し」になり、「初恋バタフライ」の田島にも心奪われたという。でも「ええ、芽瑠って研究生だったんですか?」というレベル。

 モールのはずれにある立派な劇場。
 ロビーの壁にはひびもシミもない。
 探してはみたのだが、どうやら「賽銭箱」はなさそう。ならば明日櫛田様にでもお参りしなくちゃならんね。ステッカーは貰えないけど。

 遠方枠で中に入ればこれまたキレイな造作。なだらかな傾斜のついた客席のどこからも舞台はよく見えるだろう。ここなら立ち見客だって「左目だけで視界を何とか確保」なんて苦労は無用。
 「うわああ近い。そこに芽瑠が来るんですかね!」。遠方枠指定席すぐそばの「でべそ」を指さして連れはすでに興奮気味だ。

 そしてもちろん、柱はない。
 
 至れり尽くせりの劇場。ここで公演を見ることができる博多のヲタのみなさんは何て幸せなんだろう。

 でも、抽選無用の極めて快適な指定席に座って、僕は秋葉原のシアターのことを思っていた。
 
 薄汚れた壁。
 剥き出しのダクト。
 狭い座席。
 片目で見るのがやっとなほどごったがえしの立ち見席。
 いつまでたっても応急処置感たっぷりの「お立ち台」。
 そしてなによりももちろん、あの柱。
 
 AKBが、あのシアターではなく、今日僕が座っているような美しい劇場で活動をはじめていたらどうだったろうか、とも夢想してみる。
 まあそれなりに成功はしたんだろうけどね。
 
 でも古参の人たちが、あれほどまで真剣に彼女たちを応援した理由のひとつが、あの柱だったような気がしないでもない。
 どう考えても障害でしかないあの柱。
 不便きわまりない柱。

 あの柱は黎明期のAKBに立ちはだかるさまざまな困難の象徴でもあった。
 メンバー、古参たち、運営が知恵を絞ってその困難たちを克服していく過程こそ、初期の(ということはつまり神話時代の)AKBのメインテーマであったに違いない。

 だからこそ、2006年11月のファーストコンサート初っぱなの「PARTY!」で、メンバーとヲタは念力であの柱を袖に追いやったってわけだ。

 邪魔だけど支え。
 大事だけど鬱陶しい。
 なるほど業深いヲタどもの集いの名にこれほどふさわしいものも他にあるまい。

 そうこうしているうちに、人の世の時計は18時30分。
 Overtureが鳴り響きヲタどもがどよめき幕が開けば、そこはもう、

   PARTY!