(2014/8/3)

 みなとみらい駅の改札を出てマークイズの入り口を入ると、クマを見つけた。ギムホンソックの作品。黒いごみ袋を積み上げたように見えるが、ブロンズでできている。周りの黒いごみ袋は、どうやら本物のごみ袋のようだ。銀の袋は金属。

 横浜美術館前のヴィム・デルボアの作品。大きい。そして近づくと、精巧。

 レトロで過剰に装飾的。だから初め、ヨーロッパの昔風の馬車だと思った。前後ろ逆に考えていた。スペアタイヤが付いているのを見つけてようやく、トレーラーと気づいた。タイトルは「低床トレーラー」。よく見ると、座席もあるしハンドルもある。ドアも開くようで、針金で固定してある。

 車の前側は教会のゴシック建築みたいに塔があり、天井の形も教会のようだ。空をすかす天井の装飾模様が美しい。

 美しくて手がかかっていて、でも機能はないのが面白い。装飾というのはそもそも実用的な意味はない。でも実用的なものだけになったら世界は味気ない。人間は昔から装飾をしてきた。デルボアは、現代の実用的で味気ない道具を、、昔風の技法で過剰に装飾して作っている。ベルギーの作家で、コンクリートミキサー車を木彫りで作った作品が有名。

 マイケル・ランディの作品「Art Bin」。失敗作を捨てるごみ箱。思ったよりだいぶ大きい。迫力ある。捨てる人を公募していたからいかがなものかと思っていたが、こうして見ると、まともな作家の結構ちゃんとした作品が捨てられているようだ。素人には分からなくとも、作家にとっては納得いかなかったら世に出さないだろうから、捨てる作品というのは意外に多いのかもしれない。

 ちょうど、何人かの美術家が作品を捨てていた。絵を投げ込んでいるのは川島秀明かな。


 森村泰昌のゴヤを引用した作品が捨てる用に置いてあった。もったいない。

 第1話。作者名から予想していたが、ほぼ何も描かれていない、単色の絵画ばかりが並ぶ。白い絵の具を固めて作ったキャンバスもある。ここに楽しみを見出すのは難しい。

 マルセル・ブロータースの作品で少しほっとする。アートについて猫と議論している。音の作品。よく鳴くねこだな。

 矩形の紙はフェリックス・ゴンザレス=トレスなので、1枚ずつ持ち帰って良い。(ゴンザレス=トレスのような有名作家の)アートをただで持っていって良いと言われると、持っていかないと損みたいに思ってしまう。もらってきたが、別に飾るわけでもなく放置している。

 第2話。釜ヶ崎芸術大学。名もなき素人の作品をごちゃごちゃに集めている。こういうの嫌い。こういうものにアートの未来があるとはとうてい思えない。