このブログでは、毎回、ドラマのあらすじに注釈を入れる形で書いていこうと思っています。ストーリーや今後の展開に関わるネタバレを含みますので、ぐれぐれも御注意ください。
ドラマ「武道館」第7話を見ました。
あまりにも展開が急すぎて、ついていくのが大変でしたね。
オープニングは、ハカセ(六角精児さん)のナレーションから――
しかし、いつもと違う点がありました。
彼女たちの目標武道館ライブまであと一歩…のはずだったのだが。
過去形になっています。
前回のラストで、事務所の会議室に集められたNEXTYOUの5人。
チーフマネージャーの野村課長(木下ほうか)さんが見せたのは、
【葉山の海岸でNEXTYOUの碧ちゃん発見!ヤバイかわいい(≧▽≦)】
SNSのアカウントでつぶやかれたコメントと、添付された画像でした。
野村「これは、どういうことかな?」
「この写真、碧だよな」
碧「……はい、私です」
野村「1月12日、スケジュール入ってたよな」
前田「ダンスのレッスンでした」
野村「碧たしかこの日、『体調悪いから』ってダンスのレッスン休んだよね」
碧「はい」
前田「海なんか行って、何してたんだ?」
碧「一人でブラブラしてました」
前田「何のために」
碧「ちょっと最近つかれてたんで、気分転換に海でも行こうかなーって」
野村「気分転換って…… そんな言い訳、通用するわけないだろ」
前田「そういうことはまず、事務所の大人に相談しないと」
碧「すいません」
野村「レッスンだからまだいいけど、これがイベントや収録だったらどうなると思う?
今後お前には…… ていうかNEXTには誰も仕事をくれなくなるかもしれないんだぞ。
俺が言っていることの重大さ、わかるよね」
(立ち上がり、頭を下げる碧)
碧「本当に、すいませんでした」
愛子「あの」
野村「何?」
愛子「碧は、たしかにレッスン休みました。でも、ちゃんと振り付けは覚えているし、
少し休んでリフレッシュできたなら、それで良かったのかなって」
るりか「そういう問題じゃないよ。
『結果大丈夫だったから良かったね』って話じゃないじゃん」
波奈「ちょっと、るりか――」
(るりかの手を押さえる波奈)
るりか「私、この部屋入って野村さんがパソコン出した時『終わった』って思った。
メンバーの誰かのスキャンダルだって。
本当は何しに行ってたのか訊かないけど、てゆうか聞きたくないけど、
何もなかったから良かったねじゃないよ」
(まぶたを閉じる愛子)
碧「(るりかに)本当に、何もないの」
るりか「だったら誤解されるようなことしないでよ!」
碧「……ごめん」
るりか「私みんなで武道館に立ちたいの。
やっと目標に近づいてきたのに、こういう変なことで立ち止まりたくない!」
波奈「るりか、もう分かったから」
野村「ま、座って」
(碧、着席する)
野村「いいか、今が本当に大事な勝負の時期だから、一つ一つの行動に責任を持ってほしい」
碧「はい」
野村「俺たちは君たちを信じている。
だから今回みたいなことがおきると、本当に裏切られたような気持ちになる。
信頼を裏切るようなマネは絶対にしないでほしい」
NY「はい」
野村「じゃあ、碧は、ファンへの誤解を解くコメント撮りするから。他のみんなは解散」
お忍びで葉山に行っていたことがバレた堂垣内碧(植村あかりさん)
男性は映っていない(スキャンダル写真ではない)ものの、嘘をついてレッスンを休んだことが問題になります。
碧を撮影したアカウントは、おそらく一般人でしょう。
写真週刊誌の記者しかいなかった昔と違って、今は日本中の人々が(スマホなどで)カメラを携帯している時代です。
悪意がないだけに、厄介な話だと思います。
ここで注目したいのは、野村課長が指示した碧のコメント撮り。
ファンがスケジュールを把握しているので、必要になりました。
私が応援しているBerryz工房がそうだったように、NEXTYOUもブログを書いています。更新頻度は、メンバーによってまちまちです。
毎日――1日に何度も更新する子がいて、週に1、2度だけ更新する子がいて、仕事が入った時だけ更新する子がいる(笑)
NEXTYOUで言えば、鶴井るりかなどは毎日のように更新していて、12日はダンスレッスンに触れたことでしょう。碧の写真が1月12日に撮影されたものだと分かれば、レッスンをサボったことがバレてしまいます。
「これがイベントや収録だったらどうなると思う?」
「誰も仕事をくれなくなるかもしれないんだぞ」
野村課長の指摘は、正論と言わざるを得ません。
「ファンに嘘をつくこと」「グループの迷惑になる言動」は、ファンが嫌う行為の一つです。恋愛禁止がネタになりがちな今作ですが、アイドルを恋愛対象として見ていないファンまでが恋愛発覚で離れてしまうのは、その子がソロではなく、グループの一員だったからかもしれません。
コメント撮りに臨む碧と別れ、帰途に就く4人。
エレベーターフロアまでやってきました。
リーダーの波奈(金澤朋子さん)がボタンを押します。
波奈「はじめてだよね、あんな碧みたの」
真由「へっ?」
波奈「歌も振り付けもいつも完璧だから、あんな人間っぽい碧はじめて見た」
真由「たしかに…… そうかも」
波奈「ちょっと安心したよ」
愛子「安心?」
るりか「安心なわけないよ」
(波奈・真由・愛子、るりかを見る)
るりか「私たちアイドルなんだから、人間ぽいとこなんて見せちゃダメなんだよ」
鶴井るりか(宮崎由加さん)のアイドル感が出ているシーンです。
しかし、原作とドラマでは、まわりの環境が違ってきます。
小説の鶴井るりかは最年少メンバー。学校の友達がいません。
「アイドルは、クラスメイトだからと言って男子と話してはいけない」
そんな態度を取り続けてきた結果、女子からは自意識過剰と疎まれ、男子からは気味悪がられてしまっています。るりかの孤独な学生生活はファンにもバレていて、ぽちドルとして崇められる存在になりました。
ドラマのるりかは、父親にアイドル活動を反対されていて、約束の期日までに武道館を決めなければ、アイドルを辞めさせられてしまいます。
るりかや波奈と別れて、線路沿いを歩く愛子(宮本佳林さん)
「俺たちは君たちを信じている」
野村マネージャーの言葉が、脳裏をよぎります。
「私たちの、何を信じてるんだろう?」
そんな愛子に反応したのは、仲の良い真由(高木紗友希さん)でした。
真由「愛子」
愛子「ん?」
真由「愛子は、武道館のステージに立つことが夢なんだよね? それは変わってないよね?」
愛子「変わってないよ、変わってない。けど……」
(女子学生2人が声をかけてくる)
女子「あのー、NEXTYOUの人たちですよね?」
真由「そうですけど」
女子「やっぱり!」「すごーい」「やばい」「カワイイ」
(手をとりあって騒ぐ女子学生たち)
女子「あの、握手してもらっても良いですか?」
真由「(うれしそうに)いいですよ、もちろん」
女子「ありがとうございます」
(真由と握手する女子学生の一人)
(もう一人の女子学生が愛子に声をかける)
女子「私も、お願いしていいですか? 握手」
愛子「あ、はい」
女子「ありがとうございます! いつもテレビで見てます」
愛子「ありがとうございます」
女子「これからも応援してます」
真剣な話をしようとしたところで、女の子に声をかけられた愛子と真由。
(路上で話すのもどうかと思いますが )
思い出すのは、第1話の帰宅シーン。NEXTYOUが夏目プロデューサー(小出恵介さん)にダメ出しされた後、電車で帰る2人の会話です。
愛子「私たちのこと、やっぱり誰も気づいてくれないね」
真由「底辺以下だからなー」
愛子「あれ、キツかったね」
真由「でも夏目さんの言う通りだよ。努力も我慢もまだまだ足りないと思う」
愛子「いつかさ、帽子とかで変装して電車のるようになんのかな?」
真由「なるでしょ。てゆーかさ、車で移動できるぐらい有名になろうよ」
愛子「そうだね」
移動は分かりませんが、街中で気付かれるようになった愛子と真由。
ドラマでは語られていませんが、この頃になると、るりかを含めた3人で、NHKの子供向け番組にレギュラー出演するようになっています。
1年前に語っていた夢が、現実になろうとしているNEXTYOU。
しかし、愛子の表情は浮かないままでした。
続いては、愛子が通う学校のシーン。
受験シーズン真っ盛りで、教室には生徒がほとんどいません。
主のいない大地の席を見て、微笑む愛子。
(私たちアイドルなんだから、人間っぽいところなんて見せちゃダメだよ)
るりかの言葉、大地との甘い思い出が、次々によみがえります。
【みーんな受験で教室は静かだよ。】
【大地がいないから、特にね】
【試験、頑張ってね】
メールを打っていると、後ろから声をかけられました。
「愛子、ちょっと話せる?」
堂垣内碧です(女子剣道部の部長が脅迫してきたら面白かったのに)
(学校の屋上、フェンスにもたれる愛子)
(碧、愛子に缶のホットドリンクを渡す)
愛子「ありがと。あったかーい。サンキュ」
(愛子、プルトップを開けてホットドリンクを一口飲む)
(愛子の隣にたたずむ碧)
碧「あのね。私、みんなに嘘ついちゃった。
写真撮られた時――レッスン休んだ日ね、本当は、好きな人と会ってたの」
愛子「えっ?
好きな人……って、男の人…… だよね」
碧「うん。初めて歌番組に出た時のヘアメイクさん、覚えてる?」
愛子「碧の髪型変えちゃった人?」
碧「そう」
愛子「あの人……」
碧「愛子が昔、言ってくれたでしょ?」
(回想シーンが入る)
愛子「すぐにキレイな前髪に戻るじゃん?
碧ちゃんは魔法が使えるんだよ、だから本物のアイドルなの」
碧「愛子にそう言われてからさ、私にとっては、前髪がアイドルの証みたいになったんだよね。
毎朝、まず鏡を見て、キレイに左分けにして、ピンで留めて、
『アイドル碧のトレードマークは、崩れない前髪なんだぞ』って自分に言い聞かせて……
でもあの日、菅野さんはね、その前髪をあっさり崩したんだよ。超簡単に、くしぐしゃって。
その時、押さえこんでたものが全部爆発しちゃったんだと思う。
自分が無理してアイドルやってた事とか、アイドルだから従わなくちゃならなかった事とか、
全部前髪と一緒にぐしぐしゃって」
愛子「そっか……」
碧「その後、ドラマの現場でまた会って、連絡先交換して、それで、彼と付き合うようになったの。
運良く、写真撮られたのは、彼がいない時だったみたい。でも危なかったね」
愛子「碧…… その話、他の人にもした?」
碧「してないよ」
愛子「なんで私に話してくれたの?」
碧「愛子なら、分かってくれると思ったから。
だって、好きな人いるでしょ?」
愛子「へ?」
碧「剣道部の、水嶋大地くん」
愛子「えっ? なんで?」
碧「愛子のこと見てれば分かるよ」
愛子「そっか……」
(大地との関係が)バレバレやないかーい
さんまさん愛子に激おこ 碧に彼氏がいることが分かったシーンです。
2人が葉山に行った1月12日は、碧の彼氏――菅野の誕生日でした。
私がドラマ「武道館」の世界の住人で、堂垣内碧のファンで、この話を聞いたと仮定した場合、ショックなのは「碧に彼氏がいたこと」よりも「碧が無理してアイドルやってたこと」です。
(ファンがいなければ、無理してアイドルを続ける必要もなかった?)
そんな自問自答が続くと思います。
原作の碧は、スカウトで事務所に入った女優志望の女の子。
アイドルブームに乗って一儲けしようと考えた事務所からの命令でNEXTYOUに入ったので、無理をしていたという告白も分かるのですが、ドラマの碧はハロ系のオーディションを受けているんですよね?
解せぬ…… (いや、そうでもないか。)
碧の告白から、3週間が経ちました。
NEXTYOUは、バレンタインライブを1週間後に控えています。
(第3話の傷害事件から1年後になりますね)
場所は、事務所のリハーサル室(レッスン室)
準備中のNEXTYOUの元に、夏目プロデューサーが現れました。
夏目プロデューサーの後ろには、ネク!ステ用のビデオカメラを持った前田マネージャー(高畑裕太さん)が続きます。
NY「お疲れ様です」
夏目「お疲れ」
(夏目の前に整列する5人)
夏目「えー、今日は、大事な発表がある」
(サングラスを外す夏目)
夏目「4月1日。お前たちの、デビュー3周年の記念ライブの会場が、日本武道館に決まったよ」
(一瞬の沈黙が流れる)
真由「やったあ!」
愛子「……武道館」
(真由と愛子、手と手を取り合い、抱き合う)
(波奈とるりかも抱き合う)
(呆然とする碧)
愛子「(碧の肩を抱いて)碧ぃ~」
(愛子を見つめる碧)
(急に静かになる愛子)
前田「おいっ! 夏目さんの話、まだ終わってないぞ」
NY「はいっ」
夏目「もう一つ、大事な発表がある」
(アイコンタクトする夏目と波奈)
夏目「この武道館が、波奈の卒業ライブになる」
(笑顔が消えたるりかと真由、波奈に視線を送る)
(黙ったままの碧と愛子)
真由「本当なの? 波奈」
波奈「うん。これからは、作詞とか、物を作る側をやってみたいと思ってる」
真由「そう……なんだ」
波奈「でも武道館だけが心残りだったからさ、本当に良かったよ。最後にギリギリ決まって」
夏目「波奈は、前向きに卒業するんだ。
ファンから惜しまれつつ辞める。アイドルにとって、最高の旅立ちだ。
お前たちの初めての武道館ライブは、波奈の卒業の舞台であり、
同時に2期生のお披露目の場でもある。
この武道館から、新しいNEXTYOUがスタートする。
最高のパフォーマンスで、波奈を見送ってやろう」
るりか「(小声で)はい」
(夏目や前田が去った後――)
波奈「突然で驚いた? ごめんね」
真由「波奈がいなくなったら、寂しくなるね」
波奈「なーに言ってんの。武道館まで、あと2カ月ぐらいあるじゃん。
そんな顔しないで。最後まで一緒に頑張ろ?」
るりか「……そうだね。一緒に武道館、立てるんだもんね」
波奈「うん」
真由「最高のライブにしよっ」
愛子「そうだね。ね、碧」
碧「うん。がんばろ」
波奈「よっしゃ、頑張るぞー」
NY「おー」
ドラマのタイトルであり、NEXTYOUの悲願でもあった「武道館」公演が決まった瞬間=リーダー坂本波奈の卒業が発表された瞬間です。
原作では、2期生(4名)が加入してからしばらく経っている設定ですが、ドラマは2期メンバーのお披露目も兼ねた公演になっています。
メンバーの卒業と新メンバーの加入時期が被るのは、そう珍しいことではありませんが、NEXTYOUは初期メンバー・初代リーダーである波奈の卒業と、初めての追加メンバー(2期生)の加入が一緒ということで、ネクス中毒(ファン)の皆さんは、ざわざわすることでしょう。
こちらは、℃-uteの武道館公演が発表されたリリースイベントの映像(発表は21分45秒から)
スマイレージの初武道館は、2年前の「ひなフェス」で発表されました(37分から)
NEXTYOUを演じたJuice=Juiceも、武道館を目標に掲げています。
実力は申し分ないのですが、事務所が勝手に自分たちで220公演という高いハードルを掲げてしまったので、まだ達成できていません。
今回のドラマ出演が、その一助になることを願うばかりです。
念願の武道館ライブが決まり、NEXTYOUはトップアイドルへの階段を駆け上がっていく――はずだったのだが(ハカセのナレーションより)
【武道館公演目前! 人気アイドルグループNEXTYOU 一番人気の女性アイドル(18)がドラマスタッフとおしのびデート!】
(事務所の会議室、野村と碧が1対1で座っている)
野村「いったいどうなっているんだ?」
碧「すいません」
(事務所のリハーサル室、前田から報告を受ける4人)
前田「碧が男の人と一緒にいる写真が、週刊誌(週刊スナイパー)に載ることになった」
真由「えっ?」
波奈「碧は?」
前田「今、野村さんが直接話を聞いてるよ」
るりか「恋人だったら…… どうなるんですか? 私たち、どうなるんですか!」
(再び会議室)
野村「言ったよな。『今が一番大事な時期だ』って」
碧「ごめんなさい」
野村「こういう記事が出たら、武道館ライブにも影響が出るんだよ。
メンバーとスタッフが積み上げてきたものが、全部無駄になるかもしれないんだぞ」
碧「本当に、ごめんなさい」
野村「お前とこの男はただの仕事仲間だ」
碧「えっ?」
野村「写真を撮られた時も2人っきりじゃなく、他のスタッフも一緒にいた。
記事に書かれているような深い交際は一切ない。
そういう公式コメントを事務所から出す。いいな」
(呆然とする碧、目が泳ぐ)
野村「いいな! 碧」
碧「……はい」
(日高家のリビング、愛子と大地が座っている)
愛子「私だけは、彼氏のこと聞いてたんだ。
事務所は、記事を否定するコメントを出すって。
碧も、同意したみたい」
大地「そっか」
愛子「うん」
大地「俺たちも、外では会わないほうがいいな」
愛子「ネクストの、2期候補生の中で、一番期待されていた子がね――」
(大地にスマホを見せる愛子、ツインテールの女の子が映っている)
愛子「この子。可愛いし、歌も上手いし、でも、この写真がネットに流出しちゃって」
(スマホの画面をスワイプする愛子、候補生と彼氏の2ショット写真に変わる)
愛子「デビュー前だし、事務所もかばおうとしたんだよ。
でも、この子は『やめます』って…… 自分で選んだの、辞めること。
なんで両立しないのかな?
歌うことと踊ることが大好きで、それと同じぐらい大好きな人がいるってことは、
なんで両立しないのかな?
大人の事情で、好きなこと、あきらめなきゃいけないのかな?」
大地「おれ、この子のこと全然知らないけど…… 幸せそうだな」
愛子「うん」
リーダー波奈の卒業。
センター碧のスキャンダル疑惑。
NEXTYOUは、本当に武道館に立つことが……できるのだろうか?
(ハカセのナレーションより)
(事務所の会議室、野村と愛子が1対1で座っている)
野村「まさか、お前までとはなぁ……」
愛子「えっ?」
野村「明後日これが発売されることになった」
【人気アイドルグループ『NEXTYOU』メンバー(18) 同じマンションに住むカレとファン裏切り親密デートの日々】
堂垣内碧と日高愛子、2人の熱愛記事が週刊誌に掲載されました。
第7話のラストシーンであり、第8話に続くエピソードです。
小説では、同じ週に、それぞれ別の雑誌に掲載されるのですが、ドラマでは先に碧の記事が出て、事務所が否定のコメントを出し、次に愛子の記事が出るという、某週刊誌のような形をとっています。
野村「まさか、お前までとはなぁ……」
事務所の皆さん、頭が痛いでしょうね。
堂垣内碧は、ドラマで大切な人と別れるシーンを撮ったさいに、急に彼氏と会いたくなり、ドラマの収録後に予定されていたダンスレッスンを「体調不良」で休み、彼氏に会いに行くことを選びます(2度目)
アイドルとしては間違っているかもしれない選択でも、後で自分の人生を振り返った時に、正しかった選択になると信じて、正しい選択にする自信があって、このような行動に出ました。
以上は原作のエピソードなので、事務所が碧の交際を否定するコメントを出したドラマ版は、何か変えてくるかもしれません。
愛子が大地に話していた2期候補生は、上田梨夏子といいます。
9人の候補生のうち、誰か1人を選んでもいいと言われた初期メンバーの5人が、満場一致で選んだメンバーでした。
しかし、上田梨夏子はインスタグラムの写真が流出して炎上、ネットで「おとまりかこ」などと叩かれてしまいます。
愛子「私はね、写真1枚でこれまでの評価が全部ゼロになるなんて全然思ってなかったんだよ」
説得の甲斐なく、上田梨夏子は、アイドルにならないことを選びました。
最後に、主人公の日高愛子。
愛子と大地について書かれた記事を見ると、登下校や初詣の写真に加えて、学校の大掃除の時に階下から撮った写真が使われています。
碧のレストランと違い、週刊誌の記者は校内に入ることができません。
情報提供者――高木恵理(小野花梨さん)の存在が浮かんできます。
高木恵里は女子剣道部の部長で、水嶋大地に好意を持っていました。大地とはメールをやり取りする仲であり、愛子が「自分しか知らない」と思っていた(大地の)プライベートも、本人から聞いて知っています。
高木恵里の、日高愛子に対する憎しみは、コップに入れた水のように溜まっていきました。表面張力で保たれていた感情が爆発した、その最後の一滴は、水嶋大地の大学受験の合否だったのかもしれません。
同級生の密告で、恋愛がバレてしまったアイドル――日高愛子。
次週、原作では与えられなかった、2つの選択肢を用意されます。
ドラマ「武道館」最終回。
彼女は、いったい、何を選ぶのでしょうか?
追伸
第7話のサブタイトルは「アイドル界のタブー 恋愛発覚!?」でした。
恋愛がタブー(禁忌)ということで、アイドルに偏見を持たれている方も多いと思いますが、このような「ごく普通のことがタブーにされている」芸能人は、何もアイドルに限ったことではありません。
例えば、大地役の吉沢亮さんのようなイケメン若手俳優で、早婚の方は少ない。仮に恋人がいたとしても、一人の役者として確固たる地位を築くまでは、事務所の反対もあって、結婚までいかなかったりする。
バンドのボーカルも、結婚していることを隠したりしますよね?
芸能界は人気商売。タレントのイメージを売る商売でもあります。
愛子のように「夢も恋も両方手に入れたい」なら、恋愛が発覚してもファンに逃げられないだけの実力をつけるしかないと思いました。
アイドルもここまでくると、スターと呼ばれる存在になるんですけどね。
ドラマ「武道館」第7話を見ました。
あまりにも展開が急すぎて、ついていくのが大変でしたね。
オープニングは、ハカセ(六角精児さん)のナレーションから――
しかし、いつもと違う点がありました。
彼女たちの目標武道館ライブまであと一歩…のはずだったのだが。
過去形になっています。
前回のラストで、事務所の会議室に集められたNEXTYOUの5人。
チーフマネージャーの野村課長(木下ほうか)さんが見せたのは、
【葉山の海岸でNEXTYOUの碧ちゃん発見!ヤバイかわいい(≧▽≦)】
SNSのアカウントでつぶやかれたコメントと、添付された画像でした。
野村「これは、どういうことかな?」
「この写真、碧だよな」
碧「……はい、私です」
野村「1月12日、スケジュール入ってたよな」
前田「ダンスのレッスンでした」
野村「碧たしかこの日、『体調悪いから』ってダンスのレッスン休んだよね」
碧「はい」
前田「海なんか行って、何してたんだ?」
碧「一人でブラブラしてました」
前田「何のために」
碧「ちょっと最近つかれてたんで、気分転換に海でも行こうかなーって」
野村「気分転換って…… そんな言い訳、通用するわけないだろ」
前田「そういうことはまず、事務所の大人に相談しないと」
碧「すいません」
野村「レッスンだからまだいいけど、これがイベントや収録だったらどうなると思う?
今後お前には…… ていうかNEXTには誰も仕事をくれなくなるかもしれないんだぞ。
俺が言っていることの重大さ、わかるよね」
(立ち上がり、頭を下げる碧)
碧「本当に、すいませんでした」
愛子「あの」
野村「何?」
愛子「碧は、たしかにレッスン休みました。でも、ちゃんと振り付けは覚えているし、
少し休んでリフレッシュできたなら、それで良かったのかなって」
るりか「そういう問題じゃないよ。
『結果大丈夫だったから良かったね』って話じゃないじゃん」
波奈「ちょっと、るりか――」
(るりかの手を押さえる波奈)
るりか「私、この部屋入って野村さんがパソコン出した時『終わった』って思った。
メンバーの誰かのスキャンダルだって。
本当は何しに行ってたのか訊かないけど、てゆうか聞きたくないけど、
何もなかったから良かったねじゃないよ」
(まぶたを閉じる愛子)
碧「(るりかに)本当に、何もないの」
るりか「だったら誤解されるようなことしないでよ!」
碧「……ごめん」
るりか「私みんなで武道館に立ちたいの。
やっと目標に近づいてきたのに、こういう変なことで立ち止まりたくない!」
波奈「るりか、もう分かったから」
野村「ま、座って」
(碧、着席する)
野村「いいか、今が本当に大事な勝負の時期だから、一つ一つの行動に責任を持ってほしい」
碧「はい」
野村「俺たちは君たちを信じている。
だから今回みたいなことがおきると、本当に裏切られたような気持ちになる。
信頼を裏切るようなマネは絶対にしないでほしい」
NY「はい」
野村「じゃあ、碧は、ファンへの誤解を解くコメント撮りするから。他のみんなは解散」
お忍びで葉山に行っていたことがバレた堂垣内碧(植村あかりさん)
男性は映っていない(スキャンダル写真ではない)ものの、嘘をついてレッスンを休んだことが問題になります。
碧を撮影したアカウントは、おそらく一般人でしょう。
写真週刊誌の記者しかいなかった昔と違って、今は日本中の人々が(スマホなどで)カメラを携帯している時代です。
悪意がないだけに、厄介な話だと思います。
ここで注目したいのは、野村課長が指示した碧のコメント撮り。
ファンがスケジュールを把握しているので、必要になりました。
私が応援しているBerryz工房がそうだったように、NEXTYOUもブログを書いています。更新頻度は、メンバーによってまちまちです。
毎日――1日に何度も更新する子がいて、週に1、2度だけ更新する子がいて、仕事が入った時だけ更新する子がいる(笑)
NEXTYOUで言えば、鶴井るりかなどは毎日のように更新していて、12日はダンスレッスンに触れたことでしょう。碧の写真が1月12日に撮影されたものだと分かれば、レッスンをサボったことがバレてしまいます。
「これがイベントや収録だったらどうなると思う?」
「誰も仕事をくれなくなるかもしれないんだぞ」
野村課長の指摘は、正論と言わざるを得ません。
「ファンに嘘をつくこと」「グループの迷惑になる言動」は、ファンが嫌う行為の一つです。恋愛禁止がネタになりがちな今作ですが、アイドルを恋愛対象として見ていないファンまでが恋愛発覚で離れてしまうのは、その子がソロではなく、グループの一員だったからかもしれません。
コメント撮りに臨む碧と別れ、帰途に就く4人。
エレベーターフロアまでやってきました。
リーダーの波奈(金澤朋子さん)がボタンを押します。
波奈「はじめてだよね、あんな碧みたの」
真由「へっ?」
波奈「歌も振り付けもいつも完璧だから、あんな人間っぽい碧はじめて見た」
真由「たしかに…… そうかも」
波奈「ちょっと安心したよ」
愛子「安心?」
るりか「安心なわけないよ」
(波奈・真由・愛子、るりかを見る)
るりか「私たちアイドルなんだから、人間ぽいとこなんて見せちゃダメなんだよ」
鶴井るりか(宮崎由加さん)のアイドル感が出ているシーンです。
しかし、原作とドラマでは、まわりの環境が違ってきます。
小説の鶴井るりかは最年少メンバー。学校の友達がいません。
「アイドルは、クラスメイトだからと言って男子と話してはいけない」
そんな態度を取り続けてきた結果、女子からは自意識過剰と疎まれ、男子からは気味悪がられてしまっています。るりかの孤独な学生生活はファンにもバレていて、ぽちドルとして崇められる存在になりました。
ドラマのるりかは、父親にアイドル活動を反対されていて、約束の期日までに武道館を決めなければ、アイドルを辞めさせられてしまいます。
るりかや波奈と別れて、線路沿いを歩く愛子(宮本佳林さん)
「俺たちは君たちを信じている」
野村マネージャーの言葉が、脳裏をよぎります。
「私たちの、何を信じてるんだろう?」
そんな愛子に反応したのは、仲の良い真由(高木紗友希さん)でした。
真由「愛子」
愛子「ん?」
真由「愛子は、武道館のステージに立つことが夢なんだよね? それは変わってないよね?」
愛子「変わってないよ、変わってない。けど……」
(女子学生2人が声をかけてくる)
女子「あのー、NEXTYOUの人たちですよね?」
真由「そうですけど」
女子「やっぱり!」「すごーい」「やばい」「カワイイ」
(手をとりあって騒ぐ女子学生たち)
女子「あの、握手してもらっても良いですか?」
真由「(うれしそうに)いいですよ、もちろん」
女子「ありがとうございます」
(真由と握手する女子学生の一人)
(もう一人の女子学生が愛子に声をかける)
女子「私も、お願いしていいですか? 握手」
愛子「あ、はい」
女子「ありがとうございます! いつもテレビで見てます」
愛子「ありがとうございます」
女子「これからも応援してます」
真剣な話をしようとしたところで、女の子に声をかけられた愛子と真由。
(路上で話すのもどうかと思いますが )
思い出すのは、第1話の帰宅シーン。NEXTYOUが夏目プロデューサー(小出恵介さん)にダメ出しされた後、電車で帰る2人の会話です。
愛子「私たちのこと、やっぱり誰も気づいてくれないね」
真由「底辺以下だからなー」
愛子「あれ、キツかったね」
真由「でも夏目さんの言う通りだよ。努力も我慢もまだまだ足りないと思う」
愛子「いつかさ、帽子とかで変装して電車のるようになんのかな?」
真由「なるでしょ。てゆーかさ、車で移動できるぐらい有名になろうよ」
愛子「そうだね」
移動は分かりませんが、街中で気付かれるようになった愛子と真由。
ドラマでは語られていませんが、この頃になると、るりかを含めた3人で、NHKの子供向け番組にレギュラー出演するようになっています。
1年前に語っていた夢が、現実になろうとしているNEXTYOU。
しかし、愛子の表情は浮かないままでした。
続いては、愛子が通う学校のシーン。
受験シーズン真っ盛りで、教室には生徒がほとんどいません。
主のいない大地の席を見て、微笑む愛子。
(私たちアイドルなんだから、人間っぽいところなんて見せちゃダメだよ)
るりかの言葉、大地との甘い思い出が、次々によみがえります。
【みーんな受験で教室は静かだよ。】
【大地がいないから、特にね】
【試験、頑張ってね】
メールを打っていると、後ろから声をかけられました。
「愛子、ちょっと話せる?」
堂垣内碧です(
(学校の屋上、フェンスにもたれる愛子)
(碧、愛子に缶のホットドリンクを渡す)
愛子「ありがと。あったかーい。サンキュ」
(愛子、プルトップを開けてホットドリンクを一口飲む)
(愛子の隣にたたずむ碧)
碧「あのね。私、みんなに嘘ついちゃった。
写真撮られた時――レッスン休んだ日ね、本当は、好きな人と会ってたの」
愛子「えっ?
好きな人……って、男の人…… だよね」
碧「うん。初めて歌番組に出た時のヘアメイクさん、覚えてる?」
愛子「碧の髪型変えちゃった人?」
碧「そう」
愛子「あの人……」
碧「愛子が昔、言ってくれたでしょ?」
(回想シーンが入る)
愛子「すぐにキレイな前髪に戻るじゃん?
碧ちゃんは魔法が使えるんだよ、だから本物のアイドルなの」
碧「愛子にそう言われてからさ、私にとっては、前髪がアイドルの証みたいになったんだよね。
毎朝、まず鏡を見て、キレイに左分けにして、ピンで留めて、
『アイドル碧のトレードマークは、崩れない前髪なんだぞ』って自分に言い聞かせて……
でもあの日、菅野さんはね、その前髪をあっさり崩したんだよ。超簡単に、くしぐしゃって。
その時、押さえこんでたものが全部爆発しちゃったんだと思う。
自分が無理してアイドルやってた事とか、アイドルだから従わなくちゃならなかった事とか、
全部前髪と一緒にぐしぐしゃって」
愛子「そっか……」
碧「その後、ドラマの現場でまた会って、連絡先交換して、それで、彼と付き合うようになったの。
運良く、写真撮られたのは、彼がいない時だったみたい。でも危なかったね」
愛子「碧…… その話、他の人にもした?」
碧「してないよ」
愛子「なんで私に話してくれたの?」
碧「愛子なら、分かってくれると思ったから。
だって、好きな人いるでしょ?」
愛子「へ?」
碧「剣道部の、水嶋大地くん」
愛子「えっ? なんで?」
碧「愛子のこと見てれば分かるよ」
愛子「そっか……」
(大地との関係が)バレバレやないかーい
2人が葉山に行った1月12日は、碧の彼氏――菅野の誕生日でした。
私がドラマ「武道館」の世界の住人で、堂垣内碧のファンで、この話を聞いたと仮定した場合、ショックなのは「碧に彼氏がいたこと」よりも「碧が無理してアイドルやってたこと」です。
(ファンがいなければ、無理してアイドルを続ける必要もなかった?)
そんな自問自答が続くと思います。
原作の碧は、スカウトで事務所に入った女優志望の女の子。
アイドルブームに乗って一儲けしようと考えた事務所からの命令でNEXTYOUに入ったので、無理をしていたという告白も分かるのですが、ドラマの碧はハロ系のオーディションを受けているんですよね?
解せぬ…… (いや、そうでもないか。)
碧の告白から、3週間が経ちました。
NEXTYOUは、バレンタインライブを1週間後に控えています。
(第3話の傷害事件から1年後になりますね)
場所は、事務所のリハーサル室(レッスン室)
準備中のNEXTYOUの元に、夏目プロデューサーが現れました。
夏目プロデューサーの後ろには、ネク!ステ用のビデオカメラを持った前田マネージャー(高畑裕太さん)が続きます。
NY「お疲れ様です」
夏目「お疲れ」
(夏目の前に整列する5人)
夏目「えー、今日は、大事な発表がある」
(サングラスを外す夏目)
夏目「4月1日。お前たちの、デビュー3周年の記念ライブの会場が、日本武道館に決まったよ」
(一瞬の沈黙が流れる)
真由「やったあ!」
愛子「……武道館」
(真由と愛子、手と手を取り合い、抱き合う)
(波奈とるりかも抱き合う)
(呆然とする碧)
愛子「(碧の肩を抱いて)碧ぃ~」
(愛子を見つめる碧)
(急に静かになる愛子)
前田「おいっ! 夏目さんの話、まだ終わってないぞ」
NY「はいっ」
夏目「もう一つ、大事な発表がある」
(アイコンタクトする夏目と波奈)
夏目「この武道館が、波奈の卒業ライブになる」
(笑顔が消えたるりかと真由、波奈に視線を送る)
(黙ったままの碧と愛子)
真由「本当なの? 波奈」
波奈「うん。これからは、作詞とか、物を作る側をやってみたいと思ってる」
真由「そう……なんだ」
波奈「でも武道館だけが心残りだったからさ、本当に良かったよ。最後にギリギリ決まって」
夏目「波奈は、前向きに卒業するんだ。
ファンから惜しまれつつ辞める。アイドルにとって、最高の旅立ちだ。
お前たちの初めての武道館ライブは、波奈の卒業の舞台であり、
同時に2期生のお披露目の場でもある。
この武道館から、新しいNEXTYOUがスタートする。
最高のパフォーマンスで、波奈を見送ってやろう」
るりか「(小声で)はい」
(夏目や前田が去った後――)
波奈「突然で驚いた? ごめんね」
真由「波奈がいなくなったら、寂しくなるね」
波奈「なーに言ってんの。武道館まで、あと2カ月ぐらいあるじゃん。
そんな顔しないで。最後まで一緒に頑張ろ?」
るりか「……そうだね。一緒に武道館、立てるんだもんね」
波奈「うん」
真由「最高のライブにしよっ」
愛子「そうだね。ね、碧」
碧「うん。がんばろ」
波奈「よっしゃ、頑張るぞー」
NY「おー」
ドラマのタイトルであり、NEXTYOUの悲願でもあった「武道館」公演が決まった瞬間=リーダー坂本波奈の卒業が発表された瞬間です。
原作では、2期生(4名)が加入してからしばらく経っている設定ですが、ドラマは2期メンバーのお披露目も兼ねた公演になっています。
メンバーの卒業と新メンバーの加入時期が被るのは、そう珍しいことではありませんが、NEXTYOUは初期メンバー・初代リーダーである波奈の卒業と、初めての追加メンバー(2期生)の加入が一緒ということで、ネクス中毒(ファン)の皆さんは、ざわざわすることでしょう。
こちらは、℃-uteの武道館公演が発表されたリリースイベントの映像(発表は21分45秒から)
スマイレージの初武道館は、2年前の「ひなフェス」で発表されました(37分から)
NEXTYOUを演じたJuice=Juiceも、武道館を目標に掲げています。
実力は申し分ないのですが、
今回のドラマ出演が、その一助になることを願うばかりです。
念願の武道館ライブが決まり、NEXTYOUはトップアイドルへの階段を駆け上がっていく――はずだったのだが(ハカセのナレーションより)
【武道館公演目前! 人気アイドルグループNEXTYOU 一番人気の女性アイドル(18)がドラマスタッフとおしのびデート!】
(事務所の会議室、野村と碧が1対1で座っている)
野村「いったいどうなっているんだ?」
碧「すいません」
(事務所のリハーサル室、前田から報告を受ける4人)
前田「碧が男の人と一緒にいる写真が、週刊誌(週刊スナイパー)に載ることになった」
真由「えっ?」
波奈「碧は?」
前田「今、野村さんが直接話を聞いてるよ」
るりか「恋人だったら…… どうなるんですか? 私たち、どうなるんですか!」
(再び会議室)
野村「言ったよな。『今が一番大事な時期だ』って」
碧「ごめんなさい」
野村「こういう記事が出たら、武道館ライブにも影響が出るんだよ。
メンバーとスタッフが積み上げてきたものが、全部無駄になるかもしれないんだぞ」
碧「本当に、ごめんなさい」
野村「お前とこの男はただの仕事仲間だ」
碧「えっ?」
野村「写真を撮られた時も2人っきりじゃなく、他のスタッフも一緒にいた。
記事に書かれているような深い交際は一切ない。
そういう公式コメントを事務所から出す。いいな」
(呆然とする碧、目が泳ぐ)
野村「いいな! 碧」
碧「……はい」
(日高家のリビング、愛子と大地が座っている)
愛子「私だけは、彼氏のこと聞いてたんだ。
事務所は、記事を否定するコメントを出すって。
碧も、同意したみたい」
大地「そっか」
愛子「うん」
大地「俺たちも、外では会わないほうがいいな」
愛子「ネクストの、2期候補生の中で、一番期待されていた子がね――」
(大地にスマホを見せる愛子、ツインテールの女の子が映っている)
愛子「この子。可愛いし、歌も上手いし、でも、この写真がネットに流出しちゃって」
(スマホの画面をスワイプする愛子、候補生と彼氏の2ショット写真に変わる)
愛子「デビュー前だし、事務所もかばおうとしたんだよ。
でも、この子は『やめます』って…… 自分で選んだの、辞めること。
なんで両立しないのかな?
歌うことと踊ることが大好きで、それと同じぐらい大好きな人がいるってことは、
なんで両立しないのかな?
大人の事情で、好きなこと、あきらめなきゃいけないのかな?」
大地「おれ、この子のこと全然知らないけど…… 幸せそうだな」
愛子「うん」
リーダー波奈の卒業。
センター碧のスキャンダル疑惑。
NEXTYOUは、本当に武道館に立つことが……できるのだろうか?
(ハカセのナレーションより)
(事務所の会議室、野村と愛子が1対1で座っている)
野村「まさか、お前までとはなぁ……」
愛子「えっ?」
野村「明後日これが発売されることになった」
【人気アイドルグループ『NEXTYOU』メンバー(18) 同じマンションに住むカレとファン裏切り親密デートの日々】
堂垣内碧と日高愛子、2人の熱愛記事が週刊誌に掲載されました。
第7話のラストシーンであり、第8話に続くエピソードです。
小説では、同じ週に、それぞれ別の雑誌に掲載されるのですが、ドラマでは先に碧の記事が出て、事務所が否定のコメントを出し、次に愛子の記事が出るという、某週刊誌のような形をとっています。
野村「まさか、お前までとはなぁ……」
事務所の皆さん、頭が痛いでしょうね。
堂垣内碧は、ドラマで大切な人と別れるシーンを撮ったさいに、急に彼氏と会いたくなり、ドラマの収録後に予定されていたダンスレッスンを「体調不良」で休み、彼氏に会いに行くことを選びます(2度目)
アイドルとしては間違っているかもしれない選択でも、後で自分の人生を振り返った時に、正しかった選択になると信じて、正しい選択にする自信があって、このような行動に出ました。
以上は原作のエピソードなので、事務所が碧の交際を否定するコメントを出したドラマ版は、何か変えてくるかもしれません。
愛子が大地に話していた2期候補生は、上田梨夏子といいます。
9人の候補生のうち、誰か1人を選んでもいいと言われた初期メンバーの5人が、満場一致で選んだメンバーでした。
しかし、上田梨夏子はインスタグラムの写真が流出して炎上、ネットで「おとまりかこ」などと叩かれてしまいます。
愛子「私はね、写真1枚でこれまでの評価が全部ゼロになるなんて全然思ってなかったんだよ」
説得の甲斐なく、上田梨夏子は、アイドルにならないことを選びました。
最後に、主人公の日高愛子。
愛子と大地について書かれた記事を見ると、登下校や初詣の写真に加えて、学校の大掃除の時に階下から撮った写真が使われています。
碧のレストランと違い、週刊誌の記者は校内に入ることができません。
情報提供者――高木恵理(小野花梨さん)の存在が浮かんできます。
高木恵里は女子剣道部の部長で、水嶋大地に好意を持っていました。大地とはメールをやり取りする仲であり、愛子が「自分しか知らない」と思っていた(大地の)プライベートも、本人から聞いて知っています。
高木恵里の、日高愛子に対する憎しみは、コップに入れた水のように溜まっていきました。表面張力で保たれていた感情が爆発した、その最後の一滴は、水嶋大地の大学受験の合否だったのかもしれません。
同級生の密告で、恋愛がバレてしまったアイドル――日高愛子。
次週、原作では与えられなかった、2つの選択肢を用意されます。
ドラマ「武道館」最終回。
彼女は、いったい、何を選ぶのでしょうか?
追伸
第7話のサブタイトルは「アイドル界のタブー 恋愛発覚!?」でした。
恋愛がタブー(禁忌)ということで、アイドルに偏見を持たれている方も多いと思いますが、このような「ごく普通のことがタブーにされている」芸能人は、何もアイドルに限ったことではありません。
例えば、大地役の吉沢亮さんのようなイケメン若手俳優で、早婚の方は少ない。仮に恋人がいたとしても、一人の役者として確固たる地位を築くまでは、事務所の反対もあって、結婚までいかなかったりする。
バンドのボーカルも、結婚していることを隠したりしますよね?
芸能界は人気商売。タレントのイメージを売る商売でもあります。
愛子のように「夢も恋も両方手に入れたい」なら、恋愛が発覚してもファンに逃げられないだけの実力をつけるしかないと思いました。
アイドルもここまでくると、スターと呼ばれる存在になるんですけどね。