そうだ、漫画描こう。7 | 漫画を描いて載せるブログ

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前回の続き

はじめからは、こちら


ソワソワしながら、編集者を待つ私。

黒い手提げのプラスチックケースから原稿の入ったファイルを取り出し、机の上に置いて待つ。

メモ用のボールペンとメモ帳も手元に用意。


ほんの数分待った頃、編集者の方がブースにやってきた。

女性の編集者だ。

私と同じか年下かもしれない。

気さくで話しやすそうな感じの方だ。

文化系というよりも、体育会系っぽい感じだ。


編集者の方が席につくやいなや、「早速ですが拝見させて下さい」というような事を言われ、ファイルを手渡す。

沈黙の時間。

すごいスピードでページをめくっていくので、それに驚く。


読み終えた後に、批評をしてもらう。

良いところと直した方が良い部分。

良い部分は、テンポ良く展開している箇所で、悪いところは会話だけで物語を進めている箇所であった。

なるほど・・・とメモを取る。

その他、細かな事を数点質問をし、答えてもらう。(投稿したらどのクラスになるか?とか)

そして最後に、「他に何か質問はありますか?」と聞かれた。


要するに「担当につく」という選択からは、私は外れたわけだ。

「もしかしたら・・・?」という気持ちをほんのり抱きながら持ち込んだので、ガッカリと肩を落としながら帰路についた。

帰りの道のりは、とても早く感じた。



ちなみに、この時に持ち込んだ漫画は、「半魚人が人間の姿に化けて水族館を観光する」というギャグ漫画であった。(おい)

「世間に受けるような奇抜で面白いものを作りたい」という気持ちで描いた作品だったが、違う方向にベクトルが向いていたようだ。

実際に、編集者の方も「キャラクターが気持ち悪い」と仰った。

ショックを抱きつつも、収穫は多いにあった。

「自分は、いったい人に何を伝えたいのか?」そんな風な思考に行き着き、薄ぼんやりとした輪郭がうっすら見えたような、そんな気付きを得て、自分の描きたい漫画について見直す良いきっかけとなった。



次の作品は、持ち込みの時に得た反省を生かし、全く違うものを作った。

どんなお話かというと、

「ある貧乏一家のお父さんが、宝くじの一等を当てて、家族みんなで大騒ぎで夢を語る。でも、実はお父さんの勘違いで、宝くじは当選はしていなかったという事が判明。その時家族は・・・」

というドタバタ系の家族のギャグコメディものである。

その時の私が発揮できる力を全て尽くし、心を込めて描いた。



当然、その作品も持ち込む。

だが、結果は惨敗。

「こういう家族のほのぼのした雰囲気の作品を描く人は、他にもいる」という感じの事を言われたと思う。

それなりに落ち込みはしたが、「自分の描きたいものを見つけて描けた」という充実感の方が勝っていた。



その後はというと、半年くらいネタを考えたり絵を描いたりする事はなくなった。

本当に自然に何もしなくなった日が続き、ボケーッとyoutubeで動画を観ていたある日のこと。

私は、あるモノと出会ってしまった・・・・。


次回につづく・・・


続きは、こちら。→そうだ、漫画描こう。8(終)