日本人は謙遜することに慣れてしまっていますが、意識して自慢する練習をした方がいいと思います。社会に出ると、企画を提案したり商品をお客様に説明するときに魅力を伝える状況に出くわすからです。
文章力を磨くなら、単に何かを説明するよりも魅力を伝える練習をしたほうが、社会に出たときにも役に立つし、日常的に物事のいい面を見ようとする癖がついて、毎日過ごすのが楽しくなります。一石二鳥。

そんなわけで、以下で魅力を伝える文章の作り方を見ていきましょう。

■テーマをきめる
何についての魅力を伝えたいのかテーマを決める。
趣味でもおすすめの本でも何でもOK。
そして、誰に対して伝えるのか細かく設定します。
必ず入れるべき条件は「それについて全く知識がない人」。
あとは、年齢や性別、日々の過ごし方など。
条件によって、内容も表現方法も変わるので、どんな人に伝えるかは出来る限り細かく決めましょう。たとえば、小さな子向けになにか書くのであれば、大人に使うような難しい言葉は噛み砕く必要があります。

■魅力をブレスト
次はどんな魅力があるのかブレストする。
3分で30個。量は質を凌駕するので、30個頑張って挙げましょう。考えるのは頭ではなく手。
ふと頭によぎったことでも何でも書いていきましょう。選別は後です。
小さなことでもあとから広がっていくことも。恥ずかしがらずになんでも書くのがコツ。
30個挙がったら、挙がった項目を見つめ、似たものをくっつけたり、言葉を直したり、広がりそうなら新たに加えていく。少し時間を取り納得行くまで考える。

そうしたら、挙がった要素を3つの重複しないカテゴリに分けます。
そして、それぞれのカテゴリに各要素を包括するメリットを一文で簡潔にまとめる。
プリンの良さとして「安い、どこでも買える、小さい」が挙がっていたら、
「気軽に食べることが出来る」とまとめられますよね。

■特徴の根拠を挙げ、主張に説得力をつける
次に、良さとしてあげた特徴の根拠を述べる。
事実、データを伝え、読者に納得感を与える。
先の例なら、安い:200円以下で買える、
どこでも買える:レストランだけでなくコンビニでも買えるなどが言えると思います。

■メリット→良さの特徴→根拠→メリットと文章化する
良さの特徴、メリット、根拠が揃ったら、文章にします。
順番は、メリット→良さの特徴→根拠→メリット。
「プリンは気軽に食べることが出来る。安いし、小さいし、どこでも買える。
レストランだけでなくコンビニでも買えるし、200円とかからない。
気軽なデザートだ。」
といったものにできます。

■魅力がわかりやすく工夫する
先程の文章でもわかりやすいですが、まだ工夫できます。
本気でおすすめしたいなら、それが相手の日常の中で起きるイメージを喚起させてあげましょう。
「プリンは気軽に食べられる→プリンは仕事帰りの疲れた頭にあげられる気軽なご褒美」など。
ここはさきほど決定した読者の設定を強く意識します。
お客さんは商品がほしいのではなく、商品を得た後の”メリット”がほしいのです。
得た結果、どんな体験ができるのか?どんなイイコトがあるのか?
強くイメージできなければ、納得してくれません。
そのためのあの手この手の表現手段なのです。

■メリット3つ分つくる
さて、3つに分けたカテゴリを、プリンの例で挙げたように、メリット3つ分作ります。
人は何に対する説明でも3つ以上は多く、以下だと少なく感じます。
魅力を伝える文章に限らず、何かを説明するときには「それには3つあってね…」とまず言ってしまいましょう。

■推敲する
推敲。主にリズム。日本特有の五七五調や語尾。
です、ます、だ、体言止め、変化をつけたほうが耳に心地良い。
読んだ人が分かりやすいか?魅力を感じる文章か?何度も音読します。
練習すれば1つの事柄に3メリットがすぐかけるようになります。全部で300~500字くらい。


さて、魅力を伝える文章についてざーっとかなり簡単に挙げてみました。ポイントは、単にありのまま説明する文章と魅力を伝える文章では、その目的から性質がかなり異なるということです。魅力を伝えられるようにしておくと、先々で役立つと思いますので、ぜひ練習してみてください。

<例>
プリンは疲れた仕事帰りでも、ふらりと買える気軽なデザート。
安いし、小さいし、どこでも買えちゃう。
レストランだけでなくコンビニにもあるし、200円とかかりません。
それに、小さいから残さないで済む。
食べたいな、と思ったときに、気軽に手を出せる。
プリンは頑張るあなたの味方です。