まずは翔君始め復帰された組子の皆様おめでとうございますそして、お帰りなさい
初日開けてすぐに離脱からの復帰ということで不安も重圧もあるかと思いますが、微塵にも感じさせない
舞台姿だったとのこと。代役公演を経て、さらに舞台上で進化した姿が観られそうですね!
また、代役を務められた皆様お疲れ様でした!この1週間、組子の“絆”と組力を改めて実感しました。
注目作品の急遽代役ということで想像もつかないほどの大変さだったと思いますが、代役公演とは
思えないほどのパワー。彼らも久しぶりに本役に戻るわけですが、本当に心から感謝の言葉を。
くらっち始めまだ数人休演者がおりますが、誰一人休演者なく後半戦を迎えられますよう、、、
代わりっちゃなんですが、風邪がさらに悪化し(なんとか持ち直したので通常の生活送ってますが)
勝手に風邪を引き受けた気分でいます(笑)(別にインフルじゃないんですけどね)
そんなこんなで以下、全体感想(ネタバレも含みますので未観劇の方ご注意を)
これまでも著名な原作ものを上演化したものは数多くあります。どの先生方も苦心されてるなと思うのは、
いかに原作ファンと宝塚ファンの最大公約数をとるかという点でしょう。今公演のように新たな客層を
呼び込む目論見もある場合、あまりに原作とかけ離れたものをしてしまうと批判を免れません。
別に舞台だけでなくどの実写化にしてもそうですが、ほかの媒体と違うのは原作ファン以上に多いのが
宝塚ファンであること。原作ファンを意識するあまり宝塚要素を無くしてしまうと、それこそ小池先生の
おっしゃってた通り“2・5次元ミュージカル”になってしまう(こんな言葉があるの初めて知りましたが)
さらに言うと、別に宝塚ファン&原作ファンと明確に二分できるわけではなく、宝塚ファンと原作ファンを
兼ねてらっしゃるシビアな観客も少なからず(私も原作ファンというほどではないですが、リアルタイムで
読んでいた口ですし)なんだか書いててややこしくなってきましたが、演出家の苦悩たるや
原作物を上演するにあたり、大きく2種類に分かれます。一つは登場人物の設定や世界観さえ壊さなければ
どんな話でも作れるものと、話のまま作らなければならないもの。前者は原作が一話完結型の物に多く、
最近では『ルパン三世』が良い具合に原作と宝塚が融合されてましたね!個人的には『逆転裁判』
なんかも舞台設定が原作と大きく離れてるにも関わらず世界観が損なわれておらず原作ファン(というか私w)
も大いにに納得できる出来だったのではと思っています。(『相棒』や『ブラックジャック』もコチラ側ですね)
難しいのは後者。特に原作が長ければ長いほどどの話を切り取るかという選択もありますし、原作の
設定が凝っていれば凝るほど登場人物の説明も長くなるわけでそういう意味では『メイちゃんの執事』は
上手いこと作られてるな~と思いますし(本当に惜しいと思うんですよ、、、児玉先生)力技でしたけど
『エル・アルコン』や『JIN』を物語の終盤までを1幕で収めきったサイトー先生って実は凄い?と。
(どの作品とはいわないですが、中途半端に漫画1巻分台詞そのまま上演した作品もあったな~なんて)
さて『るろ剣』はどちらなんだろう。。。最初は後者だと思っていたのですが、オリジナルキャラが登場し
内容もオリジナルに展開していくから前者より。でも元の原作が○○編と細かいストーリーはあるものの
流れのストーリーがある作品なので、全くのオリジナルというわけにはいかなかったんでしょうね。
(逆に既存のキャラを敵役として原作そのままの展開にできなかった理由も小池先生おっしゃってましたが)
結局恵編に乗っかる形となりましたが、その分どうしてもオリキャラの書きこみの薄さが気になります。
終始(私はなのですが)「ジェラールは何がしたいねん」に尽きるかと。“女に入れ上げ辻斬り←
その女は桂に取られる←桂を守る剣心と決闘かと思いきや斎藤に追いかけられる←大使館に逃げ込み
フランスへ←フランスかぶれになり武器売買で一儲け←「剣心!俺と一緒に明治政府潰そうぜ☆」”
「するか!」と剣心でなくても拒否しますよねそもそも政府を潰そうったって具体的に何がしたいのか。
はちゃめちゃにしたいのか、自分が国を裏で牛耳りたいのか。ジェラール的には後者っぽいですが、
あんな場所で政府高官たちを強力なアヘン漬けにしてその後どうしたいのか。(しかもその強力なアヘンも
針で即治るという設定w)そもそも一瞬で会っただけの何の因縁もない剣心にそこまで執着するのか。
新撰組の美形剣士ということで加納を添えたのだと思うのですが、どうせオリキャラにするならもっと
剣心と過去に因縁づけられるような人物にした方が話に深みが増したんじゃないかと。(一瞬
出会っただけの剣心が覚えてて、ずっと一緒だった斎藤が剣心に言われるまで気づかないのも)
演出・セットについて。1幕はほとんど人物紹介で2幕で話が動きます。といっても、立ち回りが多いので
流れとしてはそこまでどんどん進むわけではないのですが。原作では明治期に入ってからですが、
舞台では抜刀斎時代から。加納との関係性も描くからか、プロローグ(血風録がそれととらえてるのですが)
までが長い人斬り時代は回想に回していきなり剣心時代でもいい気がしますが、そうなると加納との
関係を説明するのが難しいか。血風録も文明開化のナンバーも好きなので、これはこれでありかも。
原作のストーリーをかなり端折りながらw交えつつ登場人物の紹介。ひとつひとつのテンポ感ももう少し
あったらいいなと思うと同時に、どうにも流れがぶつ切りにも思え。(『オーシャンズ11』の時はもう少し
流れるような感じだったのに)小池作品の1幕ラスト叩きこむような展開は今回はなし。かといって、
余韻を残す終わり方でもなく割とあっさり目。もう少し不穏な空気を漂わせる終わり方でもよかったかも。
2幕の阿片のくんだりも少し冗長かな?いっそ幻覚にさまよってた際に顔も見知った人達が阿片にやられて
剣心を襲う~というのは?(それはちょっとゾンビ映画みたいで怖すぎるかもですが)最後の決闘シーンも
見守るという体とは言え、斎藤や左之達が棒立ちなのも、、もう少しタイミングずらして駆けつけてくれればと。
と色々いいましたが、阿片でやられた剣心が抜刀斎の影に心を振り回される演出はよかった!
後でまた良いますが、この表裏一体感が!(その前の一瞬だった巴編もそれはそれは美しくて)
続く